紙の本
せっかくだから愉しく科学と生活していこう。
2008/05/28 17:39
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
わかりやすい言葉で、日常につながる科学を考えた本です。ルビもたくさんついていて大人でなくても読める本になっていますが、大事なこと、結構難しい内容も含まれています。「あたりまえ」と慣れすぎてしまうのでも、闇雲に怖れるのでもなく、せっかくだから愉しく科学と生活していこう。でも、愉しくするためにはまず、科学を知ること、どういうものか考えることから始めなければいけない。そういう生き方、「リビング・サイエンス」という考え方をこの本は紹介しています。
本書の主張は「科学づけ」になって振り回されて毎日を汲々とすごす緊張をほぐしてくれるものでした。確かに きちんと考え、理解して賢くいきたい、でも楽しく賢く、ならもっといいですよね。
まず、身の回りにある科学技術・知識の変化がとても速いことが具体的な例で示され、結構驚かされます。洗濯機だって、テレビだって随分変わりました。電話は「携帯」が当たり前に近くなってきましたが、50年前には存在していません。そういえば「ポケベル」なんてものも短い時間とても流行しましたっけ。今日本で「あたりまえ」のことが、子供の頃の日本、現在でも「あたりまえ」ではない他の国があることは知っておいてほしいし、忘れないでいたいことです。
知識だって変わっています。第四章の冒頭にある「歯の磨き方指導が小学校の途中で突然変わった」という話は、その年度にあたった人でなければ感じない「何が正しいの?」という貴重な体験でしょう。でも、実際は知らないうちにこういうことはきっと幾つもあるのです。消毒のために、頭の上から真っ白になるほどDDTをふりかけていたことを記憶している人もいるのではないでしょうか(知らない人はおじいさん、おばあさんに聞いてみてください)。「何が正しいのか、あたりまえなのか?」。それを考えた第四章「科学はどこまで信じられるのか」はとても大切な章だと思います。
具体的な日常生活と先端技術とのつながりの話、寺田寅彦や花森安治など生活と科学知識を上手につなげようとした先人の話。こういった手がかりも、この小さな本の中には随分あります。ゲームソフトでとてもリアルに感じられる表現が実は実際の現象を忠実に表現したものではない、という話なども「作り物の方がよりリアルに感じる」という身近な実例でした。「電気でなくても結構できる」という「非電化プロジェクト」の試みは、今後の発展が楽しみな、というか自分でも出来たらいいなと思われる愉しい話。(「非電化プロジェクト」の本も紹介されています。こちらの書評はまた書きたいと思います。)
この本で好ましく思えたのは、間違ったことへの批判や危険性への警告も穏やかな言葉で書かれていること。良い文章はそれだけで心地よいものです。「楽しくありたい」という一貫した姿勢も学びたいものでした。
紙の本
科学への苦手意識が克服できそう。
2020/06/08 12:09
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投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
科学に苦手意識がある学生さんにおすすめだと思う。
毎日の生活も、科学にあふれている。
視点を変えれば、科学は身近な存在になる。
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2011 1/11読了。Amazonで購入。
生活と科学技術の関係を見直す、リビング・サイエンス・ラボの成果についてまとめた本。
「科学技術」としているだけあってテクノロジーよりの話から入っている。
対象読者は科学者? 非科学者?
後者に対して科学技術がとっつきにくい、という話をしてもそれはもう実感しているはずで・・・うーん?
自分の研究にとって重要なテーマに関連する話ではあるのだが、今ひとつピンとこなかった。またいずれ読み返す、かも?
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[ 内容 ]
毎日の「便利」な生活は科学技術があってこそ。
料理も洗濯も、ゲームも電話も、視点を変えると楽しい発見がたくさん。
幸せに暮らすための科学との付き合い方とは。
[ 目次 ]
第1章 身の回りの「便利」から考える
第2章 暮らしと科学技術のはるかな距離
第3章 生活の中にある科学に自分の手で触れてみる
第4章 科学はどこまで信じられるのか
第5章 生活実感をモトにした工夫が、科学につながる
第6章 リビング・サイエンスの提案
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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生活の中で触れる身近なものを起点にして科学について考えてみようよ、という本。対象年齢層が恐らく10代であると思われるので、書き方は平易。あるいは淡々と書かれていると表現すべきか。
現代の生活は科学と切り離せないのだが、我々はそれに対してどんどん気付きにくくなっているというのはなるほどその通りという印象。技術は高度化するほど、ユーザ側の技術を必要としなくなるんですよね。
ただ気になるのは、あまりにも「科学」が自明視されているので、なぜあるイシューを「科学」でもって解決しなければならないのか、というところが全く消化されない点。もちろんオルタナティブな活動をしている人の紹介があったり、「リビング・サイエンス」なる生き方が提案されていたりするのだが、それらは全て「科学」の範疇での話であり、もっと他のアプローチもありえるのではないかなと思わされた。なんだろうな、たとえば宗教とかだろうか。わからんけど。
後半部の理念的な話よりも、前半部の色んな技術紹介のところが面白かったです。こういうアプローチなら科学に関心を持つ若い人も増えるんじゃないでしょうか。
分量も少なく、小一時間で読めます。
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日々の生活で行っていることを科学の目で見つめなおす「リビング・サイエンス」を提唱。
とはいえ、特別なことでは決してなく、日々何気なくやっていることが実はサイエンスを実行していることに気がつくことに意味があり、考えてみることに価値がある。
例えば、料理はサイエンスの塊。料理によって、レンジがいいのか、直火がいいのか、オーブンがいいのかを使い分けている。食材に熱をかける方法を、それぞれの食材によってコントロールしている。
さまざまな電化製品などが実現する「便利なこと」は同時に、人が一人で
できることを減らすことでもある。よって、これらのリビング・サイエンスを意識することで、ブラックボックス化していく「便利」の中身を改めて考えてみることを提案しています。
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小学生高学年から中学生に薦めたい図書である。本書で使われている例えで言うならば、科学者は浮世離れした人付き合いの悪い人物とイメージされることが多いが、それが多くの人にとっての科学そのものの印象である。しかし、本当の科学は生活に根ざすものであり、決して一部の学者に独占されるべきものではないというのである。
科学には生活の実感が伴わなくてはならないとも述べている。食材の消費期限の表示を無批判に信じたり、健康によいとされる食べ物が実は害があったりするという事実を、私たちは科学的な物の見方で批判的に捉えなくてはならない。科学を他人任せにするのではなく、生活の中で
感じ取ることが必要だと述べているのである。
こうした考えをリビング・サイエンスというらしい。科学に対するリテラシーのようなものを高めるこことによって生活の中に科学の成果を取り入れ、科学の専門家にも生活者としての視点を持たせることを目指したものらしい。科学とは何かを考えるきっかけとして有益だ。
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生活の中に科学は溢れている。
そんなの当たり前と言えるご時世だが、ではその中の技術どれくらい説明できるか、と言われたらほとんどできない。それでも生きていけるけど、なんとも情けなく感じる。
科学は科学者のものなのか、生活者のものなのか。考えさせられる一冊。ちなみに技術の説明事態はかなり簡単なものばかり。でもそれが積み重なると、まるでブラックボックスである。これを科学者はどう伝え、生活者はどう学ぶべきなのか…なかなか難しい話にも思えた。
オススメ度:
★★★☆☆
ノブ(図書館職員)
所蔵情報:
品川図書館 404/Sa46
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中高生向けの「科学」入門書。
ただしここで取り上げられているのは、物理学やら数学やらを駆使した小難しい「科学」ではない。
そうではなくて、「科学」がいかに身近なものかを説明した本である。
だから、たとえばこの本は親世代に読んでほしい。
そうして小学生くらいの子どもに「科学」の面白さを子どもに伝えてやってほしいと思う。
だって高校生になってから「科学」って意外に面白そうって思っても、ちょっと取り返すのが難しいから。
(だいたい高校2年生になるころには文系、理系が終わっているだろうし、「私は文系」的な意識が出来上がるまでに触れてほしい内容。ただし「文系」の僕が読んでも十分に面白い本でしたが)
著者らが提唱する「リビング・サイエンス」。
興味深いです。
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科学をもっと身近な視点から捉えて、興味を持つことで日常生活をさらに楽しんでいけるヒントがあちこちに散りばめられている面白い本だ.第2章で昭和の時代に様々な新製品が登場していくことを述べている部分が面白かった.実際に体験している事象もあったので.
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科学は絶対じゃない、過去も現在も科学が原因の問題がいっぱいあるから、科学に頼りすぎるな!みたいな本。当たり前のことが長々と。子供向けかな。子供の学校での推薦図書だし。