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『街の灯』の続編。前作でも思いましたが、真っ直ぐな言葉で綴られる真実が痛々しく哀しい。書物の中のミステリではなく、とても身近な心の動きとして見えるだけに、読了後、どこかヒリヒリとした哀しさが残ります。好きなシリーズなのですが…。
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買った日:2007/7/5未読。前作も読んでいて、好きな世界観なのですが‥あまり印象に残らず。悪くはないけど、と言う感じ。
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昭和初期のエリート階級の女学生・花村英子とその運転手のベッキーこと別宮が活躍する「街の灯」の続編です。この作品は今年の直木賞候補にもなりました(過去に「スキップ」「ターン」「語り女たち」「ひとがた流し」が候補ですが、偶然全部読んでいます)。
先の「街の灯」でもそうだったんのですけど、この時代が心地よく感じられます。決して昭和8年のあたりに生れていたわけじゃないのですけど(^^;。それにこの時期はまだ華族などの階級社会だったし、今とは想像つかない世界だったでしょうけど、こんな中で主人公がいきいきと動きまわる姿がまぶしい感じです。
今回の楽しみは資生堂パーラーでした。銀座の資生堂パーラーのミートクロケット(コロッケ)が出てきますが、このクロケット、資生堂パーラーのホームページの資生堂パーラー物語では、三代目総料理長の高石氏が昭和6年に考案して発売したもので、現在に至る人気メニューとか・・。となると一度食べてみたいものです(^^)
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「街の灯」の続編?いや、同シリーズである本。読むのを楽しみにしていました。私が一番好きな作家と言っても過言ではない北村薫さんの本。
すごく良かったです。内容も全体の雰囲気もベッキーさんも。
しかし切なかった……今回の謎も。
北村薫さんの話は、殺人を扱う事件がとても少なく、それでも怖いと思わせる人間の内面が描かれます。
殺人トリックを暴くミステリーが多い中、北村さんのミステリーは浮世絵であったり和歌であったり作家の過去であったりする。それを紐解いていくことを謎解きとする。文章も柔らかくて、綺麗な言葉を遣う。
特にこのベッキーさんシリーズは、舞台が昭和初期なので言葉の美しさはそれはもう読んでいて唸るほどです。私の好みにド直球。
はー北村先生に国語を教えていただきたかったです。国語教師時代にお会いしたかった!早く次回作が読みたいな!
そして今回、ベッキーさんの過去に触れる事件がありましたね。ベッキーさんは謎が多い人なので、こうして少しずつ明かされていくのかなぁ。
うーん。何とも言えない過去です。
……それにしても、この「玻璃の天」でも直木賞候補になっているのに……。私としては「スキップ」が候補になった時点で受賞していておかしくないと思うのです。何故だ!そりゃ、賞だけが評価じゃないですが、もっと評価されてもいいんじゃないかなぁ。口惜しい。
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ステンドグラスの天窓から墜落死した思想家。事故か、殺人か。英子の推理が
辿りついた切ない真相とは−。昭和初期を舞台にした北村ワールド。表題作の
ほか「幻の橋」「想夫恋」を収録。
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昭和初期、学習院に通うご令嬢花村英子と、彼女のお抱え運転手の別宮みつ子(ベッキーさん)とのシリーズ第二段。
互いの祖父が犬猿の仲になってしまい、禁断の恋になってしまった、まるでロミオとジュリエットのような恋路のお話を描く「幻の橋」、お琴の上手な学友、綾乃の失踪事件を追った切ない「想夫恋」、ステンドグラスが印象的な建築家乾原の企てと、ベッキーさんの過去が明らかになる「玻璃の天」の三本。
文学知識を必要とする「想夫恋」が一番北村薫らしい作品。「円紫さんとわたしシリーズ」でも同様に、主人公が子憎たらしいくらい博識なのが、読者としてはかなり悔しいw
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直木賞候補作。「街の灯り」の続編。昭和初期のお嬢様が主人公。前作に比べ、戦争へ向かうきな臭さが漂う。作中に出てくる漢文の意味が深い。今にも通じる。
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やるせない話をやさしく描くよな。花村英子嬢とお抱え運転手・別宮ことベッキーさんがかわいくて最強で好き。シリーズ二作目。
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昭和初期の文化に詳しく書かれてる。帯の台詞に惹かれて読みました。ミステリですが、推理の内容に複雑さや特別凝った部分はありませんでした。 お嬢様探偵・英子と、博学才媛な専属運転手・ベッキーさんのかけあいがおもしろい。
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この世の中に直木三十五賞なるものがなければ、
私はきっと生涯北村薫という作家の本を
手にとることもまして読むことなどなかっただろう。
ここ数年自分に課してる課題のひとつは
直木賞の候補が発表されてから、
選考会までに全ての作品を読んで
受賞作を予測するということである。
そういうことで第136回にノミネートされた
「ひとがた流し」を読んだのが最初で、
今回のこの作品が私が北村作品を読む2回目である。
(ターン、スキップの頃には候補作を読む作業はしてない)
トリックのある小説というのは大いなる御都合主義で
書かれていることが普通なのであるし、
古典的な使いふるされたトリックを
いかにうまく表現するかが腕の見せ所であるのだが、
この小説は実にそこがうまい。
実に楽しく読める作品である。
でもこれで直木賞なら選考委員の見識を疑う。
北村先生も今更直木賞は欲しくないだろう。
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昭和初期の帝国図書館で主人公たちが新聞を調べるシーンが出てくる。(幻の橋)「特別券」を買って入館、婦人閲覧室や特別閲覧室があり、16歳未満は利用できない。20080214
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2007/12/29
「街の灯」の続編。
昭和初期のノスタルジー溢れる牧歌的な雰囲気は同じなのだけれど、前作より戦争の迫りくる不安が色濃く文章間に漂っている。作者の戦争観がひっそり忍び込ませてある、こういう本は読んでいると読書って財産だなぁと思わせられる。あと、2話目の友人をそっと嗜める主人公のせりふとか、とても好きだ。北村さんは基本的に「優しくて厳しい」。
ベッキーさんの過去にせまってきた内容。続きが気になります。
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「人間のごく当たり前の思いを、 率直に語れる世であってほしい。 だが、そのことが愛する人たちを 苦しめる世だとしたら、 どうすればよいのか。」
前作よりも、ずっと胸に響いた。
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昭和初期を舞台に深窓の令嬢と美貌の女性運転手が謎に挑む、“ベッキーさん”シリーズの続編です。
ミステリーなのですが、視点が優しく、ちょっぴり物悲しい雰囲気で描かれています。
個人的に、時々出てくる“お上品なユーモア”は勘弁願いたいのですが・・・それで−★ですね〜(笑)
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何かで見知った登場人物たちだと思ったら「街の灯」と同シリーズものでしたか。本書の方が好きかな? 質の高い良書。私も高校時代に北村先生の授業を受けたかったなあ〜。