紙の本
終わらせられないことがある
2009/05/19 01:04
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト館 - この投稿者のレビュー一覧を見る
失恋。これに限らず、マイナスの感情は、
終わろう、終わらせようとしても、どうしても終わらない時がある。
終わらせたはずなのに、ふうっとよみがえってきてしまう瞬間がある。
ふった方の気持ちがそう簡単には変わらないように、
ふられた方だって、気持ちはそう簡単には変えられないのだから。
いつ終わるかわからなくても、
いつか出口がある。
そんな気がする小説。
いまつらい人に、
大丈夫だよ、と言っているような話でした。
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島本作品4作目。
文庫化したようです。仕事中に発見してあがった後、即レジへw
ナラタージュを先に読んでしまったのが痛いかも。
こちらを先に作者は書いたのだから、順序変えるとだめですね。
とても綺麗に書いていて、私はこの人の世界好きなんだと思う。キクちゃんとその家族は素敵だ!!
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5/22 島本理生の真骨頂。今まで読んだ彼女の本の中で一番よかった。小説らしい小説。また言葉選びが嫌味がないのに全てはまっていて心を打たれた。
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落ち着いていて、ちょっと周りから浮いていて、「大人っぽいね」なんて言われる子が、一番たち悪くて、一番こどもだったりするんだよな。
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「ナラタージュ」が個人的には×だったので、期待せずに読み始めた。で、結論から言うと、「ナラタージュ」の5倍くらい良かった。
生理的な気持ち悪さは相変わらず。なんかすっきりしない文章で、読みにくいのも相変わらず。
でも、とっても優しい物語で、読み終えたときに、なんだか落ち着くんだよなあ。
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ナラタージュを先に読んだ。なんだか重苦しくて、湿度が高くて、毛穴がふさがって息苦しいばかりだった。
あれから一年くらいかな。いろいろ経験してから読んだこの作品は、なんだかすっと心に落ちた。相変わらず重苦しくて息苦しいんだけど、染み入った。
人生経験で、変わるもんだな。
もう一回ナラタージュ読んでみようかな。
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出たばかりの頃に一度読んで、文庫化を最近買い直しました。そのときと今とで、あたし自身の立場が全然違っている。ので、感想もまた違ってくる。
島本理生ちゃんは個人的にすごくいい作家さんだと思っていて、かつて同年代の作家に紛れて受賞を逃したとき、すごくショックでした。
基本的に主人公があまり感情的でない作品を描く傾向にあると思う。
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同年代の作家さんは何人もいらっしゃるんですが、私はこの人の作品がとても好きです。
前二作は高校生の頃に書かれた作品ですが、二十歳になった今でも、最初の作品で感じた良さが失われていない。その世界には幅の広がりが感じられます。とてもおすすめの作家さんです。
一つの恋が終わって、その痛みを知ってからの日常。時々、泣きたくなって、でも泣こうと決心すると涙は止まって、本を読んで、月を見て、ご飯を食べて―。
大学生の夏休み、特別な事件もなく、時々思い出す過去のことを振り返る以外は淡々とした日常がそこにはあります。文章やストーリーのもたつきではなく、まだ色々と消化しきれないものを抱えている主人公の心の揺れが、ぼんやりとした流れとして感じられてきます。
主人公とキクちゃん、雪生さん、夏生君…、一人一人が、とても優しいのです。急に踏み込んでくるような所は無く、それでもきちんと想っているよ、というのが伝わってくれる場所に居てくれる人というものはそうそう巡り会えないような気がします。その恋の傷はひっそりと見え隠れするのですが、主人公の痛み、が伝わってきました。
不思議な友達、キクちゃんとのやり取りはいいなぁと思わせてくれます。
(2004年6月17日)
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島本理生さんの作品好きです。若く瑞々しい描写で丁寧に描かれています。文章に肩肘張ったところがなく、上からでも下からでもなく、同じ高さの目線で職人のように文章を紡いでいます。作家の成長と共に作品が生まれてくるタイプの方なのでしょう。今後も見守りたい作家さんです。
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「本当はもう終わっていて、わたしだけがまだ、どうすれば良いのかわかってない」終わった恋に踏ん切りが付かない「わたし」。終わらないけど、もう一度は繰り返せないこともわかっていて、なかなか抜け出せない。友達のキクちゃんと、そのお兄ちゃん…「わたし」と「わたし」をとりまく人々のある夏の日々、淡々と語られているようで、心に残っていく言葉たち。そして、抜け出せたんだ。読んでよかったと思うよ。(ま)
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ナラタージュと同じような恋愛パターンが描かれてますが、登場人物のキクちゃんがとても魅力的でした。
不完全燃焼の恋愛は立ち直るのも大変ね、というのが感想です。(笑)
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ナラタージュには及ばないものの、その素地となる部分は似通ったやるせない恋愛が描かれている。
登場人物たちの心の動きが、昇華されていない分逆にわたしにはわかりやすかった。
いつもこの人の言葉は水のように、液体のようにゆっくりと胸を浸す。
「わたしはあの人に幸せになってもらいたかったんです。眠る前に新しい朝が来ることを楽しみに思うような、そんなふうになってもらいたかった。けど、わたしには無理だった」(p123)
個人的にはこの台詞のあたりのくだりが大好きです。
この人の書く恋愛小説のなかに、哀しいほどにわかりあえず共に生きていけない人々の姿をみるたび、わたしはどこか安堵してしまう。
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ナラタージュより良い。ひと夏のあっさりした話で。ただ、主人公の周りにあんな良い人が沢山現れるなんて、そうそう無い。
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200806読了! ★★★
へえ!とおもった。短いものがたり。話の中で、なにが起こるわけでもなくて、気持ちだけがうごいていく。
本人の体は、とどまったまま。
あわあわ系とはまたすこしちがう。
再生する物語ってやつなのか。嫌いではない。ただ、もうすこしってところ。世間的には、この足りなさがいいのかな?
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何度か読んだけれど「ナラタージュ」で惚れた
作家である。私より年下だとこの本の後ろの作
者紹介で知った…ということはまだまだ新しい
作品が生まれてくるということ。素晴らしい。
とても好きな人がいたけれど、その人の心が自
分にない、というか彼にとってそれが恋ではな
かった、と感じ、講師と生徒という関係上別れ
(肉体関係はないが)を迎えてかららやけにな
り誰とでも寝るようになり、堕胎を経験し、今
に至った傷ついた主人公が立ち直りのきっかけ
を得るまで。
(・∀・)イイ!!
友達とその家族との交流で癒されていくのがよ
い。