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憲法九条を世界遺産に みんなのレビュー

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みんなのレビュー167件

みんなの評価3.7

評価内訳

高い評価の役に立ったレビュー

3人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2013/05/03 22:07

覚悟

投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る

最近、憲法改正に関する話題がニュースにならない日はない。
くわえて、今日(5/3)は憲法記念日という事もあり、随分前に買った本書をひっぱりだして読んでみた。

お笑いコンビ「爆笑問題」の太田光と哲学者、中沢新一の2人が日本の憲法を宮沢賢治(の思想)を鏡として考えてみよう、というもの。

なぜ、宮沢賢治か?
それは宮沢賢治は「銀河鉄道の夜」「風の又三郎」「セロ弾きのゴーシュ」などの作品で、動物や自然を愛し、命の大切さを語った作家であると同時に田中智学(「八紘一宇」を謳った)や石原莞爾(満州事変の黒幕)の思想に傾倒もしていた。
この事については、「寄り道」として触れたがらない研究者がいる一方で、中沢新一は、この2つは深い所でつながっていると考えているため。

本書の中の言葉を借りると「彼(宮沢賢治)の作品の中には正義や愛があふれているけれど、正義こそが結果として人を殺す思想にもつながっていく。そこを深く見つめなおさないと、もう一度同じことが起こると思うんです。」

本書が発行されたのは2006年8月。小泉総理(当時)が安倍氏を次期自民党総裁に選んだのが2006年9月。
ちょうど、この頃、太田光は日本テレビ系で「太田光の私が総理大臣になったら・・・秘書田中」をやっていた。

この時も改憲論が取り沙汰されたが、小泉総理(当時)の後に総理になった安倍氏への「逆風」の中、いつしか立ち消えに・・・。
そして、自民党が政権を取り、安倍氏が総理になった事で、今また、改憲論がにぎやかになってきた。

が、今回、違和感を覚えるのは、改憲そのものより、その手続きに関する話題が賑やかな点。
改憲手続きのハードルを下げよう、というものだが、それに賛同する人たちから、それが意味する事や将来に与える影響の話は聞こえてこない。
特に政治家は「次の時代」を考えるのが仕事のはずなのだが・・・。

それから、今の改憲論者たちの言葉を聞いていると、「銀河英雄伝説」(田中芳樹)に出てきた扇動政治家ヨブ・トリューニヒトとその(実質的な)私兵集団「憂国騎士団」のことが頭をよぎる。
つまり「実際に銃を手に取り、最前線に行くのは自分以外の誰か」という前提でモノを言っているように感じられる。
要するに「自分の事としての覚悟」があるとは、あまり思えないのだ。

ところで、本書のタイトルでもある「憲法九条を世界遺産に」というのは、半分冗談でもあるが、半分は本気。

日本の憲法は戦争していた日本とアメリカが、戦争が終わった途端、「合作」で作った憲法で、「突然変異」的なものであり、「珍品」でもある、という。
だから、「おかしい」ではなく「貴重」なものなので、世界遺産にして守ろう、という話になったのだ。

ただ、仮に本当に世界遺産になったとしたら、何か不都合が生じたとしても、守り続けなければならない、ということになる。

太田・中沢両氏は、このようにも言う。
「日本国憲法を守っていくには、相当な覚悟と犠牲が必要になるということも忘れてはいけない。」

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低い評価の役に立ったレビュー

29人中、24人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2006/12/10 03:03

「法」を否定する恐るべき無政府主義

投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 9条を世界遺産に。大賛成である。ぜひ9条を実効性ある国際条約に組み込み、世界中から軍事を奪って欲しい。そして、テロリストから私達とその家族を守って欲しい。
 しかし、万が一常任理事国が軍備を放棄するといって、それが本当になったら大変なことになる。テロリストや無政府主義者、共産主義者に政府は転覆され、もはや(政府)憲法の保障する生存権(25条)も奴隷的苦役からの解放(18条)の恩恵も享受できなくなる。
 太田の思考の最大の特徴はその内弁慶である。まず日本が9条を守れなどという。しかし、世界に向けてこの男が軍備廃止の運動をしたなどという話はついぞ聞かない。特定の国だけが9条を持つことは絶対に許されないはずである。なぜなら、もし今米国が全ての軍備を廃止したら、世界は地獄である。太田は世界の怖さをおそらく知らない。虐殺は、今でも実際にそれもおびただしく行われている。中国の法輪功への拷問は熾烈を極める。顔の皮が生きたまま剥がされている女性がその酷さを訴えていたが、見るも無残である。アフリカの軍事政権もしかり。
 こんな連中をそれでもやりたい放題やらせないのは、米国などの力である。それだけでも米国はよくやっている。それが世界制覇の道程であろうが、制裁を怖れて粛清を抑止させていることは事実である。
 そうして世界は経済規模に応じて世界の警察の役割を分担している。なのに、どうして日本だけが蚊帳の外でいられよう。現実に蚊帳の外にいるのだが、仮に9条を明日から米英に制定したら、世界秩序を守れるのは露中のみとなる。ロシアは恐ろしい国である。虐殺大国中国と強権国家中国は、上海協力機構を発足させ、事実上の反米大同盟を出現させた。この2国による世界支配がいかに不気味で恐ろしいかは、チベットとチェチェンとググって調べればすぐに理解できる。露中もなければ第2第3の軍事国が出てくる。しかもそれを抑える術はどこにもない。なぜなら、どこも軍事力が無いのだから。
 九条は人類の理想と太田は言う。しかし、もし理想を押し付けた場合の代償は想像以上に大きい。私の理想は、九条という手段ではなく、「世界の人々が最大限の幸福を享受しつつ、自由に暮らせる事」である。なぜ、九条というツールにそうも拘るのか。
 正しい力、警察力がなければ、日本だって毎日いたるところでレイプ事件が起きることはもう日本人も分かっているだろう。世界だって同じだ。警察から警棒と拳銃を取り上げて、それでも人が笑って暮らせるか、太田よ教えて欲しい。
 九条は警察力の否定である。太田は自衛隊も無くせというアホの福島みずほと同じ考えである。そうなった時、弱肉強食となり、困るのはおそらく女性ではないかと思う。法というのは私人の力を抑える人類英知の結晶である。そして、法の権威は国家権力によって担保される。そして国家権力は警察力によって担保される。
九条が先進国に広まれば、それはすなわち「法の否定」以外の何物でもない。法に人が従うのは背後に力があるからなのだ。そして、力が暴走しないためにも三権分立(41条等)や独立の司法(76条)といった「法」が存在しているのだ。
 年間15億以上稼ぐ太田は、いざとなれば海外にも行ける。しかし、我々庶民は、日本と運命を共にする。そこで、本当に九条が世界に広まって、もう米国も日本を守れませんと言われた時、我々は笑って暮らせるか?太田の主張どおり自衛隊を無くして、それでも安心して暮らせるだろうか?現に韓国は対馬を領土紛争化する法案を本当に準備しているのである。
 太田だってみんなが幸せな社会を目指すはずだが、要するに九条という手段に頼ることが本末転倒であり、目的と手段の混同で以外の何物でもない。

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167 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

覚悟

2013/05/03 22:07

3人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る

最近、憲法改正に関する話題がニュースにならない日はない。
くわえて、今日(5/3)は憲法記念日という事もあり、随分前に買った本書をひっぱりだして読んでみた。

お笑いコンビ「爆笑問題」の太田光と哲学者、中沢新一の2人が日本の憲法を宮沢賢治(の思想)を鏡として考えてみよう、というもの。

なぜ、宮沢賢治か?
それは宮沢賢治は「銀河鉄道の夜」「風の又三郎」「セロ弾きのゴーシュ」などの作品で、動物や自然を愛し、命の大切さを語った作家であると同時に田中智学(「八紘一宇」を謳った)や石原莞爾(満州事変の黒幕)の思想に傾倒もしていた。
この事については、「寄り道」として触れたがらない研究者がいる一方で、中沢新一は、この2つは深い所でつながっていると考えているため。

本書の中の言葉を借りると「彼(宮沢賢治)の作品の中には正義や愛があふれているけれど、正義こそが結果として人を殺す思想にもつながっていく。そこを深く見つめなおさないと、もう一度同じことが起こると思うんです。」

本書が発行されたのは2006年8月。小泉総理(当時)が安倍氏を次期自民党総裁に選んだのが2006年9月。
ちょうど、この頃、太田光は日本テレビ系で「太田光の私が総理大臣になったら・・・秘書田中」をやっていた。

この時も改憲論が取り沙汰されたが、小泉総理(当時)の後に総理になった安倍氏への「逆風」の中、いつしか立ち消えに・・・。
そして、自民党が政権を取り、安倍氏が総理になった事で、今また、改憲論がにぎやかになってきた。

が、今回、違和感を覚えるのは、改憲そのものより、その手続きに関する話題が賑やかな点。
改憲手続きのハードルを下げよう、というものだが、それに賛同する人たちから、それが意味する事や将来に与える影響の話は聞こえてこない。
特に政治家は「次の時代」を考えるのが仕事のはずなのだが・・・。

それから、今の改憲論者たちの言葉を聞いていると、「銀河英雄伝説」(田中芳樹)に出てきた扇動政治家ヨブ・トリューニヒトとその(実質的な)私兵集団「憂国騎士団」のことが頭をよぎる。
つまり「実際に銃を手に取り、最前線に行くのは自分以外の誰か」という前提でモノを言っているように感じられる。
要するに「自分の事としての覚悟」があるとは、あまり思えないのだ。

ところで、本書のタイトルでもある「憲法九条を世界遺産に」というのは、半分冗談でもあるが、半分は本気。

日本の憲法は戦争していた日本とアメリカが、戦争が終わった途端、「合作」で作った憲法で、「突然変異」的なものであり、「珍品」でもある、という。
だから、「おかしい」ではなく「貴重」なものなので、世界遺産にして守ろう、という話になったのだ。

ただ、仮に本当に世界遺産になったとしたら、何か不都合が生じたとしても、守り続けなければならない、ということになる。

太田・中沢両氏は、このようにも言う。
「日本国憲法を守っていくには、相当な覚悟と犠牲が必要になるということも忘れてはいけない。」

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紙の本

あの太田節の魅力には、やはり抗しがたい

2006/12/07 22:47

22人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る

爆笑問題の太田光の著「パラレルな世紀への跳躍」(ダイヤモンド社 )を読んだときに、大変深い感銘を受けたことを記憶しています。その書を私は以下のように賞賛する書評を書いたものです。(2004/1/27付け)

 「『自分の暮らす社会は努力次第でより良くなるはずだ』という著者の強い信念が全編を貫いています。人間は不完全だけれどもそのことを認めつつより良くなろうと努力することが出来る生き物であることを著者は微塵も疑っていません。だからこそ、社会に積極的に関わっていこうとし、そのために必要な社会の見方について綴っているのです。著者の論調は極めて真摯。」

 本書「憲法九条を世界遺産に」もまさに太田の強い信念が前面に出た好著だといえます。
 第九条に書かれたことを、極端な理想主義として否定的に見る人々の意見を私も知っていますし、ある程度認めないでもありません。東アジアの政治状況がこれだけキナ臭い世の中で、今の憲法で果たして平和を保てるのか、自問せずにはいられないでしょう。

 しかし、太田は本書で次のように発言します。
 「この世に神様がいて、未熟な人間は俺のところまでこれないだろうと言うなら、いや、俺たちはそっちまで行って、超えてやるぞというくらいの人生じゃないと、つまらない。(中略)人間は秩序を構築できる生き物であると、少なくとも生きる態度として示したいと思う。その証が憲法九条だと僕は思っているんです。」(74頁)

 人々は、本書の太田の言はやはり夢想家のそれだというかもしれません。それでも私は上述のような彼の言葉に心打たれざるをえないのです。そして、こうした言葉に心を打たれるような人間であり続けたいともまた、思うのです。人間は前進を続けるべき生き物であるという言葉に。

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この本を批判的に読めるか?

2007/05/19 10:34

13人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る

憲法第 9 条についてかんがえるとき,日本の周辺国の状況やアメリカとの関係など,かんがえるべきことはおおい.ところが,この本の著者たちはそういうことをいっさいかんがえずに,ほとんど空理空論だけで憲法第 9 条を論じている.この本がよく売れているときくと,危険を感じざるをえない.
しかし,この本を批判的に反面教師として読むことができれば,得るところはあるのではないかとおもう.つまり,この本の問題点は湾岸戦争以前に日本がおちいっていた問題点だとおもえるからだ.とはいえ,おおくの読者にとってはそういう読み方をするのはむずかしいのではないだろうか.

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紙の本

この2人に本当に覚悟があるとは思えないのだが

2008/12/28 22:20

15人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る

 まず、いくらか事実誤認がある。太田は現憲法が日米合作だというが、当時の関係者の記録や証言(例えば白洲次郎関係の本など)で分かるように、アメリカ製であることは否定しようがない。さらに、アメリカが合衆国憲法で戦争を放棄しているならば筋が通るが、体罰教師に暴力はいけないと禁止されているだけの状態を誇るべきではない。また、地位協定への言及がないのも気になる。
 
 イロコイ連邦の思想が合衆国建国に影響を与えたかもしれないが、白人移民がアメリカインディアンと契約を結んでは破りを繰り返し、大量虐殺により彼らを殲滅してきた歴史のほうが、重大な史実ではないだろうか。こうしてみると、親米でも反米でもいけない(私もそう思う)と言いながら、かなりの親米・拝米である。一部の良心的なアメリカ人の言動とアメリカの国策やアメリカの世論とを勘違いしてはいけない。また、日本政府がイロコイ連邦を国として認めていないことにも触れていない。
 
 私は平和主義に反対ではない。しかし、世界遺産への登録申請は、平和条項を(ここでいう第9条を)日本国民が選び直したうえで行わなければ意味がないと考える。第一、現憲法を日本人の憲法だなどとは、世界の誰も思ってはいない。その証拠にアジア各国の信頼をいまだ取り戻せないでいるではないか。このまま世界遺産に登録したからといって、事態は変わるものではない。
 
 現状はアメリカが日本国憲法により日本に戦争をさせない、同時に日米安保により、日本に攻撃をくわえるなというアメリカの気持ちが世界に伝わっているだけである。日本が自ら戦争を放棄したなどとは、思ってもらえていないのだ。昨今の憲法改正論議に2人が危機感を感じているのは分かるが、他者(諸外国)の気持ちを考えない議はかえって平和主義に反するものとなりかねない。
 
 2人の感性(自己陶酔型性向)が非常によく似ていることは、この本からも分かる。感受性が強く鋭い視点もあるのだが、自らの無謬姓を疑うことがないのが欠点である。そのためか、話がすれ違っていても、お互いにほめ合って傷つかないようにしている。また、対談集なので1枚目の対談風景の写真が掲載されるのは分かるが、2枚目以降のツーショットや個人写真はまったくナルチシズムの表出以外の何物でもないように感じられる。
 
 この2人も世の中にも護憲は平和主義で、改憲は戦争放棄の削除だと決めつけている向きがあるが、護憲がアメリカに対する忠誠心からである場合も、改憲がさらなる平和主義の推進である場合もあることを忘れてほしくない。この本を読んで、世界からの人望ならぬ国望を得るためには、平和憲法を日本国民が選び直すことからしか始まらないとあらためて確信した。そして、それは必ずしも戦争放棄でない可能性もある。

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「法」を否定する恐るべき無政府主義

2006/12/10 03:03

29人中、24人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 9条を世界遺産に。大賛成である。ぜひ9条を実効性ある国際条約に組み込み、世界中から軍事を奪って欲しい。そして、テロリストから私達とその家族を守って欲しい。
 しかし、万が一常任理事国が軍備を放棄するといって、それが本当になったら大変なことになる。テロリストや無政府主義者、共産主義者に政府は転覆され、もはや(政府)憲法の保障する生存権(25条)も奴隷的苦役からの解放(18条)の恩恵も享受できなくなる。
 太田の思考の最大の特徴はその内弁慶である。まず日本が9条を守れなどという。しかし、世界に向けてこの男が軍備廃止の運動をしたなどという話はついぞ聞かない。特定の国だけが9条を持つことは絶対に許されないはずである。なぜなら、もし今米国が全ての軍備を廃止したら、世界は地獄である。太田は世界の怖さをおそらく知らない。虐殺は、今でも実際にそれもおびただしく行われている。中国の法輪功への拷問は熾烈を極める。顔の皮が生きたまま剥がされている女性がその酷さを訴えていたが、見るも無残である。アフリカの軍事政権もしかり。
 こんな連中をそれでもやりたい放題やらせないのは、米国などの力である。それだけでも米国はよくやっている。それが世界制覇の道程であろうが、制裁を怖れて粛清を抑止させていることは事実である。
 そうして世界は経済規模に応じて世界の警察の役割を分担している。なのに、どうして日本だけが蚊帳の外でいられよう。現実に蚊帳の外にいるのだが、仮に9条を明日から米英に制定したら、世界秩序を守れるのは露中のみとなる。ロシアは恐ろしい国である。虐殺大国中国と強権国家中国は、上海協力機構を発足させ、事実上の反米大同盟を出現させた。この2国による世界支配がいかに不気味で恐ろしいかは、チベットとチェチェンとググって調べればすぐに理解できる。露中もなければ第2第3の軍事国が出てくる。しかもそれを抑える術はどこにもない。なぜなら、どこも軍事力が無いのだから。
 九条は人類の理想と太田は言う。しかし、もし理想を押し付けた場合の代償は想像以上に大きい。私の理想は、九条という手段ではなく、「世界の人々が最大限の幸福を享受しつつ、自由に暮らせる事」である。なぜ、九条というツールにそうも拘るのか。
 正しい力、警察力がなければ、日本だって毎日いたるところでレイプ事件が起きることはもう日本人も分かっているだろう。世界だって同じだ。警察から警棒と拳銃を取り上げて、それでも人が笑って暮らせるか、太田よ教えて欲しい。
 九条は警察力の否定である。太田は自衛隊も無くせというアホの福島みずほと同じ考えである。そうなった時、弱肉強食となり、困るのはおそらく女性ではないかと思う。法というのは私人の力を抑える人類英知の結晶である。そして、法の権威は国家権力によって担保される。そして国家権力は警察力によって担保される。
九条が先進国に広まれば、それはすなわち「法の否定」以外の何物でもない。法に人が従うのは背後に力があるからなのだ。そして、力が暴走しないためにも三権分立(41条等)や独立の司法(76条)といった「法」が存在しているのだ。
 年間15億以上稼ぐ太田は、いざとなれば海外にも行ける。しかし、我々庶民は、日本と運命を共にする。そこで、本当に九条が世界に広まって、もう米国も日本を守れませんと言われた時、我々は笑って暮らせるか?太田の主張どおり自衛隊を無くして、それでも安心して暮らせるだろうか?現に韓国は対馬を領土紛争化する法案を本当に準備しているのである。
 太田だってみんなが幸せな社会を目指すはずだが、要するに九条という手段に頼ることが本末転倒であり、目的と手段の混同で以外の何物でもない。

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2006/08/15 22:31

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2006/08/19 23:04

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2006/08/27 21:04

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2006/09/20 01:23

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