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「宿命の出会いに揺れる女と男を、緻密な筆に描ききった美しい切なさに満ちた恋愛小説」(新潮社HPより)といわれ、読みました。
美しい装丁。そして島での美しい暮らしは確かに美しくそのように暮らしてみたい、と思わせられましたが、「宿命の出会い」なのかなあ、切なさはあるのかなあ、などなど微妙な読後感でありました。
そもそも、盆踊り大会において、空色のTシャツで狂ったように踊りまくる男で、無口で無責任で皮肉っぽい感じ。
そんな男が(どこがいいの???)、思わせぶりなものを残して、島を去る。
いやはや。
セイさん、十字架はクロッカスといっしょに埋めずに、燃えるゴミといっしょに出しておしまいなさい、と言いたかったりするのでありました…。
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わたしはこのお話が好き。
今まで読んだ井上荒野の作品のなかで一番ぴったりきた。
1人の男の出現で起こるさざ波、揺れてそして元にもどる、しっとりとした心理劇。すぐに心が出る彼女をいたわりつつ見つめる島の人のように、読み終えてほっとした。
夫もいい。ドラマ化されそうだ。
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分からない。ある意味純文学の領域に入ってるような。
恋愛小説、というよりは、女の成長譚。
切羽まで行って、赤ん坊を授かったということでしょう。多分。
切羽(行き着く所の果て)まで行った女は、なんか色々吹っ切れて、おんな(子どもを授かれる)になったってことかな。ザ・深読み☆
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長崎のさびれた島でのお話。もっときりきりとした小説かと思っていたので、濃厚ながらも淡々と進行していくので、少々物足りなさを感じてしまった。
主人公・セイの同僚の奔放な月江先生は、小さな島では浮くだろうなと思ったけど、結局は不器用な生き方しかできないのか、、と少し切ない気もした。
で、セイは、、。結局は自分の生活はきちんとありながら、切ないときめきを味わったんだと思うと。。月江先生よりしたたかで、「女」だと思う。
3冊しか読んでないけれど、井上荒野はあとから反芻するような恋愛話を上手く書く作家だと思う。
ただ、私はこの本はあまり好きでないというより、はまれなかった。でも、確固たる家庭を持っているけど、ちょっとだけふわふわしたい妻の立場にある人なら、、胸の奥の方がちりっとしておすすめの本かもしれない。
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よく分からない。
傍から見ただけで、些細なことで相手の気持ちが分かってしまうのは辛いことだと思う。
言葉に出して問い詰めても仕方のないこと
なんとなく
が理由になることはどうにもならなくて辛い。
どうにもできないから。
旦那さんはどれだけ不安だったんだろう。
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ついについにの直木賞!おめでとうございます。
でもご苦労様で賞みたい・・・以前の方がいいのあったよね。
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綺麗な小説だった。
そして、何だかよそよそしさも感じた。
かつて炭鉱業で栄え、今はすっかり寂れた島でひっそりと暮らす、画家の夫とセイ。
夫もセイも一旦島を出て、結婚を機に戻ってきた中途半端な立場。
土地の言葉を話すし、地元の人達とふれあっているにも関わらず、二人は二人だけの閉じた世界にいる。
決定的な何かが表立ってある訳ではないのに、セイも夫も冷静でいるはずなのに、行間に漂うざわめきを感じて落ち着きを失ってしまう。
この小説は言葉で表現していない部分がとても重要だと思うのに、残念ながら私にそこを読み取る力がない。
もう少し時間をおいて、再度読み返してみたいと思う。
その時は、セイの母がなぜ切羽へ行きマリア像を拾ってきたのか、切羽が何をさしているのか、理解できるのではないかな。
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官能的ですなあ。指いっぽん触れないのに・・・。こういうのどうしても好みなんです。最後の数行がいろんな深読みができて、最後までどぎまぎしっぱなし。長崎弁のやらかい感じもよい。
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緩やかに時間が流れていく島人の雰囲気を感じる。妻として存在する主人公に、本土さんの愛人のコントラストが面白い設定だと思った。主人公は決して浮気などしなくて、そんなことは文章の間から染み出しているのに、あやうい心の動きを望んでしまう自分に愕然とする。
島人の方言が物語をよりゆったりと運んでいく。ひとつの命が消えることも、同僚が島を去っていくことも、ひとつも不自然ではない。あっても仕様がないこと。受け入れながら島人として、先生として妻として暮らして行くことにひとつも動じない。力強い物語だ。
食事の場面が多く出てきて、楽しい。そんなところも安心する。
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直木賞受賞作
この方言は…長崎かな?
(多分)長崎の小さな島にすむ、とても落ち着いていて愛し合っている夫婦。
夫は画家
妻は養護教諭
ある日、妻が勤める学校に新しく男の先生がやってきた…。
最初「あぁ〜ドロドロ不倫ものかぁ」と思いながらも、直木賞とったから一応…ぐらいの気持ちで読み始めた。
うん…まぁ別の方向ではドロドロしてたけど。
妻の側からみて、このくらいの気持ちって、誰しもふとよぎることはあるんじゃないかと思えてしまった。
決して彼女を全面否定はできないのだ。
結果として彼女は自分の気持ちを伝えることはできなかったから。
そこに、残念ながら共感してしまったから。
ずるいと言えばそれまでなんだけどね…。
夫の側からみて、妻の心の動きを感じながらも平静でいようとする態度…こっちも共感できるんだよなぁ…(T_T)
私もきっとそうするもん。
認めるのが怖いから
彼女に答えを出されるのが怖いから
結局、似たもの同士の夫婦なのだと思う。
間違いなく、これからも愛し合っていくのだろうな、この二人。
でも、これを目指したくはないので…あえての★★★で。
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とりあえず直木賞ノミネート作品ということなので読んでみましたが、なんなのコレ?ってのが正直な感想です。ラブストーリーとしてもいささか中途半端な感じがします。まるで「やおい小説」みたい。
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ほとんど直接的な性描写がないのにもかかわらず、かなりエッチです。
これは、作家の狙いでしょうね。
設定ば九州の小さな炭鉱で栄えていたちいさな島。
突然、やってきた若い男と島の二組の男女の一年間も物語。章も月単位で進んでいく。
不思議なムードをつくる小道具にマリア様とか、十字架がでてくるけど、触るようで触らない官能小説と
キリスト様・・私には消化不良。
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直木賞受賞作。でも、読み終わってみてラストの印象があまり残ってない。いろいろ考えさせられる本なのかもしれないけども、なかなか読んでいてそこには到達しなかったようだ。自分にはもっと単純な本がいいかも。
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直木賞か・・・・
本にエンターテイメントを求める私には最近の受賞作には肩透かしばかり。
この本も然り。
内容と帯の紹介文とのギャップが酷い。
あれがなければ、それなりに味わいある内容だと思えるのに・・・
あの帯で台無しにしてる感が否めないのは私だけ??
私の嫌いなタイプの女性をあげればまさにこの主人公。
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人の死も思い出も人が生きる事流れの範疇に委ねられている。やんわりとした構成だけど存在感がしっかり残っている。