サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

e-hon連携キャンペーン ~5/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

甘粕正彦乱心の曠野 みんなのレビュー

第31回講談社ノンフィクション賞 受賞作品

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー19件

みんなの評価3.9

評価内訳

19 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

甘粕正彦といえば、「ラストエンペラー」しか思い浮かべられない私でしたが

2019/10/22 22:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

甘粕正彦という人に関しての予備知識といえば、関東大震災のどさくさに紛れて大杉栄と伊藤野絵を虐殺して井戸に突き落とした残忍な人ということと、ベルナルド・ベルトルッチの映画「ラストエンペラー」で皇帝・溥儀に影のようにつきまとっていた坂本龍一のイメージしかないない(その後、テレビドラマで竹中直人が演じたらしいが彼を知っている人からは顰蹙を買う酷さだったらしい)、この甘粕について作者は「軍の罪を一人でかぶった男」として描く。今での世間の印象はよくない、作者は同じ満州で全職員に退職金を渡したうえ、満州を脱出させて自らは服毒自殺した彼と、部下を戦場に残し、自分は勲一等旭日大綬章の栄誉を受けた陸軍中将・澄田のどちらが本当に立派な日本人だったのかと問いかける

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

甘粕正彦って誰なんだ

2008/10/27 09:15

10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:k-kana - この投稿者のレビュー一覧を見る

戦後生まれにとって「アマカス」と聞いても何のイメージも喚起されない。映画「ラストエンペラー」で、坂本龍一が演じた甘粕正彦の印象が独特ではなかったか。いかにも暗黒世界の住人。社会主義者を虐殺した冷酷非情な元憲兵という設定であった。

この本を手にした理由は、もっぱら著者・佐野眞一への信頼からである。綿密な取材をバックにした重量感のある数々のノンフィクションのファンであった。著者はこの評伝を教養小説として構想したという。大正、昭和という時代に翻弄されたひとりの人間の魂の成長の物語として執筆したと。充実した読後感に期待を裏切られることはなかった。

世に「甘粕事件」と言われるのは、関東大震災直後の瓦礫のなかの大正12年9月16日、憲兵大尉の甘粕正彦が社会主義者・大杉栄を殺害したとされる事件のこと。これが、甘粕の人生の暗転劇のはじまりだった。残忍なイメージを付着された甘粕は、これ以降「主義者殺し」の汚名を生涯にわたってひきずる悲劇の人生を歩むことになった。

この事件の主犯として甘粕は軍法会議で懲役10年の実刑判決を受ける。しかし、甘粕が軍のスケープゴートになったという見方は、いまやほぼ定説となっている。彼は上官を守り、部下を庇って、自ら捕縛される道を選んだのではないか。

甘粕が再び歴史のなかに姿を現すのは、突然勃発した満州事変の直後だった。昭和6年9月18日の柳条湖に始まった満州事変は、軍人たちが仕掛けた大掛かりな謀略劇だった。甘粕は溥儀を連行し満州建国に導く。関東軍にはさしさわりがありすぎて出来ない特殊任務を、甘粕は率先して遂行する。満州事変を拡大させ、その後15年にわたる泥沼の日中戦争に引きずり込む一つの端緒をつくった影の主役であった。

「満州の昼は関東軍が支配し、満州の夜は甘粕が支配する」とまで言われた。満州に現れる以前の甘粕と、満州の甘粕はまったくの別人だった。甘粕にとって謀略の大地の満州は、初めて生を燃焼できる乱心の曠野だったのだろうか。

理事長に就いた満映は、甘粕にとって、自分の理想を実現する小さな王国だったのだろう。抜群の事務処理能力を発揮する。機構改革を行い、合理主義とスピードで事を運こび、赤字だった経営を黒字に転化する。彼には不思議な魅力があったという――どんな人物でも惹きつけてしまう。人との信義は絶対に裏切らないパーソナリティーでもあった。

昭和20年8月9日、ソ連軍が国境線を越えて満州への侵入を開始。甘粕は翌々日の8月20日、青酸カリをあおり54歳の生涯を自ら絶つ。甘粕は自分の運命を決めた大杉事件の秘密を曠野に埋め墓場まで持っていってしまったのだろうか。

SMARTはこちら

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2009/02/18 21:06

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2009/10/22 19:40

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/05/16 17:20

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/10/06 14:25

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/10/31 10:22

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/12/11 17:18

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/01/18 21:11

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/08/01 11:52

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/07/26 19:54

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2008/10/04 10:11

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2009/03/13 14:13

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/06/12 22:38

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2013/12/02 07:09

投稿元:ブクログ

レビューを見る

19 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。