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紙の本
夢のような童話のような、そして、マユミさんの正体を知りたい。
2009/06/23 20:32
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
空中ブランコ 奥田英朗 文春文庫
いつつの短編が集まっています。いずれも主役は精神科医伊良部Dr.です。ふとっちょでこどもっぽい。
「空中ブランコ」サーカス団の空中ブランコ乗り山下公平さんが患者です。夢を見ているように読みました。山下さんの経歴、多数の転校経験は、自分自身の体験とも重なりました。
「ハリネズミ」やくざの狩野誠司さんが患者さんです。彼の奥さんが和美さん。この物語全体が、珍しい記述方式です。小説だからできる書き方です。文章は魅力的です。童話を読んでいるようでもあります。
「義父のズラ」池山達郎さん、彼もまた精神科医ですが、伊良部さんの患者になります。ここまで読んできて、伊良部Dr.とコンビを組む看護師さんは何者なのか知りたくなりました。巨乳で少々露出好き。その名をマユミさんという。元患者なのか、物好きなのか、何かしらわけありのような気がします。
人間は自分のことしか考えない。財産、身分、プライド、学歴、家柄、人を評価するための物差しに対する攻撃的な作品です。まるで迷いがない文章がいい。いい話でした。癒(いや)されました。
「ホットコーナー」第一話と展開がかぶりそうです。失敗作か。坂東真一プロ野球選手守備位置サード。作者はこの設定で物語をどうコントロールしていくのだろうか。資本主義でも社会主義でも、人のいい奴が損をするように世の中のシステムはできあがっています。展開は第一話と違ったものになりましたが、これで問題点が解決したとは思えません。
「女流作家」その職業のとおり星山愛子さんが患者さんです。この小編については特段の感想はありません。
電子書籍
全アニメ化済み
2019/06/18 23:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かんけつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「女流作家」だけが「恋愛小説家」として男性流行作家に書き換えられている。これに関しては男性作家にして妙な味がでるという、後出しじゃんけん的な別の味がでている。「ホットコーナー」はイップスが題材。
紙の本
心が軽くなる
2019/10/02 03:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:モカグリーン - この投稿者のレビュー一覧を見る
色んな悩みを持った人が出てきます。伊良部さんを頼るのですが、、。良い意味で無責任で自由奔放です。一話完結型で読みやすいです。
紙の本
2004年直木賞受賞作品
2017/10/21 06:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作にもまして伊良部が暴走していくところが楽しかったです。人には言えない悩みを抱えた、患者さんたちも良かったです。
紙の本
看護師!
2016/10/12 15:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pecosmile - この投稿者のレビュー一覧を見る
らしくない医者と注射を打つだけの看護師、この2人しかいない総合病院神経科を訪れる患者の人生を切り抜いた作品の2作目です。前作が余りに面白く、続けて読んでしまいました。患者の職種がバラエティーに富み、看護師の性格が垣間見えた点が前作と多少異なっていましたが、最後の「女流作家」は、らしくない(?)感動を覚える短編でした。注射を打たれる患者を見ることに快感を覚える多弁な医者は、多くの言葉の中に僅かな優しさを含ませ、注射を打つ寡黙な看護師は少ない言葉で胸を打つ、そんな作品と思いました。