紙の本
激しく心に訴えかけてくる。これこそが本当の意味での物語りだと
2006/12/11 21:52
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
マルドゥック・ヴェロシティ完結編
凄まじい情報密度で二転三転するストーリー
興奮と悲嘆とに揺さぶられ、ただ愕然と受け入れるしかない
マルドゥック・スクランブルといういわば答えのある状態で書き始められた物語は当然緻密な計算があるはずなのだが、小賢しい計算高さでなく物語の必然を根底に敷き力強い勢いとリズムで成り立っている
ラスト付近でいささか字余りな印象はあったが、物語として十二分な完成度の高さ
ボイルドの持っていた全てのもの、愛情も信頼も敵も仲間も相棒も何もかもがここにある
紙の本
面白いけど…これで良いのかな?
2011/03/09 01:08
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紙魚太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ご存じ傑作マルドゥック・スクランブルの前日譚。
読んでてそれなりに面白いのだが、スクランブルに比べると物語として薄っぺらさが目につく。書き直されたスクランブル完全版との整合性の問題もあるのだろうが、基本的な謎かけが読者の推理ではなく「実はこうでした。」という、後付的展開が気に入らない。ぼくだけかもしれないがボイルドの物語とキャラクターイメージが漫画「北斗の拳」のラオウのとダブってしまう。カトル・カールの大部分は漫画にもできないお粗末さだと思うぞ。また、今作品のおかげでスクランブルでシザースがほとんど出てこないところが逆に凄く気になった。あと、どうしても理解できなかったのが、最後の必然性です。誰か教えてください。
三作目はシザースの話が良いなぁと思うのは僕だけでしょうか。
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三週連続怒涛の刊行、ついに完結!最初は読みにくく思えた文体も慣れれば悪くない。しかしこの文体、読者の想像力を試すような気も(笑)。『〜スクランブル』で語られたボイルドとウフコックの別離の事件の真実が切ない。幼いウフコック、感情に揺れるボイルド、まだ弱さを抱えるイースター博士。前作を好きな人ならぜひ読んでみて欲しい。個人的に、この巻のイースター博士の変貌が格好いいと思うの……大好きv
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そうそう、面白くて忘れていたが、悲劇的な別れがなければ既に発表されているこの後の話につながらないのである。そこを覚悟しつつページをめくる手は止まらない。少しずつ減らせる敵。そして味方も減り始める。悲しい現実のあとに、ついに運命の別れが。
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マルドゥック・スクランブルの後に出たスクランブルの前の話。前の話で過去の話として明かされていた数々のピースがこの本で埋まります。ボイルドカッコいいです。
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読み進むほど、早く続きが読みたくなり、加速する物語に引き込まれていった。
結構複雑な話だったから、もう一度最初から読み返すとしっくりくるかもしれない。また『マルドゥック・スクランブル』の方を読んでも、また以前とは違った印象があって面白いかもしれない。
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カトル・カールによって次々と仲間が死んでいく。追い詰められ、何故こうなってしまったか?などと考える暇すらない。そして事件の真相が明るみに出た時、更なる悲劇が幕を開ける。
ボイルドは決断する。全てを葬り去る解決策をとり、ウフコックを濫用する。パートナーとの別離。そして感情と(おそらく最愛の者の)死を引き換えに全てを終わらせた。
悲劇かもしれない。でもただ悲劇とは思えない。そんな結末であったと思います。
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ひたすら暗澹として脅迫的な、そんな気分に容赦なく叩き落されます。が。突き動かされてやまないモノを感じて目が離せません。
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初めてこの本を読んだ時は只々このエネルギーに圧倒されていたようで、内容をあまり覚えていない事を再読して気付いた。
今回、読んでみて改めて凄い作品と感じさせる。救いようのない絶望と愛、それとちょっとした希望めいたもの。
きっとまた読みたくなる本です。
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結末が(ある程度は)分かっていたのに、それでも最後まで読ませる技術が素晴らしいと思います。でも、正直にいうとこの過去での楽しかった幸せだった時のことを思うと、以前の未来での話が余計に辛く感じられるような気がします。
ひとり、またひとりとかけていく09を見ていくのは、哀しかったです。どこからおかしくなってしまったかなんて不毛なことを考えてしまうほどには。
スクランブルに出てきたものが意外にリンクしていて、それを見つける度にひとり喜んでいました。
あとは、カトル・カールが以前のような使い捨てじゃなくて良かったと感じました。あまり趣味ではないけれど、登場回数が少ないっていうことは読み手としても残念に思ってしまいます。
最後の最期でシザースやサラノイ教授に対する見方がかわって、自分としては本当に良かったと思います。サラノイ教授、可愛らしい方だったんですね。羨ましいくらいに純情です。
やっぱり、これを読むとスクランブルの方も読みたくなりますね。
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泣くぞこのやろう!ラナもワイズもクルツもオセロットもジョーイも……
挙句の果てにはナタリアまで!
みんな死んじゃったじゃないかよふざけんなちくしょう
もうボイルドせつないいいいいいい
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まさかの展開が相次ぐ。
ま、マルドゥック・スクランブルの状況まで行くんだから分かっていたことだけど。
ほとんどの登場人物が死ぬ。
100からカウントダウンしてきた章番号が0になるのに向かってつじつま合わせのようにも見えなくはない。
人間離れしたアクション、複雑な利害関係、抽象的な会話、”/”や”=”を使った独特の描写。
読みやすくはないけど、おもしろかったです。
スリルとサスペンス、キャラクターも魅力的。
20090830
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ハードボイルドで格好良くて、ストーリも無駄がなくて前作への繋がりも綺麗。
悲しい結末に思えるけれど、それでも、彼は救われたのだと信じたい。
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ようやく、ようやく全3巻読破。
読むのに何週間かかってるんだって話
いやぁ、1巻は、前作から変化した特徴的な文章と語り口にやられ、遅々として読み進めず。
1巻後半から2巻にかけて、物語が進んでいくと共に癖になり始めたけれど。最初はあのぶつぶつ切れる文章にちょっとなじめなかったな~
物語としては前作のスクランブルーよりこっちの方が好き
加速してく物語(初速遅かったけれどw)
己の有用性(存在の受容)に関して、読んでいるこっちが切なくなるくらいなウフコック
そして、そのウフコックに恋でもしているかのようなボイルド
そして"09"のメンバー達の戦い
結末を知っているだけに・・・
昨夜は3巻を読むのをなかなか止められず
やっとこさ止めて寝たけれど、今日遅刻しそうになったし(笑)
オセロットォ~泣けるぜ
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虚無へと加速していくヴェロシティ最終章。
イースターカッコいいよイースター。
スクランブル一巻へと収束していく時期にあるという事でドス黒い展開の連続なのですが、描かれたないだけで「ドタバタ09」みたいなエピソードも存在しうるわけで、ゼロ年代SF傑作選に収録されている"104"のエピソードはこの時期であろうと推測します。
これはこれでおススメ(別の本の話