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きつねのはなし みんなのレビュー

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みんなのレビュー262件

みんなの評価3.6

評価内訳

260 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

笑いもいいが、シンとしたこちらのほうが好きです

2007/03/16 00:31

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中乃造 - この投稿者のレビュー一覧を見る

『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半神話大系』に続き、私が森見登美彦の作品を読むのはこれが三冊めになる。先の二作品は、馬鹿馬鹿しいまでに軽妙でとにかく愉快だったが、これははずいぶん違っていた。そして私は『きつねのはなし』が一番好きである。

収められた短編は各々ほぼ独立しつつ、共通点はある。ケモノや法蓮堂という項はもちろんだが、やはり一冊をまとめ上げているのは貫かれた雰囲気だ。すべて怪奇幻想小説と呼べるだろう短編である。

表題作の『きつねのはなし』が、彫りの深さで最も心に残った。骨董屋でアルバイトをする主人公が、天城という人物に関わって得体の知れない体験をする物語である。
得体は知れないが、読者として煙に巻かれる印象は薄い。なにかしらの思い入れを、そうと解らぬように書き手が変奏している趣ではない。不可思議が不可思議のまま描き出されていて、輪郭ははっきりしているのだが、自分が何を見ているのか理解できないという感触だ。
この作品には細い一条の恐怖がある。無慈悲なものに、供する犠牲が必要ならば、自身もまた無慈悲にならざるを得ない。憐憫を孕んだ甘いものでは決してなく、意志に貫かれた冷徹さ故、厳かにさえ映る。

『果実の中の龍』は、大学生の主人公と先輩、その彼女を巡る短編。ストーリーよりも人物に焦点を当てたような作品で、読後はしんみりとした。登場人物に対し、いちおう名の付いた手持ちの感情——哀しみ、とか——が起こされるので、収録作の中では解りやすい部類に入ると思う。『魔』も読み方によっては同じタイプかもしれない。

『水神』は、祖父の通夜が舞台である。和製ホラーの王道たる水を中心に据えたせいか、恐怖譚的な色が濃い。ぬめぬめとした手触りが独特だ。それでいてどこかノスタルジックなのは、エピソードが時代を遡った由来から語られているという理由だけではない。ラストは印象的で、廃工場の前で佇んでいるような心持ちになった。

私は未読だがデビュー作『太陽の塔』はコミカルな作風だと聞く。大々的にブレイクした感のある『夜は短し〜』などを読んだ限りでも、森見登美彦の笑いが一流であることは疑いない。しかし、『きつねのはなし』のように「得体の知れないもの」を衒いなく見つめ描いた筆の強さのほうが、私は好きだ。

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紙の本

きつねにつままれてみませんか

2008/12/24 13:12

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

きつね・・・狐じゃなくて「きつね」しかもお面の。まさに「面妖な」モノが表紙に載っている本書の装丁は、民俗系のストーリー好きの読者をひきつけるのに十分である。なのに中身は民俗学していない。民話や伝承が出てくるわけでも無いのに、それでも表紙と読者の期待に応えるだけの怪しげな、奇妙な、そしてゾクリとする魅力がここには溢れているのだ。

ねっとりとした、そして梅雨時のじとじと感が始終付きまとっているかのような世界。舞台は夏、あの蒸しかえるようなむんむんとした気持ち悪さが噎せ返るような気持ち悪さが漂っている。後半になるにつけ、ケモノ臭さは生臭さとなり、人間に混ざっていたものからケモノへ、
そして山のヌシのような大物へ・・・異形のものがだんだんと大事に至る。

表題作「きつねのはなし」は変な人間が変な出来事に出会った話に始まり、人間の方になにか変なものが紛れ込んでいるケモノの話へと続く。そして最後は、人間が不可侵のモノに手をつけてしまった・・・異形のものの話。

どれも読んでいてくらっと眩暈を覚えるような、そして気持ち悪さを感じる。あまり多くは語れない。というのも語るに語れない奇妙で不思議で「言い表しようの無い」物語が本書の魅力であり、独特の匂いであり、世界だからだ。
実は『夜市』(著:恒川浩一郎)のような世界を期待して読み出したのだが、それとはまた違うカラーである。『夜市』が異界との交流を介して『人間』を描いているのに対して、こちらは人間世界を介して、あちらさんを描いているのだから。
なんとも、冬の寒空の下なお更ゾクッとさせられる作品なので、防寒具を装着の上、読むことをオススメする。

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紙の本

気配

2017/08/23 09:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:mino - この投稿者のレビュー一覧を見る

再読。 森見登美彦作品の中では変わり種かもしれないが、私はこの作品が本当に好きだ。何物ともはっきり言うことのできない、京都の闇に溶ける『気配』を感じる短編集。オススメである。

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紙の本

京都ならあり得る闇。

2015/12/12 23:07

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

森見作品で一番好きな一冊。
千年以上の歴史がある古都・京都ならこんな闇があっても可笑しくないと思わせる作品です。
ちょっと不気味で、夜自分の斜め後ろの気配をうかがってしまうような話をもっと書いて欲しいです。

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2006/11/07 23:06

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2006/11/16 13:08

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2007/01/01 14:56

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2007/01/14 12:48

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2007/01/08 15:10

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2007/02/06 07:39

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2007/02/16 16:57

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2007/03/14 00:54

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2007/03/17 12:27

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2007/03/24 13:04

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2007/10/23 16:41

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