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予告された殺人の記録 みんなのレビュー

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19 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

世界文学を読んでみよう

2008/10/24 23:42

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ガルシア・マルケスも、ずーっと読みたかったけれど
pendingになっていた作家の一人で、このたび、漸く読めました。
 ノーベル文学賞受賞作家です。
文庫版も出ているのですが、ハードカバーで新しく出たほうの版です。
「予告された殺人の記録」と「十二の遍歴の物語」という舞台がばらばらで旅を思わせる短編集
そして「ラテンアメリカの孤独」という講演を活字に起こしたものが収録されています。

 □「予告された殺人の記録」
こちらは、ラテンアメリカのとある小さな町でおこった殺人事件。
 しかも、犯人たちはこいつを殺すと早々に町中にふれまわって(予告)いて
町中の人々が知っていました。
 それを実録ものみたいなスタイルで、淡々と描いています。
 解説によるとルポというスタイルが、ラテンアメリカというか、スペイン語界にはなかったそうで
小説というかたちで書かざるをえず、スタイルとしてこういう形になったとか、、。
 私の文学的偏差値が低い所為か、今一、ポイントがわからない作品でしたが、 
町中みんな知っているのに、ほったらかし、どこか冷酷で不条理な町の様子が淡々と描かれています。
 おかしいのは、殺人を犯した犯人か、それを知りつつ放置する町の人々か?
これが、ポイントか私には、よく判りませんが、こんなことも感じました。

 しかし、全般として文学度は、やっぱり高め、豊かな表現と語彙。
 そして、表題から、プロットは容易にわかりそうなのに、
徐々に秘密が明かされていく練られた緻密な構成。
まぁ、ポイントとしては、よく判らなかったけど、文学度が高いことは、判りました。

□十二の遍歴の物語
 それに比べると、こちらは、大変面白さが判りやすい短編集。
舞台が、色んな地域にとんでいて逆に旅という要素で纏まっている連作集みたいな感じで
どれも、ほんとによく出来ています。
 又、判りやすいという意味でも、よくできています。(笑)
小説としては、断然こちらの連作集のほうが面白いです。
勿論、こちらの連作集も、表現の豊かさ、構成、
やっぱり作家としての文学度はハイレベルであることは、まちがいなしです。

 ただまつろわぬ異邦人というか、ラテンアメリカ人というのは、スペイン語圏という意味では
欧州大陸にいても、不自由なく暮らせるけど、どことなく、居場所がなく
アイデンティティ・クライシスを常に感じているんだなぁというのが、各作品から感じられました。

ちゃんと理解したとはいえないけど、
その文学度高さは、わかりました、ゆえ、星5つ。

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紙の本

この本に収められている「光は水のよう」を読んで、だれがマルケスの作品だと思うでしょう。あふれる詩情とファンタジー、これに出会っただけでも幸せです、はい

2008/10/03 19:40

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

新しくなった装幀が好きで、思いついた時に読むことにしているガルシア=マルケスですが、今回は新装版最後の巻で、『予告された殺人の記録』『十二の遍歴の物語』の合本です。ちなみに我が家のどこかに『予告された殺人の記録』がありそうな気がしますが、確認できませんでした。タイトルから純文学者の手になるミステリだと思い込んで買ったはずですが、何処へ行ったやら・・・

とりあえず、デザイン関係のデータを書いておけば

Drawing by Silvia Bachli
96.8:without title,1996,"LIDSCHLAG How It Looks",Lars Muller Publishers,2004 through WATARI-UM
Design by Shinchosha Book Design Division

となっています。新潮社装幀室の選択がいいのか、装画は各巻異なる人の作品なのに、同じ人のものだと言われれば納得しそうです。モノクロといっても、ボリュームのせいかあまり黒が強く感じられないのも好ましく、こういうデザインは少なくとも洋書にはないものだなあ、なんて思います。目次を補いながら、各話を簡単に紹介しておきます。

「予告された殺人の記録」(1981年発表、1983年4月邦訳出版):新婚初夜で花嫁が処女でなかったことが巻き起こす悲劇。町中の人々を巻き込む殺人劇・・・

「十二の遍歴の物語」(1994年12月邦訳出版)
 
 ・緒言 なぜ十二なのか なぜ短篇なのか なぜ遍歴なのか:著者の簡単な解説

 ・大統領閣下、よいお旅を(1979年6月):ジュネーブで病気の診察を受けているのを見つけられた元大統領と見つけた救急車の運転手の奇妙な友情

 ・聖女(1981年8月):ダム建設現場にあった墓地で発見された無傷の少女の遺体。11年の歳月を全く感じさせない遺体を抱え、その聖性をヴァチカンの判断にゆだねようとする男の歳月

 ・眠れる美女の飛行(1982年6月):飛行機で隣の席に座った美女は、離陸するとまもなく深い眠りに落ちる。彼女の姿に川端康成の小説をダブらせる私

 ・私の夢、貸します(1980年3月):「夢を貸す」それが彼女の唯一の商売

 ・「電話をかけに来ただけなの」(1978年4月):運転していたレンタカーが故障し、それを夫に知らせるために電話をかけようとしたマリアが巻き込まれた悲劇

 ・八月の亡霊(1980年10月):幽霊が出る、と噂されるルネサンス期の城を訪れた家族が最後に見たもの

 ・悦楽のマリア(1979年5月):生きているうちに自分の墓地を買い求めた売春婦のマリア。彼女は愛犬に墓地に至る道を教え込み

 ・毒を盛られた十七人のイギリス人(1980年4月):72歳になるリネーロ夫人がナポリで宿泊先に選んだのは1階から9階まで、階毎に異なるホテルが経営する5階の食堂もないホテル

 ・トラモンターナ(1982年1月):カダケスを周期的に襲う陸から海に吹く強風トラモンターナ

 ・ミセス・フォーブスの幸福な夏(1976年):厳格であまりにもユニークなミセス・フォーブスのもとで夏を過ごすことになった兄弟が最後に選んだのは殺人

 ・光は水のよう(1978年12月):成績が上がったら好きなものを買ってあげる、両親の言葉に張り切った二人は、毎年のように賞を取り続け、家に運び入れたボートを光の海に浮かべ

 ・雪の上に落ちたお前の血の跡(1976年):結婚式の最中に薔薇の棘で指を傷つけた花嫁。新婚旅行でパリに向かうドライブで花婿は彼女の苦痛に気付かない

ラテンアメリカの孤独 1982年度ノーベル文学賞受賞講演(邦訳初出『すばる』1983年3月号):夥しい数の国民が死亡し、国外に追放され、逃亡するラテンアメリカ

注解
解説 野谷 文昭

となっています。新潮社のHPには

そうさ、殺されたんだよ。でも、なぜ殺されたんだ? このおれは――。

町中の誰もが充分に知っていた。しかも、当の犯人たちを含めた誰もが阻もうとしていたのだ。その朝、彼が滅多切りにされることを。たった一人、彼だけを除く誰もが……。運命という現実。その量り知れぬ糸模様の全貌に挑む、熟成の中篇。さらには、人生という日々の奇蹟。その閃光をまざまざと映し出す、鮮烈な十二の短篇。

とあります。ともかくどの作品も皮肉にみちたお話で、書き方によってはユーモラスなエンタメにもなるんでしょうが、マルケスの手にかかると、ともかく鬱陶しい。暗い部屋で目をぎらつかせ、汗みどろにたって死に向かっていく、行間から闇、視線、血糊が滴り落ちる、そんなものばかり。

ちょっとした誤解が、最後にその人の人生を狂わせて行く、正直、怖いというより理不尽さに絶叫したくなります。救いを感じるのは「悦楽のマリア」「光は水のよう」の二編だけといったありさまです。とくに「光は水のよう」のファンタジックな詩情は、たむらしげる、あたりがアニメにしたら素晴らしいものになるだろうなあ、なんて思います。マルケス像が崩れるみごとな一作、彼らしくはありませんが、これだけでも読んで欲しい・・・

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