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結婚記念日を祝って夫と出かけた船旅の途上で、
夜の海に突き落とされた女、ジョーイ。
突き落としたのは他の誰でもない、彼女の夫であるチャズ。
必死に泳いで九死に一生を得た彼女は、
自分を助けてくれた元検察局捜査官のミックと協力して、
自分を殺そうとした夫への復讐を行うことを決めた。
生き延びたことを隠しておき、死んだと思わせておいて、
徹底的に意地悪な仕返しをしてこらしめてやる!
ハイアセンの第11長編。
原題「Skinny Dip」。
2008年度「このミステリーがすごい!」海外篇第2位の作品。
「このミス」で上位にランクインしていたので読んでみた。
それまではハイアセンの名前すら知らなかったのだが、
こんな面白い作家を今まで見逃していたのかと悔しくなった。
あらすじは上記のとおりで、テーマは「復讐」。
「復讐」と聞くと非常にどろどろしたイメージを受けるが、
この作品には全体を通して最高に愉快な雰囲気が流れている。
まず登場人物がみんな個性的で面白い。
主人公のジョーイやそのパートナーとなるミックはもちろん、
復讐の標的であるチャズは心底ダメ人間すぎて苦笑を誘うし、
チャズの用心棒・トゥールは乱暴で粗暴な巨人なのだが
ホスピスで出会った老女にほだされていく様子が微笑ましい。
その他にも、捜査にあたる刑事や、チャズの愛人、
チャズを雇っている悪徳農園主、ジョーイの兄など、
個性的な人物が多く登場し、物語をにぎやかにしてくれる。
どの人物も、決してふざけているわけではなく、
その人なりに真剣に生きているのだが、
彼らにまつわるエピソードはどことなくとぼけたものが多く、
そのせいで独特のおかしさが常に漂っている。
また、そうしたコミカルなストーリーの中には、
フロリダの豊かな自然が破壊されていることに対しての
冷静で真摯な批判も巧みに織り交ぜられている。
最高に冴えたアイロニーとユーモアが利いた絶品のストーリーに
ついついページを繰る手が止まらなくなってしまう。
楽しくて気持ちのいい読書をしたい方には絶対オススメ。
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2008年版このミス海外部門2位。
ミステリィというと推理物を想像しがちですが、
本作は当てはまりません。
事件は一番最初に起こるし、犯人もわかる。
で、動機も早い段階でわかる。
じゃあ、何が面白いのかと言うと、殺されたはずの奥さんは
実は生きていて、殺そうとしたダンナに復讐を試みるのです。
復讐、というとドロドロな感じがしますが
読んでて感じるのは、むしろ爽快感。
ふ~ん、こういうところが2位な理由なのかな。
何か読みたいんだけど、推理で頭を使いたいと言うほどでは・・・
と言う時に読むのをオススメできる作品です!
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夫に殺されかけた妻が九死に一生を得て復讐するという、とってもシンプルなストーリー。登場人物のキャラが立っており、展開だけ見るとスピード感があるはずなのだが、なぜかまどろっこしく感じるのは、翻訳小説だからだろうか。もう少しスリムにして分量を減らせば、もっと面白く、夢中になって読めそうな気がするのだが。
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266pまで読了。から2度目貸出しで読了
・痔を患うヤマネコのような声をあげながら、p118
・漂白剤を飲んだような唸り声をあげていた p163
・フェンニタルの貼り薬は一枚また一枚と効果を失っていく p202
・エミネムの記事が出ていた。若くして金と名声を勝ち取り、女にモテモテなのに悩みは尽きないらしい。
よかった。
展開がむっちゃスピーディ。
名物キャラのスキンク爺さんにも会えたし満足。ほかにも変なキャラ満載。蛇愛好家のローゼンバーグ警部とかね。でも一番好きなキャラは尻に銃弾が入ったままの毛むくじゃら猿人オトゥールと介護ホームの毅然とした貴婦人ポーリーン婆ちゃん。この二人の関係がすごくいいんだよなあ。
比喩もさえてる「食道を飲み込んだカラス片が通るような不快感」とか。
間抜けなチャズと悪徳農園主の最後はもう最高です。
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まるでハリウッド映画をみているようなスピード感。エンディングもすっきりした爽快な物語で、楽しく読み終わりました。乱読しているとしっくりしない本、もっとはっきり言えばつまらない本にもぶつかります。それでも、この本のような面白い本に出会うことができるので、やはり本を読むのはやめられません。
ストーリーは実にシンプル。夫に殺されかけたものの奇跡的に助かった妻が、仕返しをして懲らしめる……一言で言えばそんな感じです。ただ、そこで登場する人物たちが実にキャラが立っていて、目が離せないのです。特に夫・チャズのダメ男ぶりが際立っていますが、チャズの用心棒・トゥールが徐々に成長(?)していく様子も魅力的。読了後は、「ああ、面白かった」と映画館を後にするときのような満足感につつまれました。ミステリーというよりも、コミカルなサスペンスというべきなのかな。
この本を手に取ったきっかけは、著者・カール・ハイアセンの新刊「これ誘拐だよね?」が書店で平積みになっているのが目にとまったこと。そこで、同氏の著作3冊を見比べて、まずは「復讐~」を読んだ次第。正解でした。ただ、それでは次に「これ~」を読むかと言えば微妙なところ。ぱらぱらとめくった限り、登場人物の使う言葉の古さが引っかかったためです。当面は、次に進む前に「復讐」を「復習」しておこうかと思います。
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とことん復讐だ。やられっぱなしで泣き寝入りなどできるかー!と、思ってはみるものの。大抵は泣き寝入りである。それが現実ってやつである。
ので、大変に胸がすくのだ。
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表紙のフォントが可愛いってだけで読んだら地雷でした。ミステリじゃないじゃん…。海外ドラマのような軽い文体軽い内容でどうも好きになれず。
まあ、ただ合わなかったってだけなので好きなひとは好きなのだろう。
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図書館で。確かに愉快なミステリーです。ちょっと下品だけど。
それにしてもお金があって寂しい30代女性はこういう口先だけのオトコに引っかかるのか。もう少し…と考えなくもありませんが。それにしてもチャドがある意味突き抜けたイヤな野郎なので何が起こってもまあコイツなら仕方ないと許せてしまう恐ろしさ。でも底抜けにアホで俗物だから憎むほど嫌いにはならない辺りキャラ設定が上手だなあと思います。周囲に居たらイヤだけど。
そして対照的に奥さんもガールフレンドも奥さんの親友も強い、強い。やはり女性は強いなあ。そして作中一番気品がある老婦人も。
ある意味良かったねえと言える結末でした。面白かったです。あの後チャドが野生の生活に目覚める…という展開は無いだろうなあ、たぶん。
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快調なテンポで読み進められるよくできた作品。ミステリーではないけど、コージミステリ―のように読み進められる。でも最初の100ページを読んだあたりから、飽きてしまった。話の展開も見えてくるし、水戸黄門を読んでいる感じ。私のわがままだとは思うけど。
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何にも考えずに楽しめる。
ブラックコメディと言えるような内容なんだろうけど、下ネタと、環境問題
という組み合わせのせいか
ブラックよりもコメディ強め
と言うより下ネタの連発
北欧ミステリー読みすぎて
暗くなってた合間に読んだからなおさらその印象が強いのかもしれない。
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日本人にも面白さが分かる翻訳小説と言うんでしょうか??
痛快なコメディ♪
海外作品の「んん??」ってなるような会話のキャッチボールが凄く邦作に近くて読みやすかった。
アホ過ぎる程の旦那チャズと、そのアホ旦那に殺されかけるジョーイ。
分厚いので飽きるかな~って思ったけど、そんな事なく読み切れた!!
ジョーイの分かりやすい復讐と、脇役トゥールの変化、同じく殺されかけたリッカも面白かった。
こんなに読みやすい海外作品なら、また読んでみたいです。
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夫に船から突き落とされた妻が夫のに復讐する話。スピーディーな展開とユーモラスな翻訳で復讐という題材にもかかわらず気楽に読めるかが…それにしても長いと思った。妻が一方的に夫を追い詰めるだけなので、もう少し妻側にピンチがあっても良かった。夫はともかくその上司はもう少し手強い相手にしても良かったと思う。
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よ、読みきった…!と自己満足中です。
解説に故児玉清さんもハイアセンが出るたび原書で読んでいたとあり、買った一冊。
2007年の初版で2009年の6刷を買っているのですが、何度トライしても文字が滑り、苦節13年…
今回は驚くほどサラサラと最後まで読めました。
環境問題、妻殺し、復讐(笑)…重いテーマが軽妙なタッチで描かれている、不思議な味わい。
結末はハッピーエンドで、後味のよい読後感ですが、やっぱり金かよ…と思わずにいられません。
主人公よりも、たくさん出てくる脇役たちがみんないい味出して、ワンコやニシキヘビまで強烈な印象を残していきました。
勧善懲悪、かな。
復讐というか、手の込んだ仕返し。逆恨みとかではないので、穏やかに読めました。
ただ、ミステリではなく、エンターテインメント。
なので、星3つ。求めていた感じではなかったので…
でも、おもしろかったです。