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失敗に基づいた設計は、小さな部分では、先輩の失敗に基づいた知恵を盗むとともに、自分が起こした失敗を体系化して理解していくことが想定できる。自分の失敗を体系化して文書化しても、後輩にうまく伝わるかどうかは分からない。後輩も失敗をしないと、その重みが感じれないかもしれない。
P23に、FTA(Fault Tree Analysis)の紹介がある。「”起こり得る可能性があるが、まだ起こっていないようなこと”まで範囲を広げて考えることはできない」とあるが、本当だろうか。道具の使い方に問題がないだろうか?
P146の「ドアに見る手動と自動の違い」の表に疑問がある。
「危険と安全、取り扱う人の考え・気分、技術の内容、事故が起こったときの事故情報の集積・社会的取り扱い」に区分して、手動と自動について記述している。
手動については、何もないという記述があるが、手動であっても機械であって、安全設計に基づいているはずなので、技術、情報集積がないとは限らない
P159
「「軽くなければならない」という知見が忘れられ「見栄えのよさ」という余計なものが付加された」とあるが、現場の技術者の検討と、経営者の判断を混ぜて議論していないだろうか。
ここを明確に区分しないと、再発防止がうまくいかないかもしれない。
P177
「どれか一つ欠けても安全は実現しない」とあるが、何か少し欠けても安全を実現するというのが安全設計ではないのだろうか。
P178の「安全を実現するための要件の階層性」も、どこかがだめなら全部駄目でなく、どこかの不具合を別の階層でチェックするというような風にはならないのだろうか。