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キャッチーなタイトル・装丁と、「科学ミステリー」というコピーの胡散臭さから、読むのを避けていたが、よい本だった。生命の本質とはなんぞや、という議論ももちろん、これまでの研究を、過去のものとしてではなく、真実を追い求めた研究者を追う形で紹介していて、わくわくする。研究者に一瞬あこがれた。こうした、アカデミックな良い新書が、なぜ、大衆ウケを狙ったマーケティングのもと販売されたのか疑問。
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とにかく不思議な本だ。細胞というミクロな世界とありふれた研究生活の日常を、読み手に違和感なく行き来させる。また生物・化学についての特段の知識を持ち合わせていなくても理解できるその“映像的な”筆致には舌を巻く。科学的情報をただ読み取るのではなく科学(史)的小説としても楽しめる。
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普段はほとんどノンフィクションものは読まないおいらにも、これは面白かった。素晴らしいミステリー。
ミステリーで一番楽しいのは謎解きの部分でしょ。で、こいつは謎解きの連続なので面白くないわけがない。しかも、その謎が、生物とは何か?そりゃあ、知りたい知りたい。
そして、さらに謎が深まる。
全然ジャンルは違うけど、高校生の頃夢中で読んだ光瀬龍の「百億の昼と千億の夜」を思い出しました。やはり何かの意思がはたらいてるのに違いない、そうは思いませんか?
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分子生物学について文学的な表現を交えながら興味深く書いた本。途中、専門的になると想像の範囲を超えてしまって理解できなくなる。それでも我慢して読むと、また何となくわかりかけてくる。生物学もそのようなものかもしれない。専門的なところを省いたノーベル賞争いをノンフィクション風に書くと面白そう。
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なんか久々に本を読んだ気がする。。良かった。中途半端なノックアウトより、完全なるノックアウトの方が正常を保てるなんて、まるで人生そのものだと思った。そんな一冊。
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分子生物学の内容を分かりやすい様に書いた作品。文章もただの説明書きみたいな感じではなく、小説みたいな感じに書かれてる。ただ、そのせいで本筋以外のトコのボリュームもけっこうあったし、持って回った言い方がちょっと鼻につく。終わりもちょっと尻切れとんぼ気味。
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内容は非常に幅広い。米人の野口英世観、ノックアウト理論、本題の生物の定義などなどが、絶妙な言い回しとともにミステリー調に展開される。ページをくくる手が止まらない。おもしろかった。
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やや専門的でハイレベルだけれども、「生命とは何か?」という根源的なテーマを軸に展開される興味深い話に、惹かれる人は少なくないのではないか。 そのテーマに則って、本文中で「生命とは…」という記述が幾度も出てくる。つまり、生命観というものの歴史的な変遷や、筆者の問題提起・主張である。出てきたものの要旨を以下に簡単にまとめてみる。 ・分子生物学的には、生命体とはミクロなパーツからなる精巧なプラモデル、すなわち分子機械にすぎないといえる。・生命とは、「自己複製しうるもの」なのか?・生命は、「現に存在する秩序がその秩序自身を維持していく能力と秩序ある現象を新たに生み出す能力を持っている」・生命とは、要素が集合してできた構成物ではなく、要素の流れがもたらすところの効果なのである(生命を波打ち際の砂の城に喩えている)。・生命体は、たまたまそこに密度が高まっている分子のゆるい「淀み」でしかない。・生物が生きているかぎり、栄養学的要求とは無関係に、生体高分子も低分子代謝物質もともに変化して止まない。生命とは代謝の持続的変化であり、この変化こそが生命の真の姿である。・生命とは動的平衡にある流れである。・生物には時間がある。その内部には常に不可逆的な時間の流れがあり、その流れに沿って折りたたまれ、一度、折りたたんだら二度と解くことのできないものとして生物はある。 生命の奇跡というものをドラマチックに、詩的に認識させてくれた名著だと思う。生命の動的な平衡がもつ、やわらかな適応力となめらかな復元力の大きさに驚愕した。
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この本は生物学の進歩を淡々とエッセイ風に述べていて文章自体に味があります。私的には最後の、時間は生物の内部に発生する、という文章に一番感動しました。
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生命を物理、化学、生物学、医学などを分かりやすく用いて説いている。生態機能も物理化学で説明ができる日は近いのか
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すごいよー。分子生物学って僕の領域とは全く違うのですが、読めました。読まされた、に近いくらいの勢いでした。予備知識なくてもサクサク読めます。おススメ!!
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書き方が変に小説家ぶってる点があまり好きではなかったが、内容はとても面白い。
動的平衡の話をパズルに例えて説明してくれたことによって頭にスムーズに入ってきた。1年ぶりに会った人には初めましてと言ってみよう。
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珍しく購入。
分子生物学の歴史と作者の視点。
「生物」の教科が好きなら読めるでしょう。特にDNAとかに興味があるなら○
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ベストセラーを読もう!キャンペーン第3弾。「生物とは何か?」を様々な視点から考察する1冊。DNAのらせん構造の発見とか生物学がどのような過程を経て進化してきたかを語る本。理系なのにすんなり読めるのは文章がソフトだからだと思う。一番面白いと思ったのは「何故原子は小さいのか」=「何故人はこんなにも大きいのか」という問い。読んでるとなるほどーと思います。小難しい用語も出てきますが楽しかったです。
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【目的】:生命とは何かの答えを知りたい。
・生命は自己複製を行うシステム。
・DNAの二重ラセン構造による遺伝子情報の複製。
・原子に比べてなぜ生物がかくも大きい必要があるのか。ルートnの法則、例外的なふるまいをする粒子の寄与を低下させるため。
・生命とは要素の流れがもたらすところの効果。動的平衡にある流れ。
・肉体は分子レベルでは高速で入れ替わっている。
・生命とは代謝の持続的変化である。
・絶え間なく壊され、入れ替わることによって秩序が守られている。
・タンパク質のかたちにある振動する相補性。
・生物内部には常に不可逆的な時間の流れがある。
#DNAの構造解明の経過や研究者たちの社会、研究方法など、読み物として楽しめた。
#発見のプロセスに、ジャンプもひらめきもセレンディピティ必要ない帰納的なあり方も重視している点は新鮮に感じた。
#生命にある動的平衡のバランスの力と1回限りの選択を時の流れの中で続けている儚さが印象的だった。
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