何度読んでも泣けてくる
2022/08/25 09:35
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ランディ・B/M - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、映画は見ていないものの、5,6年前に映画化されていたことをきっかけに買って、その後何度か読み返しているが、読むたびに切なく、泣けてくる。主人公(彼)は、彼女のお父さんに藤井君と呼ばれているが、彼女の名前は書かれていないので、彼女の存在が夢であったような感じもするところが余計に心に刺さった気がする。
シンプルイズベスト
2017/10/16 22:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:L - この投稿者のレビュー一覧を見る
とてもシンプルな物語。それだけに何もかもがそのまま伝わってきて読むのがつらい部分もあった。彼が幸せになりますように。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
美文調、というのは、やや古めかしい表現だが、中村氏の文章は淡々として美しい。愛犬の快復、バイクの修理、プロポーズ。良い方向に…と思わせて、永遠に閉じたままの箱。山あり谷ありの文章にしたら、氏の持ち味は活きないだろう。100回泣くのはオーバーだが、淡々と描かれているから心に響く物語もある。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
婚約者との死別を描いた話であるが、泣ける話とまではいかないだろう。おそらく表現が淡泊なのか、それほど心を大きく揺さぶるという書き方ではないためだ。本で泣くのは難しいことだと改めて思った。
序盤は、ブックと名付けた犬の死期が近いという話である。浪人生時代に捨て犬を図書館からの帰りで拾ったが、そのときに乗っていたバイクは故障していた。実家からのブック危篤の報に、バイクを直して実家へ戻るというものだ。ここで彼女は「ブックはもうだめかもしれないけど、バイクは蘇ると思うの。」と発言している(p22)。まだ発病前であるが、ブックに彼女を当てはめることを予感させるものである。
彼女と婚約し、同棲を始めてからは、主人公の浮かれぶりが見てられないものである。それが文章としても如実に表れていて、正直なところヘイトが溜まる程である。
同棲前の時間が正確という彼女の性格は、同棲後の反省会などでも表れているように思う。どこか几帳面で、いい加減さのない彼女だが、体調不良になってからは、この時間の正確性を欠いていくのが対比となっている。尤も、病に倒れてから性格が変わったということはない。
卵巣癌が発覚し、腹膜播種を起こしていることが判明すると、化学療法によっても回復はせず、徐々に体力を失っていく彼女。それを必死で励ますも、彼女は死んでしまう。医師でない主人公が根治のためにできることなどなく、ただそれを受け入れているのは、小説としては正しいスタンスだろう。こういったところで無闇に自分を責める展開は、読者を置いていってしまう。実際に、主人公の考える通り、その立場でできることはしっかりやりきっているのだ。
死後の回想で一章を使っているが、こういった話では、実はこの死後が大事なのではないかと思う。同棲初日に彼女がやってきた場面など、過去を振り返ることが、小説をより良いものにしていく。
分量や比率は間違いない。ただ、冒頭部で述べた通り、どこか淡泊なところが、泣くに至らない理由なのだろう。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yomogi - この投稿者のレビュー一覧を見る
ありきたりなお涙頂戴系小説。よくある感じのストーリーで私にはあまり響きませんでしたが私が非情なのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
恋愛小説になるのかな。
セカチューみたいな感じですね。
でも泣けました。犬好きにも読んで欲しい作品!
淡々と読める読みやすい本なので
読書初心者にもオススメー!
投稿元:
レビューを見る
軽い文体で、なんとなく読める展開。
想定外にヘビーな内容だった。。
最後の最後は切なくて悲しいけれど、
そこに何か“あたたかさ”みたいなものも感じられて良かった◎
ヒロインの女の子が魅力的だったな。
投稿元:
レビューを見る
健やかなるときも
病めるときも
喜びのときも
悲しみのときも
富めるときも
貧しいときも
これを愛し
これを敬い
これを慰め
これを助け
死が二人を別つまで
共に生きることを誓いますか
つい先日、従姉の結婚式だったので。
改めて美しい言葉だと感じました。
誓いの言葉なんてそんなに気に留めたこともなかったけど。
こうしてみると本当にすごい言葉だと思います。
ずっとずっと続くんだと思ってた。
このワンフレーズが後まで強く残ります。
ある意味ありがちな話のはずなのに。
なぜかすごく惹きこまれてしまう話でした。
時間が淡々と、しかし確実に流れていきます。
時間軸は恐ろしく正確なのに、時間の感覚がなくなります。
主人公の気持ちが強調されないからこそ切ないです。
泣きたくても泣けない。そんな感じでした。
泣けるという言葉に惹かれて読まないほうがいいかも。
切ないけど、温かい話が好きな人にはいいと思います。
現実はいつだって淡々と続いて、悲しみはいつだって容赦なく、思いも寄らないところではみ出してくる。
だから読み終えた後も物語は離れない。
時間が流れるだけで確実に失われていくものを知ってしまったからこそ、誰かを本気で好きになって、いつか自分にも死が訪れる日まで、風が吹いてもただ一つ残る愛を守りたいと思うのだ。
島本理生さんの解説がすごくよかったです。
もう一度読み返したくなってしまいました。
投稿元:
レビューを見る
"結婚の練習"をしようと同棲を始めた幸福な二人。しかし彼女は病気にかかり。。。
この作品の評価は大きく割れるのでしょうね。
ありふれた恋愛小説です。ストーリーだけ見れば安出来のテレビドラマのようです。でもどんどん引き込まれます。
一つにはこの主人公たちの魅力でしょう。「嫁に来たよ」「ふつつかものですが、どうぞよろしく」と小さな荷物で僕のアパートに引っ越してきた彼女。彼女のリクエストで"解熱の舞"を舞う僕。
さらに、あちこちでキラリと光る表現。実家の愛犬という伏線。
ストーリーはありふれていてシンプルだけど、一つ一つのプロットや表現力を見ると、いい加減に書き散らかしたものでは無い作品だと想います。
何はともあれ、綺麗でとても悲しくて爽やかな作品でした。
投稿元:
レビューを見る
実家で飼っていた愛犬・ブックが死にそうだ、という連絡を受けた僕は、彼女から「バイクで帰ってあげなよ」といわれる。ブックは、僕の2ストのバイクが吐き出すエンジン音が何より大好きだった。
四年近く乗っていなかったバイク。彼女と一緒にキャブレターを分解し、そこで、僕は彼女に「結婚しよう」と告げる。彼女は一年間(結婚の)練習をしよう、といってくれた。愛犬も一命を取り留めた。ブックの回復→バイク修理→プロポーズ。幸せの連続線はどこまでも続くんだ、と思っていた。ずっとずっと続くんだ、と思っていた―。
投稿元:
レビューを見る
偶然にもこの前に読んだ本(=自殺自由法)とテーマが真逆の本でした。
意図したわけじゃないのに!自分でもちょっとビックリした。
無意識にそういうのを選んでいたのだろうか?
彼女との幸せな日々。
これからもずっと続いていくんだろうとぼんやり思っていた日常。
それが抗えない病気という悲しい事実によってだんだんと崩れていく。
確実に訪れてしまう別れの日がだんだんと近づいていく。
そんなときに自分には一体なにが出来るというんだろうか?
愛する人が死ぬということ。それは誰にでも訪れてしまう悲しい出来事。
一体どっちがいいんだろうね?
愛する人より先に死んでしまうのと、愛する人が先に死んでしまうことは。
なんだか「忘れられない人」みたいだ。
そのストーリーとリンクする。
「ひとり」が「ふたり」となって、そしてまた「ひとり」へと戻る。
最初は「ひとり」が当たり前だったはずなのに、いつのまにか「ふたり」が日常となる。
こんな風に書くとものすごく簡単なことのようだが、「ひとり」に戻ることは100回泣いても難しいことだ。
「ふたり」となるのはそれに比べたらものすごく簡単なことなのに。
「これからは全部藤井君が覚えておいて」
死が間近に迫った彼女はこう言った。ものすごく重い言葉だ。
永遠にとどめておきたい記憶。
どんなものにも侵されず、ずっとそのままであり続けて欲しいもの。
やがて時間が色んなものを飲み込んでいったとしてもしっかり残るもの。
…でもいつかそれもだんだんと色褪せてゆく。
一番大切なものは「今」なんだろうな、やっぱり。
投稿元:
レビューを見る
あれだけセカチューブームが起こった後に、まだこのテーマで書こうとする作者に拍手したい。中村航の味が出ている文章もあるにはあったけども。いくら交際3年目といえど、社会に出て数年目でこんなに落ち着いていて、いろんな意味で安定感のありすぎるカップル…いまいち共感できなかった。私が、大切な人を亡くす経験をしたら、もっと感情移入できるんだろうか。
投稿元:
レビューを見る
前々から気になっていた作家さんで文庫でたまたま見つけた作品。
二人の会話がかわいくて、ブック(犬)の所で少し感動。
絶対に開かない箱がもう少し物語の鍵になると思ったらそーでもなくて残念。
誓いの言葉の所は良かった。
投稿元:
レビューを見る
タイトルに惹かれて読んでみた。確かに泣けるし切ない話。でも内容は薄いかな?という感想。でも悲恋モノ小説を読んで涙を流したい時にはお薦め。
投稿元:
レビューを見る
ゆったり時間が流れてくようで、あっという間の彼女との生活。
そう、誰のせいでもないのに後悔だけは途切れることを知らないんだよね。
絶対に開くことのない箱をそっとそばに抱えながら前に進むことは、忘れることと同じじゃないんだよ、大丈夫。
ふと立ち止まったときにぎゅっと握り締めるから。
妙に感情移入したお話。
重なる心境が多くて、静かに涙しました。