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日本テレビとCIA 発掘された「正力ファイル」 みんなのレビュー

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評価内訳

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10 件中 1 件~ 10 件を表示

紙の本

民衆馴致の装置日本のテレビとCIA

2006/11/19 23:17

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:sheep - この投稿者のレビュー一覧を見る

アメリカのジョークの典型に、良いニュース、悪いニュースというのがある。本書で思いついたのはそうした「良いニュース、悪いニュース」。
良いニュースは長年そうではないかと想像していた事が妄想でなく事実だった事。悪いニュースは、その事実が、マスコミ特にテレビは体制権力による愚民化政策の道具としてアメリカが計画していたという事だ。
ディズニー・アニメなどを研究していた学者が、アメリカの国立公文書館に埋もれていたファイルによって、日本テレビが日本を対共産圏の防波堤とすべく日本人を教化するため企画されたドゥマンらの「アメリカ対日心理戦」の一環であったことを証したもの。
「拒否できない日本」はアメリカがあからさまに「属国日本」の支配層に、アメリカの都合に応じた日本の体制破壊を命令する文書であることをまざまざと示してくれた名著だ。一方本書は、そういう傀儡政権の従属政治を喜々として支持し自らの首を絞める属国民衆が創り出され続けている秘密を明かしてくれる。
正力が孤軍奮闘してテレビ事業を始めたわけではない。アメリカが狙っていたことを、日本側受け皿、走狗として実現に励んだにすぎない。
実現までに吉田首相からの横やりがあったり、計画変更を余儀なくされたりする経緯が、細にわたって描かれる。アメリカの「反共スキーム」という大枠は最後まで変化しない。
アメリカは日本を壊滅した後、日本を命令通りに動く組織に改造するため、さまざまな作戦を駆使していた。アメリカ文化センターなる施設に書籍をおき、映画を上映したのもその一環だった。
テレビ・ネットワーク構築は、同時に日本支配の為の軍事通信マイクロウエーブ・ネットワークの構築でもあった。テレビの導入は、アメリカのテレビ・セットの輸出市場開拓、テレビにかかわる莫大な特許の収入源開発でもあった。
更にテレビ・ネットワークはアメリカ文化注入の道具だった。テレビの普及にあわせて、日本各地のアメリカ文化センターなる施設は消滅した。なぜなら日本の家庭一軒一軒がアメリカ文化センターに変わったためだ。
終章が何よりも素晴らしい。
「日本テレビは心理戦に組み入れられた」
サンフランシスコ講和条約を成立させるに当たり、アメリカ軍を駐留させることで、軍事的占領は継続できるが、心理的、政治的支配の継続は大きな課題だった。
それを、テレビ・ネットワークを活用して見事に解決した。
以下のような項がある。
 1.アメリカおよびアメリカの同盟国との連携を強めれば日本に経済的繁栄がもたらされるが、共産主義国と連携を深めればその逆になると思わせること。
 2.共産主義国は日本を侵略しようとしており、それから守るにはアメリカ軍の駐留を受け容れ、アメリカ主導の集団的相互安全保障体制に加わることが必要だと気付かせること。
共産国を「アメリカ以外の国」におきかえれば今もそのまま。
こういう項もある。
- アメリカと日本の国家的指導者に両国の国益が似ていることを強調させ、それをメディアで広めよ。
- 共産主義への幻滅を書いた文学作品を日本語に翻訳させ、低価格で出版させなければならない。
共産主義への幻滅を書いた文学作品には、昭和24年に「占領軍翻訳許可第一号」群の一冊として発行された寓話『アニマル・ファーム』がある。
著者はさらに言う。
保守系政党が一つにまとまり、憲法改正に必要な三分の二の議席を確保し、再軍備するというのが今日に至るまでのアメリカの願いだ。
が、このような極秘文書の公開・非公開の判定に関わっているメリーランド大学の某助教授は、筆者と会話した際に「そのようなことを裏付ける文書は一〇年たとうが二〇年たとうが絶対公開されない」と断言した。
という。
最後に著者は問う。ドゥマンの呪縛はいつ解けるのか?
「テレビ」が啓蒙の装置に変わる日がくるのだろうか。

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紙の本

「対米従属」という心理的な鎖

2010/07/02 02:09

10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yjisan - この投稿者のレビュー一覧を見る

アメリカ国立第二公文書館に眠っていた機密文書「CIA文書正力松太郎ファイル」。その資料を発見した著者は驚嘆した。そこには著者が長年探し求めていた「正力松太郎による日本へのテレビ導入に隠された真相」が全て記されていたのである・・・! つまり、CIAが極秘に正力を支援する作戦の全容が記録されていた。正力は、CIAから“PODAM”というコードネームを与えられた協力者だったのだ!!


本書の扇情的な題名から、安手のスパイ小説のようなおどろおどろしい話を想起する人も少なくないだろうが、本書の視野はもっと遠大なものである。日本テレビこそが、戦後日本を作り今なお日本と日本人を呪縛している「アメリカ対日心理戦」の核心であり、ゆえに日本テレビ創業の裏側を明らかにすることで「日本の戦後」の実相が浮かび上がってくる、と著者は説くのである。

したがって本書は、日本テレビ(いわゆる日テレ)の創業者であり「テレビ放送の父」と賞賛されてきた正力松太郎の実像への接近を通じて、アメリカの反共戦略の中に戦後日本が知らず知らずの内に組み込まれていった過程を詳細に描き出した力作と言えよう。


CIAの後押しを受けて、正力松太郎が当初ぶちあげた計画は「テレビを含む国際通信のためのユニテル・リレー網計画」であった。すなわち、テレビに留まらず、地域ラジオ、軍事ファクシミリ・テレタイプ、天気図をはじめとするデータ放送、警察無線、列車通信、航空・防空管制など、主に軍事的目的に利用されるマイクロ波通信網の建設だったのである。日本を極東における「反共の砦」として機能させようというアメリカの冷厳な世界戦略に乗る形で、正力の日本テレビ創業計画は進められていった。正力やその懐刀の柴田秀利が生前に語ったような、夢と理想に満ちた成功物語ではなかったのである。


正力の背後に見え隠れする「黒幕」たち=ジャパン・ロビー(米政界内の反共親日派)の広範な人脈を丹念に炙り出していく前半は、説得的ではあるが、やや単調。いかにも研究者が書いた、という感じ。
しかし日本テレビ開局をめぐって、正力をはじめ、吉田茂(当時の総理大臣)、犬養健(法務大臣)、佐藤栄作(郵政・電気通信大臣)、池田勇人(通産大臣)、緒方竹虎(副総理)、鳩山一郎(吉田の最大の政敵)、重光葵(改進党総裁)、梶井剛(電電公社総裁)など政界・官界の大物、更にNHKや毎日新聞・朝日新聞など競合マスコミの思惑が交錯し、彼らが権謀術数の限りを尽くして熾烈な権力闘争を繰り広げる様を活写する後半は非常にスリリング。


ただ、それも所詮は「コップの中の嵐」で、アメリカの掌の上で踊らされていたのかと思うと、少し虚しい。日本の政治家とマスコミ、そして日本国民が、「親米」という名の対米従属のメンタリティーから脱却できる日は来るのだろうか?

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2007/07/16 00:51

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2008/03/06 21:03

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2009/05/10 18:15

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2010/04/20 09:15

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2011/06/08 11:00

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2012/03/18 01:00

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2012/04/10 21:38

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2023/04/25 06:00

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