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紙の本
戦後に封印されてきた大川周明が再評価される時代が来たのではないか?
2008/01/06 20:20
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここ数年「中村屋のボーズ」、「パール判事」、佐藤優の「日米開戦の真実」等を 幾分濫読気味で読んできた。読んでいるうちに段々 ばらばらな内容が 繋がり始めてきており それなりに理解が深まってきた。これが読書の大きな醍醐味の一つである。
大川周明というと 僕は 東京裁判での乱行しか知らなかった。単なる狂人というような認識でいたが 上記の佐藤優の著作で 全く見直し、本書を手に取るきっかけにもなった。
最近の原油高で 日本でも中近東の持っている経済力が見直されている。今回のサブプライム問題でも 中近東のファンドが資金供給を行うなど世界的にも注目されている。
但し その前までは 少なくとも日本ではイスラム諸国への認識は極めて乏しかったのではないかという点が 逆に炙り出されている気もする。
そのような風潮を踏まえて 大川周明を 今 読むと 彼の先見性が際立っているように感じられる点が本書の興趣である。
太平洋戦争の敗戦とその後の東京裁判によって 僕らに見えないものが作り出された気がする。大川周明という知性は 「狂人」というレッテルを貼られてしまっていたことも僕自身が今感じるくらいである。そんなレッテルを貼ったのは 連合国だけではないと思う。おそらく日本人が 何かの理由で そんなレッテルを用意し その下に 大川を「封印」したのではないかという気もする。
そんなレッテルを剥がそうという人が出てきている。9.11以降の世界の変貌の中で僕らは再度自分たちの歴史を検証する必要はあるのだと思う。
大川周明という方を再度勉強してみたい。そう強く感じた。
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