紙の本
「自分らしい」生き方
2020/04/20 18:42
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投稿者:ゆきき - この投稿者のレビュー一覧を見る
「自分らしく生きよう」そう声高に叫ばれる今日だが、実際にそのようにして生きるのはなんとも難しい。この本を読めば作者の「自分らしい」がんこな生き方に憧れずにはいられない。
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久しぶりに吉祥寺の書店に入ったら平積みでおいてあった本。
気になったので手にとって見ると、自衛隊に入ろう、いせや・・・、気になることばが目に入り、即購入。
読み始めたら止まらない。最近では一気に最後まで読むことが少なくなっていたのだが、バーボンストリートブルースは違う。ついつい先が読みたくなり危うく会社に遅れるところであった。
恥ずかしながらこの本を手に取るまで高田渡を知らなかった。知っていたのは、自衛隊に入ろうというフォークソングが昔あったということくらいである。もちろんフォークソングも特に詳しいわけではなく、せいぜい吉田拓郎と小学校の音楽で歌うような歌となぎら健一がラジオで語ることくらいであった。自叙伝であるこの本によると高田渡はフォークソングの始祖に近い存在のようで、高田渡とフォークソングのつきあいがそのままフォークソングの栄枯盛衰を語ることとなり、フォークソングの時代に対して私が抱いていた幻想・伝説を簡単に打ち砕いてくれた。
高田渡は終生、表現に対する職人であったのだろう。ことばに対するこだわりが、文体、詩に対する姿勢からひしひしと伝わり、久しぶりに夢中になった理由となったのだろう。最近、自分で考えることなく安直に出来合いのもので濁して何となく過ごしていくことに慣れ始めていた自分にとっては耳の痛い内容であったが想いについて考え直す契機になった。
読み終えて私は酒を買いに行った。下戸な私が自分のためにビール以上のものを買うのは初めてのことである。
今度吉祥寺に行ったときには、久しぶりにいせやに入ろうかな。
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ガンコでいる事が自分なりに生きるために必要だ。
この本には高田渡のガンコな生き様が書かれている。
労働力は売っても魂は売らないで下さい。
学生時代の先生の言葉がふと頭をよぎった。
人と違う事にコンプレックスを感じなかった幼少期。
違う事には違うと言う図太いたくましい精神に憧れる。
高田渡が好きだ。
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ときどき無性に読み返したくなる本、というのがあります
この『バーボン・ストリート・ブルース(高田渡・著)』もその中の一冊なのですが
あいにく、これまで手元になく
思い立ったときに読むことができませんでした
地元の図書館で保管庫入りになって「貸し出し不可」だったのが
分館に配置替えになって現役復帰したのは前に書いたとおりなのですが
先日読み返したくなったときは図書館の改修で臨時閉館中でした
最近はいくらか値段が下がったとはいえ
古本で買うには、ちょっと手を出しにくい価格です
これを書いている時点で10,000円だってさ...数日前までは13,800円くらいだった
…と、最近になって文庫化されたという話を小耳にはさみました
これは手元に置いて読むための本ですから
版型や、まして初版本に対するこだわりはありません
文庫本で充分と注文し、家に届いたのですが
正確には「コンビニ受け取り」でしたが
残念なことに「無性に読み返したくなる」タイミングを逃してしまったようです
それに、ワタクシのことだから「買ったらそれで安心してほったらかし」
となってしまう懸念が充分に...いやいや、この本は面白い本ですから
表紙を見ているとページをめくりたくなってきました
ということで、今夜はこのあと読書モードです
(http://todomatsu.com/archives/2008/04/25/post_1235.php)
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「自衛隊に入ろう」の高田渡氏である。氏の人生を自らひも解いた書。こういう粋な人はもう現れないのかもしれない・・・
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高田渡の愚直で頑固で壮絶な人生を振り返った自伝。
「自衛隊に入ろう」で逆説的反戦を歌うが自衛隊の入隊が増えた、海外旅行をしても酒場に入り浸るなどの面白いエピソードに溢れている。
当時の時代を知らずとも、親戚のおじさん的な奇妙な親しみがあるのは、なぜだろうか。
今の時代に生きていたら、どんな歌を歌うのだろう?
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高田さんが亡くなったときに、自分とそんなに大きくは違わない年なのに驚いた覚えがある。ずっと上の方だと思ってた。今は、既に彼が亡くなった歳を過ぎた。
そして、彼がこんなに博学な人だったことを、この本を読んで初めて知った。知り合いの方がよく唄ってる「生活の柄」にはこんな背景があったんだ・・・
改めて敬意を表し、ご冥福をお祈りします。
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田中清玄自伝と併読すると味わい深い。本筋とは殆ど関係ないが、例えば三島に対する評価。文選工時代に出会う共産党員へのまなざし。やはりあれだけの「うた」を生み出す人には独特の軸がある。田中とちがって、「日本をどうだこうだ」ということを言わないところが親近感をもてる。
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日本のフォークソング(特に四畳半系)はあまり好きではないのだけど、この人は別。
酔いどれフォークシンガーの自叙伝。笑いとペーソス、そしてピリリと効いた皮肉が魅力の楽曲同様、惹き込まれて一気読みしてしまった。
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かなり昔の話だが、吉祥寺の「のろ」という呑み屋で友人と呑んでいたときに、高田さんと偶然一緒になったことがあった。本書によると、コンサートはやっていたが、アルバムは1枚だけしは出していない80年代だったと思う。当時は加川良が新譜を久々に出したり、ライブもしたりと精力的で、自分もライブを見に行ったりしていたのだが、高田さんの音楽に生で触れたことはなかった。
いつかは、と思いながら結局触れずじまいで、もうかなわぬ夢となってしまった。
ストイックに生きたんだなあ、と本書を読んで感じる。歌への想いもスタイルもずっと変わらなかったんだなあと思う。最終章に「もういせやしか居場所がなくなっている」と書いてあるのが切ない。そのいせやももう別のお店のように綺麗になってしまった。天国の高田さんは何を思うのだろうか。
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本が好きな人にこそ、是非読んでほしい。
高田渡というフォークシンガー。
好きだなぁ、歌も話し方も。
初めて聞いた時には、
「いい歌、歌うなぁ。いい歌詞だ」
と思ったけど、実は詩人の言葉だったんだと少し残念になり、この本を読んで
「やっぱりいいなぁ。この言葉を選んで、この歌に仕上げてるってすごいことだ」
と思い直した。
皮肉のさじ加減が本当に絶妙。
「底の浅い人にはきっとわからないんだ。わかった自分はきっとなかなかなものだ」
と、チビチビ酒飲みながらギター弾いてるよ。
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結局一度も生で聞くことが出来なかった高田渡さん。お亡くなりになる1年ほど前に偶々見たDVDに渡さんが出て歌ってらっしゃって、エンケンさん目的に買ったDVDだったのに、すっかり渡さんのファンになりました。訥々としゃべる面白さ、味の世界そのものの歌の世界。今までハードロック、へヴィーメタルばっかり聴いていた耳になんとも心地よく響いたのを覚えています。その後予定されていたライブに行く予定をしていたのですが、残念ながらツアー中に倒れてそのままお亡くなりになってしまいました。ずいぶんお年を召していたと思っていましたが50代だったんですよね。もっとご自愛されていればまだまだ現役だったろうに・・・・
この本は子供時分の話からお亡くなりになる数年前迄を総括するような内容で、偏屈で可愛らしくてどうしようもない渡さんの姿があります。この本を読みながら渡さんのCDを聴いていると文を朗読している彼の声が聞こえてくるようで心がぽかぽかします。
ちなみに息子の高田蓮さんは僕の一つ年上でした。それもなんとなくうれしい。
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「自衛隊に入ろう」など、皮肉や揶揄などの香辛料を振りかけたような高田渡の曲。
グラス片手に歌い続けて40年。
フォークシンガー高田渡の酔いどれ人生記。
仙台の「源氏」に行ったなぁ。
(前略)仙台の街中には「源氏」という感じのいい店があった。この店で飲める酒は、ひとり三杯までと決まっている。ビールはたしか二本までだったか。(中略)お酒を頼むと昔の湯沸器みたいな機会からお燗のお酒が出てくるのだが、それにちょっと量が多めのお通しがついてくる。次に二杯目のお酒を頼むと、また別のお通しが出てくる。そして三杯目のお酒を頼んだときについてくるのが赤だしの味噌汁。やんわりと「もうこれで終わりですよ」と告げているわけだ。 ー 154ページ
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高田渡さんが生前
飲み友達だった方と
いろんな四方山話をさせて
もらうことがある
時折、
「渡ちゃん」(そう呼んでいたとのこと)の話になって
それこそ いろんな「渡ちゃん噺」が飛び出して
抱腹絶倒になることが よくある
聞けば聞くほど
あぁ 渡ちゃんは「人たらし」
それも 特別魅力的な「人たらし」
だったのだなぁ
と 思わせられる
魅力的な人を 魅力的に語る
いや 語り継いでいくこと
その話を 聞かせてもらえることも
また 人生を豊かにしてくれる
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わたしの青春は、この年代の人たちの学生運動、フォークソング、ファッションを仰ぎ見て、模倣して生きていた。