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不勉強なもので、博士の数式シリーズと思ってたので、読み出して書評を中心としたエッセイと知って少しだけがっかりしました。
その上、取り上げる本が翻訳物が多く、翻訳物があまり好きでない(読まず嫌いですが)ので、ただなんとなく読み進めていました。
これまでのエッセイをまとめたものなので時間軸は前後したりもするのですが、読み進めるにつれ、小川洋子さんの本に対する静かな、そして熱い気持ちが全体に感じられ、読んでよかったと思いました。
このエッセイを読むことで、ぜひ小説も読んでみたいと確信めいた気持ちになりました。
ありふれた言葉で申し訳ないですが、珠玉のエッセイ集といえるのではないでしょうか。
特に印象的だったのは、学生時代の恩師の追悼随筆「先生と出会えた幸運」。残念だとか哀しいという言葉が一つもないのに、恩師への気持ちがとても伝わってきて哀しくなりました。
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小川さんのエッセイ
朝の読書にオススメ
小さなできごと、大きなできごと
彼女の目を通すとこのように見えるのかと感動を覚える
相も変わらず、私を言葉の海に溺れさせる危険な一冊
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あまり賢くない犬の話は、うちのゆずと一緒と笑えた。
小川さんの読んだ本の記述は、さすが小説家とうなった。
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兄弟をキーワードにして作品をジャンル分けし、論じてみたらおもしろいと思う。血のつながりに親子ほど惑わされることなく、恋人同志のように肉体的なつながりで何かを解決できるほど単純でもない。残酷に切り捨てようとしても、互いの存在の記憶は遺伝子に刻み込まれ、消しようがない。
(P.19)
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書評は一番始めの児童書のところしかわかりませんでした。
図書館の先生かっこいいv
10万円分の図書カードがあったら、私なら何を買うだろう。
内田百?の全集は絶対欲しい。
それと「原色牧野植物大図鑑」。
ハードカバーの「モモ」とドリトル先生シリーズも。
(09.05.08)
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図書館。返却されたばかりの本を置いてある場所にあって、タイトルと装幀にひかれました。(09.04.27)
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このところ、小川洋子さんのエッセイを続けて読んでいます。
これは題名の通り、「博士の愛した数式」以後のエッセイ集で、本に関するものが多く収められています。
「風の歌を聴く公園」
小川洋子さんは、岡山在住でしたが、2002年に芦屋に越しています。
村上春樹さんの「風の歌を聴け」に出てくる公園が近くにあるそうです。
「海から山に向かって伸びた惨めなほど細長い街」と作品の中で記してあるそうです。
村上作品特有の、じめじめしていない風の感触、どこからともなく流れてくる海の匂いを芦屋に住んで実感しているとのことです。
「日記帳の贈り主」
小川洋子さんにも13歳の時に書き始めた「初めての日記帳」がありますが、どうして手に入れたのか記憶が欠落していたそうです。
それを誕生日プレゼントとしてくれたのは、中学、高校、大学と同級生だったH君だということをふと思い出します。
小川さんの人生の中で、H君はある場面にふっと現れ、何か大事なものを残して去っていく存在のようです。
芥川賞をもらったときに一番にお祝いの電話をかけたり、失意のときに慰めてくれたりします。
そういう異性の友達を持ちっているというのはうらやましいことだと思いました。
「パリの五日間」
小川洋子さんの作品はフランス語に翻訳されて読まれています。
小川さんはパリへ行き、翻訳してくれているフランス人の方に初めて会います。
それまで会ったことはなかったのですが、空港で一瞬のうちに相手を認め合い、すぐにうち解け、懐かしい友人と再会したような気分になったといいます。
実際に会わなくても小説が二人の心をつなぎ合わせていたからだろうということです。
このときに「小川作品に対する自分の翻訳態度が間違っていないと確信できたわ」と言ってくれて幸せだったと小川さんは述懐しています。
これはミクシイでの出会いにも似ています。
日記やコミュニティなどで交流を深めたあとで、リアルに対面すると、会うのは初めてなのに、古くからの友人のようにお話しができたりもします。
ただその際は核になるつながりが何かないといけないような気がします。
私は作家ではないので、何か関心を共有しているとか、好きな作家が一致するとかということです。
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100307byWIngsKyoto
1 図書室の本棚―子供の本と外国文学(図書室とコッペパン
秘密の花園・小公子・小公女 ほか)
2 博士の本棚―数式と数学の魅力(三角形の内角の和は
完全数を背負う投手 ほか)
3 ちょっと散歩へ―犬と野球と古い家(気が付けば老犬…
わずか十分の辛抱 ほか)
4 書斎の本棚―物語と小説(葬儀の日の台所
アウシュヴィッツからウィーンへ、墨色の旅 ほか)
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2010.05.05. 再読。やはり、小川さんのエッセイはいい。優しいまなざしと、真摯な気持ちが感じられて、読んでいてホッとする。初めて読んだ時、読みたい本をリストアップして今までにいくつかを読んだ。また今回も、リストを新しくして、小川さんオススメの本を読もう。
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昔からあまり小川洋子の文章は得意じゃない。淡々としすぎていて。本の趣味もやはりあまり合わなかった。わたしが洋書に手を伸ばしていないのもあるけれど。でもこの淡々とした文体が眠れない夜にはよかったりもする。
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小川洋子さんの本、読める時と全然だめな時とあるのはなぜだろう。
今回はう~ん、なんか進まなかった。
犬についてのエッセイは楽しく読めたんだけど…結構ナナメ読みで済ませてしまった。
と、ここまで書いておきながら、なんかもったいなくていくつか拾い読み。
「細分化」のなかで、杉浦日向子さんの言葉「江戸時代は爪楊枝だけを商いしていても生活できたんですよ」をひき、小さな専門店、というかごくごく小さな商店について書いている。(最近ちょこちょこ読んでいる、江戸時代から明治初期にかけての日本の庶民の暮らしをつづった本をいくつか思いだすなあ)
ウィーンで見かけたという、地図屋だの標本屋だの古絵葉書屋だのといった、ほとんど縁のなさそうな商店たちに、愛おしげに思いをはせるその言葉が、とても素敵だった。
小川洋子さんのエッセイは、時間をもてあました休日の午後に、ゆったりした気持ちで読むのがいいのかもしれない。
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小川洋子さんは、凄く凄く謙虚に慎ましく毎日を過ごしているんだなぁ。
私には良くも悪くも、小川さんみたいな生き方は無理だなー。
これからも、小川さんが幸せな毎日を過ごせますように!
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(2011.05.23読了)(購入時期・不明)
本についての思い出、好きな本について、書評、等についてのエッセイを1冊にまとめたものです。「博士の愛した数式」の著者による本に関するエッセイ集に「博士の本棚」と名付けるとは何とも絶妙です。
沢山の本を紹介してくれているのですが、小川さんに紹介されるとどれも読んでみたくなるのですが、小川さんのような感受性はないので、小川さんが感じたようには読みとれないだろうという気はあります。もし、小川さんが紹介していた本を読む機会があれば、その際は、小川さんの書評を読み返してみたいと思います。
小川さんが、繰り返し言及している本がいくつかありますが、その中で印象に残ったのは、以下の三冊です。どれもまだ読んでいません。
「アンネの日記」アンネ・フランク著
「中国行きのスロウ・ボート」村上春樹著
「富士日記」武田百合子著
章立ては以下のようになっています。
1、図書室の本棚 子供の本と外国文学
2、博士の本棚 数式と数学の魅力
3、ちょっと散歩へ 犬と野球と古い家
4、書斎の本棚 物語と小説
●文学とは(103頁)
もはや名前もわからなくなった人々を死者の世界に探しに行くこと、文学とはこれに尽きるのかもしれない(フランス人作家パトリック・モディアノ)
●小川さんの小説作法(103頁)
これまで私が描いてきた人物たちには、ほとんどモデルはいない。一行目を書きつけ、実際に小説世界が動き始めるまで、彼らは名前もなく、輪郭もない存在として私の中を浮遊している。彼らがどこからやって来たのか、自分でもうまく説明できない。
ただ、一個一個石を積み上げるようにして言葉を連ねて行くうち、次第に彼らは姿を鮮明に表わして来る。
●小学校の健康診断(116頁)
私が本当に恐れたのは、保健室の先生ではなく、検査結果だった。もし座高がクラスで一番高かったら困る。きっと男子に笑われる。もし私の肺だけに何か妙なものが写っていたら?聴力検査のヘッドホンから、死んだ人の声が聞こえてきた場合、どうしたらいいのだろう。果たしてボタンを押しても構わないのだろうか。
あるいは、私が台に上がった途端、機械が故障して、何千倍もの放射能が発射されるかもしれない。あるいは、歯医者さんがうっかり、私の喉の奥に、丸いミラー付きの棒を落とすかもしれない。
次々と心配ごとがわき上がってくる。
(こういう想像力が作家の資質なのでしょうか)
●棺に弁当(189頁)
棺に納めるお弁当を作ることになった。死んだ人にお弁当を持たせるのは、聞いたことのない習慣だったが、考えてみればこれから長い旅に出発する人を見送るのだから、残ったものたちがお腹の心配をするのは当然のことだった。
●エゴン・シーレ(197頁)
シーレはその時の私の心にすんなりと入りこんできた。特に人物画に引きつけられた。彼は数多くの自画像を残している。ほとんどが裸体だ。計算されつくした構図でありながら、装飾は一切はぎ取られている。しかも、愛する自己を他人にさらすことで完結する自画像ではない。拒絶の混じった目で自己を徹底的に分解し、その果てにあるものを引きずりだそうとす��ような裸体なのだ。
●「アンネの日記」(235頁)
この日記が世界中で読み継がれてきた理由は、歴史的背景の意味を超える、すぐれた文学性にあると思う。思春期の少女の内面をこれほどまでに生き生きと描いた文学を、私は他に知らない。
キティーという架空の友人に語りかけるスタイルを取ったことからもわかるように、アンネはただの一人よがりなつぶやきを書き記したのではなく、自分の世界を言葉で構築して他者に伝えようとした。十代はじめですでに彼女は、冷静さとユーモアを持った視点、個性的な観察力、言葉の豊かさなど、驚くべき資質を備えていた。
☆小川洋子のエッセイ(既読)
「深き心の底より」小川洋子著、PHP文庫、2006.10.18(1999.07.)
「犬のしっぽを撫でながら」小川洋子著、集英社、2006.04.10
「物語の役割」小川洋子著、ちくまプリマー新書、2007.02.10
「博士の本棚」小川洋子著、新潮社、2007.07.25
「妄想気分」小川洋子著、集英社、2011.01.31
(2011年5月26日・記)
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これまで、さまざまな媒体に発表されてきたエッセイをまとめた本だが、読書レビューを主体とした部分の編集が光る。全体で4つのパートに分けられているが、タイトルとして取られている第2部の「博士の本棚」よりは、子供の本と外国文学について書かれた第1部の「図書室の本棚」が秀逸だと思う。(新潮社としても部数を伸ばすためには、どうしても売れた本の名前をつけたかったのだろうが、、、) 小川洋子さんは部類の読書家で、そのレビューもなかなか素晴らしく、これまでも何冊か目にしてきた。個人的には良くあることなのだけれど、今回も幾人かのお馴染み作家や翻訳家の名前が次から次へと「待ち伏せ」でもしていたかのように登場してきて、思わず笑みがこぼれてしまうようだった。結局のところ、読みたい本の嗜好が似ているということなのかもしれない。
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「あ、この本読んでみよう」と思った本がいくつかあり、また私の気に入った本が紹介されていたりすると嬉しかったりもしました。食事日記のページは、著者が必ず夕食後におやつを食べているのがおかしかった。書評とは関係ないけど。
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書評だけの収録だったら、もっと良かったのにー。村上春樹とポール・オースターが読みたくなること、間違いなし!ま、その他にも読みたい本が、どっさり増えたけど(笑)。 この本の前に、『小川洋子対談集』を読んでおくといいかも。小川さんの人生を決めた1冊本は『アンネの日記』だったんですね。