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テーマの展開は非常に面白いし興味深い。図版を多用しての論述も非常にわかりやすい。気軽に読める知的好奇心満足の本。ただし、ジェンダー論への関連付けがやや過剰で鼻につく感あり。
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烏兎の庭 第三部 箱庭 12.20.08
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto03/diary/d0812.html#1220
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[ 内容 ]
処女にしてキリストを宿したとされるマリア。
処女懐胎はキリスト教の中心に横たわる奇跡であり、夥しい図像を生み出してきた。「無原罪」の「~がない」という否定形の図像化一つとってみても、西洋絵画に与えたインスピレーションは巨大である。
また、「養父」ヨセフや、「マリアの母」アンナはどのように描かれてきたのか。
キリスト教が培ってきた柔軟な発想と表象を、キリストの「家族」の運命の変転を辿りつつ描き出す。
[ 目次 ]
第1章 マリアの処女懐胎
第2章 無原罪の御宿り
第3章 「養父」ヨセフの数奇な運命
第4章 マリアの母アンナ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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美術の勉強に読みました。授業で習ったことの復習にもなったし、きちんとまとめられている本として読んだことで、頭の中にあった雑多な情報がきちんと整理された気がします。
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イエス・キリストの母マリアを中心に、"養父"ヨセフや"マリアの母"アンナが中世では、どのように考えられていたか、旧約聖書、新約聖書、聖書外典からスタートし、絵画や彫刻を通して考察しています。タイトルだけだと、もっと宗教色の強い内容を想像しましたが、どちらかというと美術史としての色合いの濃い内容です。今まで、イエスの誕生というのは、キリスト教として一番重要な部分ではないかと思っていましたが、時代や政治的要求によって、だいぶ解釈が変わっているのだなと分かりました。
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イタリア旅行前の本②。キリスト教の宗教画を見るのがぐっと面白くなる本。この著者の「マグダラのマリア」も読んでいたので、興奮してるとことかニヤリとしながら説明してるとこが文字なのにありありと分かるのがこの人の文体らしい。
口絵や本文にもたくさん事例としての処女懐胎の図が示されていて、ほうほうなるほどと思いながら読める。
百合とバラに囲まれ、月を踏みしめる青い衣の清い少女として描かれるに至る流れ、男を本質として、女はそれを受け止め出力する器(materia)とみなす古代ギリシアからの概念を下地にした新約の語られ方、マリアの夫ヨセフ、マリアの母アンナの描き方の変遷には特に惹きつけられた。
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ダ・ヴィンチ「岩窟の聖母」に描かれた天使がユリエルだとは知らなかった。受胎告知でマリアの前に顕現したのはガブリエルだから「岩窟〜」もそうだとばかり。
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処女懐胎というタイトルが冠された絵画
(マリアのもとに大天使ガブリエルが訪れてるアレ)の、
あの1場面についての本かと思っていたら違った。
もっと広範囲、そして当時の社会の様子まで言及されていた。
副題の「描かれた「奇跡」と「聖家族」」こそ重要。
マリアの母アンナの章が刺激的。
アンナの三度婚(トリヌビウム)による
三世代の親戚が集まった絵が
15世紀の北方でもイタリアでも
ノスタルジックだったのが印象的。
私自身も幼い頃は休みに祖父母の家で
叔父叔母や従兄弟たちと食卓を囲んだなぁ。
アンナについて、彼女の祝日に追放事件があったことから
フィレンツェにおいて政治的シンボルになったという話はもっと読みたい。
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19
エペソス公会議「神の母」
正確には「神の母」というよりも、「受肉した御言葉の母」というべき
24
近代医学以前の「胎児」観
・ヒポクラテス
・アリストテレス
・折衷案としてのガレノス
72
ロレンツォ・ロット
奇跡の誕生よりも普通の人間と同じように生まれたと暗に示す
80
何かを描くこと、つまり何かが「ある」ことを見せることによってしか、何かが「ない」ことを表現できない
81
キリストの「両親」であるマリアとヨセフの関係は、ある意味で、その祖父母であるアンナとヨアキムによって先取りされていた
87
予防的贖罪
コンドーム
97
235
聖家族の歴史社会学的考察