紙の本
政治家たちの欺瞞
2018/05/23 22:11
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投稿者:たぬきち - この投稿者のレビュー一覧を見る
明らかに違法なのに、今までみんなそうしてきたからで押しとおしている政治家たち。罪を擦り付け合う政治家たち。庶民が政治不信に陥るのにも納得がいく。
自分の恥部とはいえ、ちゃんと公表している著者に敬意を表したい。より多くの人に見てもらいたい、見るべき本。
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元民主党国会議員が、秘書給与詐取事件で実刑判決を受け、服役する。刑務所の中で、次第に見えてきた自分のありのままの姿、他人や社会に対する考え方の変化。逆境の中で真の自分の使命に目覚めていく姿が感動的。刑務所の中で、次第に内省が深まっている様子がよくわかる。
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秘書給与詐取問題で有罪実刑判決を受けた、元・民主党の代議士が書いた本。
著者は栃木の黒羽刑務所で、障害者や痴ほう症の受刑者が配置されている工場に配属され、介護施設の職員のような1年を送る。
ニュートラルな視点で淡々と記録しているが、日本の矯正施設が、明治時代に制定された監獄法をよりどころにして運営されているか故の問題点をストレートに指摘している。(本書出版後に監獄法は全面改正されている。)
万人にすすめられる本ではないが良書。
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元議員。
折れない心を持つ、まっすぐな人だと思います。
だからこそ、議員には向いていないのかも。
辻元って胡散臭い感じがしていたけど、やはり嫌なヤローだ。
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著者の山本譲司氏は、某演歌歌手の方と一字違いの名。
塀の中のことを書いた本は、安部譲二の『塀の中の懲りない面々』が有名。
しかし山本氏はオレと同い年であることで、何となく親近感が湧いたのだ。
彼は2000年9月に秘書給与流用の詐欺罪で逮捕され、2001年2月に懲役1年6ヶ月の実刑判決。
そして控訴を取り下げ栃木県黒羽刑務所に服役する。
この本は、その433日に及んだ獄中での生活を著している。
入所してからいきなり、年齢がひと回りも下の刑務官にいきなり呼び捨てにされ、裸にされ、
肛門まで検査される・・ちょっと想像するだけでもキツい感じだなあ。
そして障害のある受刑者の世話係などを通じ、受刑者や刑務所の抱えている現状に目を向け、
やがて福祉の道を志すことになるのだ。
人生のターニングポイントというものは、誰にでも数回は訪れるはずだ。
山本氏の場合は、まさに獄中での生活がそうであったことだろう。
後半の方は、早稲田大学の同志であった辻本清美氏との秘書給与詐取事件に関してのやり取りが続く。
このあたりは保身のために平気で人を裏切るという政治の世界のリアルさが伝わり、ちょっと辟易・・。
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この書の発行後、様々な勉強会が官民合同で行われ、
遂には監獄法改正にの一つの要因にもなるわけですが、
ここに著してある囚人の扱いは本当にヒドイ。
加害者側の人権、なんてよく言いますよね。
僕も今までは心中で馬鹿にしてましたが、
これを読むと、
「しっかりとした設備・カウンセリング等をもっと整えてもらいたい」
そう思うようになりました。
刑期一年でも、懲役は懲役であり、厳しいものである。
この本はそれを教えてくれます。
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実刑を受けて服役したことは大変なことだっただろう。
だが、筆者が身をもって刑務所で体験したことを上梓したことは万鈞に値する。
非常に筆が立つ方である。
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実刑を受けた元国会議員が刑務所で体験したことを通して、日本の刑事政策の問題点を浮かび上がらせている良書です。
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現在の内閣総理大臣・菅直人の秘書をやっていたというのだから、
こんな時期に、この書物を読むことに不思議な因縁を感じた。
いままで、獄中生活というものについて、
まったく知らなかったのだけれども、とても詳細に記してある。
まさに身分制度のようなものが確立されていて、
それに応じて、手紙のやりとりの回数も増減する。
いちばん印象的なのは、看守。
この人たちもまた、人間なんだと思った。
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元民主党代議士のこの著者の逮捕もたぶん「国策捜査」なのだろう。ただ、法律を犯したことは間違いない。
罪を反省し、人生を見直し、刑務所の中で新しい課題を見つけていく・・・。障害を持った受刑者の世話をしながら、刑務所の抱える問題、犯罪者への特に障害を持った犯罪者への社会の取り組みのなさ(遅さ)・・・これらを感じる。出所して、福祉行政にかかわり始めるまでを描く自叙伝。
刑務所の実情がすさまじい。
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元国会議員が有罪判決を受けて本当に収監されたノンフィクション。たいていは執行猶予がつくものだが、作者は控訴もせずに淡々と収監されたところに反省の念が伺える。刑務所の中の問題点を元国会議員らしく法の未整備の観点から指摘している。読後感としては「こういう体験をした作者だからこそもう一回国会議員に!」とも思うが、やはり無理だよね。せめて優秀なアドバイザーとして民主党が彼の経歴を生かしてほしいと思うのだが。
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犯罪に至る過程から、逮捕、裁判、投獄、仮出所までの話。
舎内工場の世話係をやるんだど、刑務所内の障害者とのやりとりが生々しい。
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偶然にも大きな歴史の流れの中に現れて,その流れを加速させた一冊。確かにそれだけの何かはある。現代日本において著者に近い経験はおそらく一部の精神科閉鎖病棟でしかできないだろう。そういう世界に縁のない一般の読者には想像すら難しいのではなかろうか。自分自身,修習時代に見学した奈良少年刑務所と弁護士として足を踏み入れたいくつかの閉鎖病棟の様子を重ね合わせてイメージを組み立てているに過ぎず,再現性はかなり低いと思う。その後のことはともかく,これを世に出した意義はそれだけで大きい。また,投獄された人間の心理を詳らかにしている点でも,刑務所を考える資料としての価値は高い。
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国会議員が秘書給与の流用問題で起訴され有罪判決を受け、刑務所生活を送り、そこで経験したこと感じたことを記したもの。刑務所内の生活を伺い知ることが出来る事以上に、エリート層が、自分より年下の刑務官から罵倒された際の屈辱感や、抜けないエリート意識を興味深く読んだ。犯罪者にとって、刑務所の壁で世間の視線から守られている一方で、犯罪者の家族は世間の冷たさにさらされている。社会的弱者が犯罪を犯さざるを得なくなる実態などを知ることができた。社会で転落しないためには、やはり人間関係をいかに築けるかだと感じた。
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新潮ドキュメント賞受賞
政治家の体たらくは目に余るものがある。著者も秘書給与詐取事件を起こし刑務所に入ることになる。内情はどうであれ、けしからんことに変わりはない。ただ著者の真骨頂は実刑を受けた、その後の行動にある。服役中の仕事は障害を持つ同因の介助役だった。刑に服した後、実体験を元に書かれた本書が出版されることで、障害者と刑務所のあり方が世に問われたのだ。
2006年には監獄法の名称は消え、受刑者処遇法が成立することとなる。罪を犯し1年以上もかけ、実際に現状を把握することでしか政治を動かせなかったのかと考えると、やはりこの国の政治家は救いようがないとあらためて思うしだいである。