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紙の本
美意識と暴力と冷静さ
2007/01/20 08:57
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
おそらく20代の若者に、めちゃくちゃ共感を持って支持される小説ではないでしょうか。彼らの心理状態をとてもよく書き記しています。
自分の美意識があり、それからはずれた人間はすべて「ダサい」。夢などはなく、自分の生活を守ることに関しては、冷静な判断をする。頭もそこそこよく、見た目もいい。自分でも「カッコいい」ことには関心があり、それなりにお金も使う。そしてなぜか、心が明るく、優しい。けれど暴力を否定はしない。時には殴り合いの喧嘩もする。
主人公の坂脇恭一は車上荒らしにあいます。盗られたのは現金6万と、クレジットカード3枚、免許書、保険書、社員証すべて。それらを盗んだ中国人二人組をつきとめ、完全に打ちのめします。
恭一は27歳。ごく普通の旅行代理店に勤めるサラリーマンです。会社でも協調性があり、仕事はできます。尊敬する上司も先輩もいます。
彼は、ヤクザの美人局をしている20代前半の圭子と知り合い、やがて事件に巻き込まれていきます。
彼は暴力性や、冷静さを通り越した冷徹さを秘めています。ストーリーが進むにつれて、それらが表出されていきます。
小説を読んでいる間は、この恭一が不思議な人物に思えたのですが、現在の若者像なのかもしれません。
さて、もちろんストーリーも充分に堪能できます。この多面的な恭一がヤクザと絡まっていきますが、さすがストーリーテラー。一気に読ませます。
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