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紙の本
精神の自由を求める
2008/01/16 03:54
7人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本が国策として戦争を行うことを可能とするためには、次の三点セットが必要なのだと著者は言う。
1.日本軍
2.靖国神社
3.愛国心教育
1の軍隊が必要であることはもちろんであるが、国民が戦争に向かう精神を産み出し養うための装置として、2と3が必要なのだそうだ。
先の日本の誤った戦争の時代を思い浮かべると納得できる。
一部の急進的な軍部がいくら力を持ち戦争遂行を目論んでも、国民の意識が離れていたのではやはり長続きするものではない。
先の戦争において、「一億総玉砕」直前のところまで日本軍国主義が持ちこたえ、天皇及び国の指導者たちがぎりぎりまで終戦の決断を引き伸ばすことが可能であったのは、やはり国民の戦争への指示という強いバックボーンがあってのこと。
多くの国民が、「聖戦」を信じていた。自ら戦争に体を捧げ、夫や息子を戦場に送り出していたのだ。
3の愛国心教育に心の底まで支配され、染め抜かれ、2の靖国神社により最愛の身内の死まで喜びに変えられた。自身の死でさえ、正当化することを可能とした。「英霊」となることを最上の価値と信じた。
2靖国神社と3愛国心教育が、戦争を行うためのツールとしていかに大きな役割を担っていたかが実感できる。
あらためて現在を見てみたい。日本を「普通に戦争のできる国」に変えたがっている人たちが着々と準備しているものを見る。
1日本軍。すでに世界的にも強大な「軍事力」を誇る自衛隊の膨張はとどまるところを知らない。2靖国神社。歴代自民党首相がここにいかにこだわり続けたか、その理由が見えてくる。3愛国心教育。子供達の心まで支配しようとする教育の伸張と、極めつけは先の教育基本法「改正」。
「精神の自由」にとことんこだわる著者の発言を、現代の状況を見極める貴重な道標として聞き置く必要がある。
時代はどんどん右傾化されようとしている。知らず知らずのうちに我々の精神も束縛されることに慣らされていっている。自身の精神をどこまでも自由に保つためには、悪しき流れに気付く知恵と、抗う勇気が必要なのである。
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