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とてもいい話だと思うし、ちょっとほろりときましたが、
前半の印象が薄すぎて、読み進むのに多少時間がかかった。
だけど、いい小説だと思う
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きっかけ
すこし調子が悪いときに、試験の同期が、
「すごく悲しくて幸せな本」と紹介してくれたのがこの本でした。
構成、の代わりに物語の彩り
僕、さくら、お母さん、おとうさん、彼女、ミキ、ばあちゃん、
おじいさん、フェラーリ、望月君、難関、湯川さん、パラボラ猫、
おばさん、妖怪、矢嶋さん、サキコさん、ゲンカン、薫さん、警察
官(ぬけていたらすいません)
印象に残った文章、せりふ
ぼくは貯金が出来ない。
女の子はいつか赤ちゃんを産むけど、きっとこの子は小さいか
ら、桜の花びらを産んだんよ。
「ああこの人の前で、思い切り餃子が食べられるような関係
になりたい」
「ミキ、生まれてきてくれて、有難う。」
大人になるというのは、ひとりで眠ることじゃなくて、眠れない
夜を過ごすことなんだ。
「嘘をつく時は、あんたらも、愛のある嘘をつきなさい。」
「薫さん黒帯やで。」
兄ちゃんが食べ残したごはんを食べるように、母さんは
少しずつ太りだした。
さく、さく、さく、さく
「この体で、また年を超すのが辛いです。 ギブアップ」
「あんたらが三人揃ってたら、それだけで笑えんのよ。」
「病院なんかなんぼでもある。」
「あのランドセルは、捨てたぞ。」
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読んで良かった。平凡と自認する次男薫の目線で語られるヒーロー・お兄ちゃんとエキセントリック・ミキとの兄弟話や親子話が秀逸。
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柔らかさと温かさをこんなにたくさん含んだ幸せな小説は久しぶりに(もしかしたらはじめて)読んだ。ある家族の日々という小さな題材の中に、大きな愛を詰め込んでいる。
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何年か前に読んでたんだけど、
最近出会った人と、この「さくら」の話になって、
「さくら=犬」ってことしか覚えてかったから、再読。
・・・なんで、この本を忘れてたんだろう。
不覚にも通勤中の電車で涙。
他に類を見ない比喩を多様してて、
登場人物が頭の中でイキイキしてくる。
嫌いなキャラがいない。
ところどころ、小タイトルで区切られているのも
読みやすくて好き。
兄ちゃん。。。
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内容(「BOOK」データベースより)
ヒーローだった兄ちゃんは、二十歳四か月で死んだ。超美形の妹・美貴は、内に篭もった。母は肥満化し、酒に溺れた。僕も実家を離れ、東京の大学に入った。あとは、見つけてきたときに尻尾にピンク色の花びらをつけていたことから「サクラ」と名付けられた十二歳の老犬が一匹だけ。そんな一家の灯火が消えてしまいそうな、ある年の暮れのこと。僕は、実家に帰った。「年末、家に帰ります。おとうさん」。僕の手には、スーパーのチラシの裏に薄い鉛筆文字で書かれた家出した父からの手紙が握られていた―。二十六万部突破のロングセラー、待望の文庫化。
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平和な平和な長谷川家の家族。誰からも好かれるヒーローだった長男はじめは人生に絶望し20歳で死んだ…。誰もが羨む美しい妹のミキは大好きな兄の死に心を病んだ…。いつも底抜けに明るかった母は酒に溺れ肥満体に…。いつもは静かだったけど頼り甲斐のあった父はそんな家族をおいて家を出た…。そんな崩壊寸前の家族の元には、尻尾にピンクの花びらをつけていたことから『さくら』と名付けられた12歳のメスの老犬がいつも寄り添っていた。そんな家族の灯火が消えてしまいそうなある年の暮れに、主人公である次男『薫』が実家に帰省するところから物語は始まります。老犬『さくら』を通して、なんとか家族が再生していく姿を丁寧に丁寧に描いています。情景描写が抜群に上手くホントに映像が浮かんでくる作品です。人間が生きる意味や、人生は悲観も楽観もなく、今ある事実を受け入れ、ただ軽やかに戯れるもの(さくらが教えてくれます)など、説教臭くなく大切なことの気付きをくれます。また関西弁が効果的に笑わせて泣かせてくれるし、キャラをしっかり書き分けているので、読めば家族の誰かに絶対に共感できるハズ。自分はラスト間際のミキの告白と父の行動には泣かされました…。愛が沢山詰まっていてキラキラしていて、ほんとオススメの作品です。
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すごく切なかった。そしてすごく優しくて愛が溢れていた。
私の結婚願望がこの本を読んでますます強くなった。私も人生を一緒に歩んでいく相手と3人の子どもが欲しいのである。
ランドセルの中身に心が苦しくなり、車の中でのミキの話に泣いた。
好きな人がずっと側にいるとは限らない。
だからこそ、好きなら好きとその時にいわなきゃなあと思った。しかし、本当に彼のことを真剣に好きなのかどうかわからないでいる。でももし彼の存在がなくなってしまったらと思うと悲しみは想像できない。この気持ちを打ち明けたいけど彼との関係がギクシャクしてしまったら・・・と思うとなかなか踏み出せない。
ボールは神様が投げているのではなく自分が投げていて、どれもみなボールはボールである。
このたとえがすごく気に入った。
それと、家庭を支えているのは父であり、父の存在は偉大だと思った。
この本に出会えたことに感謝。
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家族は誰よりも優しくて、家庭はどこよりも暖かいけれど、
その反面、1番残酷で、1番苦しい場所でもあると思います。
でもやっぱり家族だから残酷で苦しくてもそこにいれば、一緒にいれば乗り越えられるんだなあ・・・
さくらちゃんがほんとにかわいい・・
さくらちゃんが家族をつなげる大事な役を担っていて、
確かにペットって、家族の1員として、物言わぬけれど、言わぬだけにその存在だけで重要な役割をしてくれてると私も感じること多々。
どんなつらい時も彼らは変わらずそこにいて、いつもとかわらぬ笑顔をむけてくれる時、我にかえって、気持がリセットできるというか・・・。
読みながら自然と泣けてくる・・・そんなお話でした。
作者のあとがきがまた素敵・・・・
私もいっぱい尻尾ふります!!ちぎれんばかりに振ります!!
振ることに躊躇せず、悲しいときこそ振ってみます!!西加奈子さま!!
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ある一家の離散および崩壊ならびに再生を描く本(法律っぽい言い回しでメンゴです・・・)。
この本で家族がバラバラになるキッカケは長男の死という物凄く重い出来事でしたが、
ここまで重くなくともある関係なんて些細なことで崩壊する。
そう思えた良書。
この本の主役は、確実にミキだと思う。
ミキに感情移入できなければ、ただのつまらない本でしょう。
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この本は、新聞で書店員が紹介する本ということで知って読んでみた。
タイトルのさくらというのは、僕が拾ってきた実家で飼っている犬(メス)のこと。
主人公は決して裕福ではないけど、家族のために一生懸命に働く父と、父に愛され美しい母と、はじめ伝説なるものがある兄弟にはヒーローの兄、兄弟から常に大事にされ愛されているでもちょっと凶暴な妹との5人家族。
ある日、家出している父からの手紙が届く「年末家に帰る」と。
そこから始まり、話しは薫が幼少の頃から現在に至るまでの家族の日常が語られている。
作品の前半は、まだこれが2作目(?)というのことが、感じらるような粗雑さも感じられたが、読んでいくうちにそれはなくなっていった。
この本を通して更に家族の大切さを感じる。
※2006年4月3日
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西加奈子さんの代表作といってもいいでしょう。とても優しく温かな小説です。
主人公である長谷川ファミリーは(犬のサクラちゃんも含めて)、個性が際立っているのですが、そのキャラクターの誰か1人が突出して濃いわけではなく、それぞれにいい味を出しているバランス感。
また、家族を取り巻く登場人物(矢嶋さん、サキコさん、薫さんなど)も、しゃしゃり出すぎず、かと言って印象が薄すぎず。
ストーリー構成、セリフの展開の仕方、伏線の張り方、すごくうまくなっています(デビュー作の『あおい』と比べて)。
何より、西加奈子さんが一生懸命書いたんだなぁというのがとても伝わってくる、そんな作品。傑作というよりも力作という言葉が似つかわしい。
家族っていいなぁ、家族の絆って大切だなぁと思える、本当に素晴らしい力作です。
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お母さんの言葉で、RADWIMPSの歌詞を思い出した。独特の、幸せが漂うあの歌詞みたいな感じ。
1人1人が昔と変わる。そのなかでも共通点がある。
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文章や描写がクドいくらい美しくて独特。すみずみまでキレイな作品。題名の「さくら」は飼い犬のことやけど、その犬の気持ちを書くとことかセリフのつけ方が犬飼ってるんやろなーって。笑
めっちゃ動きが想像できたし、さくらの家族と同じくらいさくらのシーンは幸せになれた。
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「しずく」が良かったので、読んでみた。
犬を飼っていてかつ交通事故で長期入院したもので、
設定として自動共感装置が働いてしまう部分も有り、
評価はちょっと甘いかもしれないけど、
家族の日向の部分と日陰に入った部分のコントラストは良かった。
キャラクター設定&描写が過剰な所が気になるが、
(可憐で明るい母、妹の性格、などなど)
それこそ好みと思うので。。。
(ホテルニューハンプシャーにも過剰なキャラクターは出てくるのに気にならないのは何が違うのだろう…?)
初恋の相手との再会、父の浮気疑惑のくだり、フェラーリサイドに行ってしまった兄の気持ち、などなど、現実味を感じた部分はどれも凄く良かった。