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紙の本

秘密の図書室の扉を開けて

2007/10/04 10:08

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:うみひこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

物語は一人の少女が廊下のはずれで、何もない壁に向かって、空中にそっと指で文字を書くところから始まる。すると、扉が開き、秘密の図書室が見えてくる..。この物語は、すべてこの秘密の部屋から始まるのだ。
少女はここで、文字を学び、本を読む喜びを知り、そして書物の根源にある言葉の喜びと、この部屋の持つもう一つの秘密を知り、自分に与えられた「ギフト」秘密の能力を知るのだ。
この主人公のメマが生まれたアンサルの町は、砂漠から来た一神教の民オルド人によって侵略されている。オルド人は、ただひたすら町を壊し、人々を殺害し、女性や少年を奴隷として連れ去った。そして、文字を持たず、書物を忌み嫌う宗教の宗旨により、町中の書物を川や海に沈めたのだ。
豊かな商都であり、図書館や大学が栄えた都市であったアンサルで、今、書物があるのは、メムの住む道の長の館ガルヴァマンドのこの秘密の図書室だけになってしまった。そして、その秘密を知り、扉を開けることができるのはこの館に住むメムと道の長だけなのだ。
 ある日、アンサルに駐屯しているオルド人の王に呼ばれて、有名な詩人の語り人がやってくる。この物語の第一巻『ギフト』の主人公オレックとグライが二十年の時を経て、物語の中に姿を現わすのだ。彼らとメムが知り合い、ガルヴァマントの館に居を構えたことによって、物語が大きく動き出す…。
この物語は、街角や館の至る所や木々や山に精霊を崇め先祖の霊を信じる多神教のアンサル人と、一神教の神にたてつく悪魔の居所を探しているオルド人との対決の物語であり、また、書物を愛し言葉の力を信じるアンサル人と、文字を嫌い書物を消滅させようとするオルド人との対決の物語でもある。
その中で現れる不思議な能力「ギフト」の力は、すべてが一瞬にして解決されるような答ではなく魔術でもない。だからこそ、読者はメルともに、この町を自由に導く方法を夢中で考えずにはいられなくなる。
オルド人への激しい復讐の思いを抱くメムという少女とアンサルの町は本当の自由を得られるのだろうか。
オルド人の少年とのはかない友情、グライの飼っているいるハーフライオンという不思議な生き物や見事に「ギフト」を開花させたオレックの語る数々の物語や詩の魅力。「西の果ての年代記」の物語は、この第2巻で実に豊富な世を開花させた感がある。
そして、読者はこの中にこめられた書物と言葉へのル・グィンの深い信頼と、暴力を否定し、人間の相互理解の可能性を信じる思想性を感じずにはい
られないだろう。
秘密の文字を描くように、この本の扉に文字を描き、この不思議で希望に満ちた世界にはいっていこう。アンサルの町の地図もある。川沿いに沿った護岸施設を地図を辿って歩きながら、この精霊たちの祝福に満ちた町を味わいつくそう。

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紙の本

まさか一巻と二巻で20年も時が過ぎてしまうとは思いませんでした。でも面白い。アメリカでは第三巻も無事出版されたようで、邦訳が早く出ることを願っています

2007/11/29 20:10

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

前巻『ギフト 西のはての年代記 1』で、ル=グウィンてこんなに面白かった?って驚きました。彼女の本はSFを含めてかなりのものがが我が家にありますし、一応『ゲド戦記』も全巻読んでいます。で、印象はといえば小難しい。こんなに世の中を暗く見なくてもいいのに、なんて勝手に思う。

それが、『ギフト』で大きく変わりました。出版ペースもちょうど良くて、前が2006年ですから、まだ香りが頭に残っています。原題は The Chroniclesbof the Western Shore "Voices" 。邦題とは順番が逆。がっしりして丈夫な感じの装丁・本文組版は永松大剛(BUFFALOGYM)、中世ヨーロッパのフレスコ画を思わせる装画は、若くして亡くなった洋画家・有元利夫の作です。 

全16章に訳者谷垣 暁美のあとがきがつく構成になっていますが、お話は単純に前のものの続きではありません。舞台も時代も動いています。簡単に書けば、もとから時代はないようなお話なので、『ギフト』を基準にすれば、舞台が前作の〈高地〉から、はるか南にあるアンサル国の首都アンサル市へ、時代も20年ちかく経っています。ですから独立した話として読むことも可能です。

ちなみに、巻末に嬉しい知らせが出ていて、最終巻らしい『POWERS』が今秋(2007)、アメリカとイギリスで発売予定とあります。とすれば翻訳の出版は来年、これほど面白い物語を前作の記憶が新しいうちに読めるというのは、読者冥利に尽きるといっていいでしょう。気になるので AMAZON US で検索したところ

Powers (Annals of the Western Shore) by Ursula K. Le Guin (Hardcover - Sep 1, 2007)
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となっています。無事に出ていたんですねえ。やっぱ原書のほうが安いか・・・なんて思ったりして。内容を簡単に紹介しておきます。

舞台となるアンサル市ですが、アンサル国の首都で水陸の交通の便もよく、古くから交易の中心として栄え、学問も芸術も盛んでした。17年前、オルド人により破壊され、男は殺され、女は犯され、富を奪われています。そして今もオルド人が居座り支配しています。争い事は絶えませんし、往時の面影はありませんが、それなりに人々は暮らしています。

あとで触れますが、オレックたちの故郷である〈高地〉に比べれば、豊かかもしれません。でも、自由はありません。なかでも最大のものが書物です。書きものを邪悪なものとするオルド人により、書籍は悉く探し出され、燃やされ、或は河に廃棄され、持つことも読むことも禁じらているのです。有名だったガルヴァ館の図書館も彼らによって蹂躙されています。

主人公のメマーはガルヴァ一族の一員だった母が、17年前のアンサルの悲劇の時にオルド人の兵士に襲われ身ごもった子供で、その後、母を失い、今はオルド人を深く憎み、復讐を誓っています。そんな彼女を育てるのがアンサルの人々の伝統の最後の砦と目されるガルヴァ館の当主である道の長・サルター・ガルヴァです。彼はオルド人の拷問にあい、障害をもつ身となっています。

メマーはオルド人の目を引かないように、いつも少年のなりをして町にでかけては館のための買い物などをしてきました。17歳になった彼女が出会ったのが、〈高地〉出身の高名な吟遊詩人であるオレックと、その妻でハーフライオンのシタールを育てるグライでした。

オレックはオルド人の王ガンド・イオラスに招かれてアンサルに来ましたが、彼の真意はこの市にあったとされる膨大な書物、失われ埋もれ隠されたものを探すことだったのです。その前に立ちはだかるのがオルド人ですが、彼らは〈夜の口〉を探し出し、破壊しようとしているのです。そしてオルド人のなかでも、王のガンドとがさつで乱暴な息子イドールの間に諍いが・・・

正直、17歳になった女の子を少年で押し通す、そこだけは無理かな、って思います。人里離れて、ならまだしも、女に餓えている他民族の男たちのところに出入りするのですから、ハラハラドキドキを通り越して、ないだろ、って。でも、その設定がないと話にならない。そこさえ大目に見てしまえば、あとは殆どノンストップ。クーンツやキングより面白いかも・・・

ということで、内容についてはここまで。読めば分ります。で、訳者の誠実さを物語るエピソードを、あとがきから紹介。

谷垣は許可をえて、オレゴン州ポートランドのル=グウィン宅を訪問したそうで、この『ヴォイス』について色々質問したそうです。その結果、あてがみのところに出ている地図のル=グウィン手書き文字を読み間違っていたことにも気付き、今回の出版を契機に訂正をしたといいます。経緯を含めて正直に書いてくれるのが嬉しいです。

『 Powers 』の邦訳、来年には読むことが出来そうなので、アドバイスを一言。それなりに中身が濃い本なので、三冊一気に読もうなんて思わず、今すぐにでも『 Gifts 』から取り掛かってください。ゆっくり味わい終わったら『 Voices 』を楽しむ。余韻によっているうちに『 Powers 』が出ます。

それって訳者の谷垣 暁美にプレッシャーかけてるっていうこと?うふふ、それは ヒ ミ ツ・・・

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