紙の本
ネットが普及する前からTVの影響力は低下している
2008/02/19 00:40
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投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
従来のアナログ放送という有限な電波資源を前提としたTVのビジネスモデルは崩壊しつつある。多チャンネル化、録画、ネット配信など環境は変化してきた。
本書では日本のTV業界の問題点、地上デジタル放送移行の影響、ハードウエアやインフラの進化による視聴スタイルの変化、ネットマーケティングなどについて述べ、ネット広告がテレビCMを超える日について予測している。7章では「その日」は2018年頃と予測している。
時期は兎も角、その日が来るのは必然だろう。今更、驚くべきことでもない。米国広告協会の広告関係者へのアンケート調査(2006年)によれば回答者の43%が2010年までにテレビ広告費の2割以上がオンラインビデオ広告に移行すると答えているという。つまり広告媒体がテレビからネットにどんどんシフトしていくのだ。TV業界にはお気の毒だが、時代の流れだろう。かつてはテレビCMが新聞広告を抜いた日があったのだ。
TVという容れ物(コンテナ)よりも問題はコンテンツだ。そこにニーズがあれば媒体はテレビだろうがネットだろうが関係ない。TV局の役割は変わっても、表現者へのニーズや表現の場はなくならないだろう。むしろ拡大するだろう。TV局に搾取されていた番組制作会社などにもチャンスだろう。アイデアさえあればだが。これまでの視聴者を馬鹿にした、下らない番組を作ってきた会社には厳しくなるだろう。今後はますます「コンテンツをできるかぎりオープンにして視聴者や読者を巻き込んで新たな価値を創造する」ことが求められる。
広告にはロングテールでいうテール(裾野に広がった)の部分に、まだまだ大きなビジネスチャンスが眠っている。これまでテレビCMなど広告を出そうにも出せなかった中小・零細企業なども、その気になれば自分で作ってしまえる時代だし、消費者を巻き込めば強力な応援団になってくれるし、勝手に宣伝さえしてくれる。
コンテンツ市場の適正な競争が生まれれば広告費も劇的に下がるだろう。規制によって保護され歪んだ業界が、公平な場になることが望ましい。
さて、楽天とTBSの提携(統合?)問題はあいかわらずくすぶり続けているようだが、楽天もTBSの強い反発にいつまでも関わるのはやめてはいかがか?本書の流れからいけば、今後落ち目のTV業界を抱え込んだら、系列ローカル局を含めた大きな負債を背負いかねない。それだったら独自のネットメディアを構築して突っ走ったほうが良いのでは?
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今さら何を、と思わずつぶやいてしまうような一冊。テレビ放送の仕組や歴史からスタートし、これからの広告戦略はこうあるべきだとまとめられているが、この分野に興味がある人にとっては聞き飽きた内容がずっと続いている。
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パワーシフトがどういう背景で進むのかが、詳細に書かれている。
試算だと2018年にネット広告は、TVCMを越える。
但し、誤解してはならないのはテレビCMの縮小は必ずしもテレビ業界の減収を意味しないということ。
パワーシフトのうねりにうまく身を乗り出せるかが重要。
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関連する内容が過不足なくまとまっていますが、その分この辺りの情報を見ている人には新鮮さに欠けるかもしれません。
こういう本を読んでいると、TV視聴のあり方が変わっていくのかなあと思ったりもしますが、実際には急には変わらないんだろうなあ、とも思います。
個人的には平日帰宅が遅いので、ゴールデンタイムの番組のタイムシフト視聴できるとうれしいんですが。特に見たいものがあるわけではなかったりするのですが、あると見てしまうのではないかと思います。それはそれで寝るのが遅くなって困るかもしれないですが。
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プロローグの発掘!あるある大辞典Ⅱの納豆によるダイエット法が紹介されスーパーなどで売り切れが続出したというのは懐かしいな~と思いました。
この巻では第4章のロングテールが興味深かったです。
今ではヘッドだけでっはなくロングテールでも稼ぐのがWeb普通になってるらしいです。アマゾンなど例があってわかりやすい。
最良顧客の要求に沿って技術を高めていく「持続的技術」が、それよりも安く技術的に劣っている「破壊的技術」によって取って代られるというのでプレステ3が例にでてきたところはそうなんだと思いました。あと普通にゲームオタクという言葉を使ってるのに驚いた。
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正直、だまされました。ネット広告が主役ではなく、テレビCMが主役の本でした、この本は(笑
でも、「最後にして最強の護送船団」と評されるテレビ業界が、いかにして崩れるかを知るにはいい本です。もっともテレビ業界が護送船団ではなくなるだけであって、テレビ局はWebを活用すれば生き残れるとのことですので、別にテレビ局を批判しているわけではありません。
しかし、私はいまだに10年くらい前のちっちゃいテレビを使っているので、まったくもって知りませんでしたが最近のテレビはLAN端子を備えているのが結構普通のようです。んで、2011年にはほぼ確実に古いテレビは買い換えるか、もしくは何かしらの新しい装置をくっつけざるを得なくなります。ということはテレビがインターネットに接続できるという状況が当たり前になる時代が、あと4年後にかなりの確度で迫っているのです。
この事実はWeb屋にとってはさり気に衝撃でした。
「お客様はブラウザは何をお使いでしょうか?」「えーっと、そうじゃのぅ、シャープのあくおすとかいうのでみちょるが・・・」なんてことがすぐ間近に迫っているわけです。ヤヴァイ。対応ブラウザが増える!?なんてものですめばいいですが・・・
あと、視聴率が100%を超えることがあるって知っていました?
・実はよく誤解されることなのですが、視聴率としてビデオリサーチが発表しているのは、どれくらいの世帯がその番組を見ていたのかをあらわす「世帯視聴率」であって、どれくらいの人が見ていたのかをあらわす「個人視聴率」ではありません。したがって、視聴率が50%を超えても人口の半数が見ているわけではないのです。
世帯視聴率では、各番組の視聴率の合計が100%を超えることもありえます。それは、一世紀に複数代のテレビがあれば、それもカウントされるからです。
・中略・
一家に複数代のテレビがあって家族が違う番組を見るのが当たり前になった現在では、世帯視聴率にあまりマーケティング的な価値があるとは思えません。また、その数字のマジックにおって実際より多くのテレビを見ているという誤解を与えています。しかし、ビデオリサーチが発表するのはいまだに世帯視聴率です。「個人視聴率が20%」といわれるより世帯視聴率の「世帯」が省略されて「視聴率60%」と報道されるほうが、数字にインパクトがありテレビ局にも広告会社にも都合がいいからです。ビデオリサーチの株主はテレビ局や広告会社なので、当然といえば当然ですね。
⇒護送船団の一端をあらわしている状況ですね
・テレビは国民全体の9割(行為者率)が見ており、視聴時間は一週間平均で一日ああり3時間39分とされています。高齢になるほどよく見られ、70歳以上の男性は5時間22分、女性は5時間29分も視聴しています。逆に若者の視聴時間は短く、男性は10代が2時間6分、20代が2時間11分で、女性は10 代が2時間12分、20代が2時間40分です。また20台男性では、テレビを見る人の率が始めてどの曜日も8割を切っています。
⇒ずいぶん多い感じがしました。しかし、テレビをじっくり見ている時間は多くなくとも、ながら見している時間で言えば結構な時間なのかなとも感じました。
・「BBCはもはやテレビやラジオ、それに付随する新しいメディアの放送局として考えるべきではない。私たちは公共サービスのコンテンツを、考え得るあらゆるメディア、あらゆる装置で視聴者に届けることを目指すべきだ」
⇒英国国営放送のBBCが発表した戦略、だそうです。目的のためには手段は選ぶな、という感じですね。手段を固定化して既得権益を守る日本とは対象的な印象です。
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テレビはなんだかんだで無くならないだろうな。
特に日本ではテレビ離れって起こらない。みんな、テレビでサッカーとか紅白とか見るのが大好きでしょ。
i-modeも日本経済の起爆剤として期待されていたし、それに応えたと思う。
なんでもかんでもアメリカやイギリスに見習うのが良いことではない。
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ネット広告がテレビCMを超える日 ネット本と考えると少し情報が古いのだけれども読んでみた。201X年のテレビ視聴スタイルは是非実現してほしいところ。ただ、OKWaveとGoogleを比較するのは変じゃないか? http://bit.ly/9PAsc5