紙の本
北京五輪を契機にイメチェン・チャレンジ
2021/12/05 23:00
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投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
死刑囚の臓器をつかって、世界第2位の移植大国になり、外国から大勢の患者をつのってきた中国の病院が、政府の規制で臓器争奪戦を繰り広げる話。エグすぎます。
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中国やインドはドナー大国だという噂は聞いていた。特に、世界有数の死刑執行数を誇る中国では、死刑囚の臓器が移植市場に流れている、と。この本はそんな中国の現代死体ビジネスの様子を日本人の視点で描いた本。著者は通信社記者で、取材者視点で書かれたなかなか読ませる一冊に仕上がってる。「日本人の視点」とあえて書いたのは、出てくるのが中国国内の事例というよりも、臓器移植を必要とする日本人患者が中国で移植をする例が少なからずあるという事例が多くとりあげられているから。このテのものは需要がある以上、どんなに日本国内で規制をしてもあまり意味がない。この本はあまり経済学的考察はされないけれども、臓器ビジネスとは対極にありながら同一ベクトルにあるスパー『ベビー・ビジネス』を見ればそのことは明らか。にもかかわらず(生殖関連と全く同じく)倫理をふりかざし、移植への道はほとんど閉ざされ、患者は生きるために中国へ渡る。中国を批判するのも必要だが、日本の医療業界への批判も必要なのではと思った。
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オドロオドロシイ題名がついているが、「中国の臓器移植ビジネス」の実態に迫った真剣なルポ。
著者は時事通信中国総局特派員
「日本人を含めて多くの中国人が中国を訪れ、腎臓や肝臓の移植手術を受けている。その手術には死刑囚の臓器が使われている」噂に肉薄する。「カネ」と「コネ」がはびこる中国の「闇」と「裏社会」のルポである.
年一万件! 大量死刑執行
死刑囚の臓器利用を容認する内部規定が1984年10月9日に交付されている。「漢族の地域では原則上、少数民族出身の死刑囚の死体や臓器を利用しない」
法輪功系の「大紀元」によれば、逮捕された法輪功信者の臓器が闇で利用されていると告発している。
「臓器移植の問題は、矛盾だらけの中国社会の縮図」
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臓器移植を巡る中国の闇を紹介。
金とコネが今も社会、経済、そして政治の中心である中国の実情を知るには良い教科書。
日本人は驚くが、お金が無いからと手術を断り見殺しにするのは日常茶飯事。手術中に追加で薬が必要となると、手術を一旦ストップし、親族が会計を済ませてから手術を行う。大手病院は後から請求するようになったそうだけど。
本書は「臓器移植、臓器売買」という角度からの中国考察だが、中国はどこから切っても同じ膿がでてくるので、中国に関わる人は知っておいた方が良い内容がてんこ盛り。
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中国における臓器移植事情。死刑囚の臓器が提供されるとか,臓器のために殺人まで起こるとか,臓器ブローカーが暗躍するとか,かなりすごいことになっている。特に北京五輪前には相当なものだったようだが,その後は浄化されたのだろうか…。
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中国大陸では、ドナーの9割が死刑囚ということに驚いた。死刑を執行する日取りが事前にわかるので、臓器摘出直後の移植が可能とか。そして死刑囚の遺族には礼金か……。間接的な臓器売買じゃないか。倫理的にどうなんだろう。
少し前に中国の医療内情を追ったドキュメンタリーを見たけど、基本、中国の病院は前払い制で、お金がなければ生死をさまようケガや病気でも放置されてしまうようだ。カメラに映るのがすべてじゃないし、中にはそうじゃないお医者さんもいるだろうが、カネと命が等価交換という現実は怖い。日本で移植を切望している患者の気持ちも知ることができる良ルポ。
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中国の臓器移植のとんでもない実情が書かれてると思いきや、日本医療のジレンマやドナー問題など、批判が一方的でなくバランスがとれていた。
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レシピエントの立場に身を置かずして、中国やフィリピンでの臓器移植の是非は語れない。実態として中国では死刑囚の臓器が積極盛んに移植されていたようで、相当数の臓器がいわば迅速に提供される。日本で見込みなく絶望的な状況下でドナーを待つ人たちが、そこに救いを求める思いはわかる。ただ、プローカーや信じられない低賃金の中国医師たちがカネを求める不平等なコネ社会でのオペであり、死刑囚の承諾とて疑わしい。曖昧な倫理観が靄る。この著書が発刊されてのち、法輪功学習者からの臓器移植が増えたと報じられ、人道的に一層心が重くなる。