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安藤忠雄。
建築界において、日本において、
偉大な存在であることは周知のこと。
住む人にことを第一に考える情熱に溢れ、
挑戦し続けるその生き様に感銘を受ける。
安藤忠雄が自分のなかで偉大な存在であることを
改めて実感する、そんな一冊。
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表参道・青山は、知る人ぞ知る有名建築家が設計した建築のメッカでもあります。
ハナエモリビルは丹下健三、
日本看護協会ビルは黒川紀章、
ONE表参道(FENDIが入っているビル)は隈研吾、
さらにはTOD'S、クリスチャン・ディオール、そして少し歩けばプラダなどなど、どれも有名な建築家による建築で、表参道の“もう一つの名所”になっています。
こういった各有名建築が立ち並ぶ中、一番の面積を誇り、表参道の新しい顔として2006年にオープンしたのが、表参道ヒルズです。表参道ヒルズは、約80年の歴史を刻んだ同潤会青山アパートの跡地に建設されたものです。同潤会アパートは当時としては画期的なもので、日本の建築史で“記録”に残るものであり、そしてそこに住まってきた人々や、そこに携わった人々の“記憶”にも残る、まさに息吹のする建築でした。しかし老朽化によって、その記録と記憶を立て直さなくてはいけません。80年に渡る人間と街の息吹を尊重しながら、新しい歴史を刻むためには、決して穏やかな討論だけではなく、激しい抵抗や、困難もあったかと思います。
そんな状況の中で、表参道ヒルズを設計したのは、安藤忠雄です。安藤忠雄もまた、現在の日本の建築界を代表する一人で、その作品はすでに他に触れている方も多いのではないかと思います。これまでの街の記憶を保持しながら、新たな記憶装置としての建築を紡ぎ出すその思想はどんなものだったのでしょうか。
本日ご紹介します『建築家 安藤忠雄』は、安藤忠雄自身が語り尽くした自分の姿、そして建築に対する思想、哲学、そして愛情が詰め込まれており、人間・安藤忠雄の出生から、独学で建築家・安藤忠雄になっていく姿、そしてその後の“ゲリラ”的活動の挑戦を読むことができます。
安藤忠雄がすごいのは、独学で建築家になったこと。そして、その独学をむしろ自分の強みとして果敢に建築を追い求めている姿にあります。高度な勉強をすることだけが勉強ではなく、人間を育てることが本当の勉強であると、その姿は教えてくれているように思います。
人間として必要なこと、人間の学びとして必要なこと。
この根底は、人間と人間がつながり、人間と街が共生し、人間と自然が住み合うといったことによって生まれるもので、そこには快適さだけではない、厳しさもまた必要であります。そのような眼差しを通して街を見る、建築を見る、自然を見る。すると、そこには人間そのもの、生きることの意味につながっていきます。
このような眼差しは、人間を見つめる目ですが、これはわれわれ鍼灸師が、患者様の身体を見つめる時にも通じるのではないかと思います。建築は時間の経過とともに、街の記憶、建物の記憶が積み重なっていくように、人間の身体にも、これまでの生活様式や、生活のくせのようなものが現れるものです。そのようなものを治療で受け止め、そしてそれをどのようにしていけば改善されていくのか・・・ということの意識は、安藤忠雄の持っている眼差しと重なるように思います。
この人間への眼差し、建築への眼差しは、他の分野の方々にも有効であると思います。ある書評では、この本は美容師さんにもよく読まれていると聞きました。また、私がこの本を知るきっかけとなったのは日経の雑誌でしたが、その書評でも、この安藤忠雄の哲学は、仕事をする方にも大いに役に立つものとありました。
本はちょっと厚めでありますが、さくさくと読み進めることができます。さくさくと読み進めながらも、しかもけっこう心に残るフレーズがあったりします。今一度違う角度から自分の座標を確認してみたい方に、違った視点から自分の仕事を捉えなおしたい、そんなヒントを求めるためにもおすすめです。
本を読んだ後、表参道ヒルズに行ってみました。
青々ときれいな新緑が美しい並木。その並木とちょうど同じ高さに表参道ヒルズは建っており、景観を損なうことなく、むしろ同じ視線で建築と自然、そして街が一体化していることに気がつきます。有名建築のメッカである表参道を歩く一つの手引きとしても、この本をおすすめします。
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直島や青森の美術館で作品(建物)を見て以来気になっている安藤忠雄。勉強カフェにちょうど置いてあったので読んでみる。読みたかった本がたくさん置いてあるのはありがたい。
分厚い割に、さくっと読める。この文章、安藤さん自身が書いてるのかな。だとしたら文章も書ける多彩な人なんだなあ。
仕事に対する真摯な姿勢と努力(やってることを読めばそれが並大抵の努力ではないだろうことがわかる)に感動した。次世代の育成や環境とか、考え方も魅力的。一度講演も聞いてみたいな。
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一回、レビュー書いたのにふっとんだ・・・がーん。笑
(なので簡略化。。)
ゼロ年代の50冊の1冊。
子どもたちを対象とした施設をつくるときに、
“ほったらかし”の場所をつくる。
と書かれていて、あたしの考えはこれだー!って思った。
子どもが自由な発想で自由に遊んだり、考えたり、
そういう機会を与えてあげたいなーって。
そういう手助けを、背中を押すような人間でありたいなーと
思った。
あと、安藤忠雄は独学で建築家になったわけだけど、
もちろん順風満帆にここまできたわけでないことがよくわかった。
“仕事に対するこだわりをもつ”
ということが大事なんだな。たぶん。うん。
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「予定と違うこと、不連続を面白がる感覚。大きな目標に向けて造りながら考えるのがいい」 「理想の人生」 聖家族教会(サクラダ・ファミリア)
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安藤忠雄の自伝。
このひとは、常にゲリラ。
プロボクサーを経て、若き日の世界一周、独学で建築をまなび、コンクリートを特徴とした建築で注目をあびる。
内向きの開放感、都市への対抗、自然を活かす。
このひとは、自然を愛し、歴史を愛した上でユニークな建築をつくっている。建築によるメッセージなんてものがわかるほど詳しいわけじゃないけど、自伝をよんだら少しわかった。
この本に刺激を受けてこの夏休みは関西の安藤忠雄建築の旅にいきました。よかった。
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『建築家として』というより、『安藤忠雄として』の哲学をつづっているもの。まだ読みかけだが、とても刺激的。
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メモ
・日本都市:西欧の都市をモデルに近代化→高度経済成長
取り入れたのは都市計画の技法/「いかなる都市を作るか」の理念は欠落/経済論理だけをたよりに建設と破壊→混沌の都市。
・西欧:広場が街の中心、日本:路地/井戸端といった裏側。マネたはずの日本に広場がかない、作っても活かされない、作る側でなく使う側の問題。(コンテクストが不十分?)
・表参道ヒルズ:直接的な形でなく「風景」として過去を現在に繋ぐ。高さ/ファサード/2棟そのまま(過去を伝えるモニュメント)
・建築は土着の仕事(その場に行って作らねばならない)。時間的な距離は縮まっても(技術的に)物理的、文化的な距離は縮まらない。
・東京は「官」で作られたなら、大阪は「民」
・1960~:「建築に多様性を取り戻そう」というポストモダンムーブメント=歴史、伝統の再生→「形」の引用ではなく「精神性」。伝統は見えるものではない。
・日本の美:大陸の雄大で誇張的な表現と対照的に、集約された洗練された表現=内向的な美。⇔「古墳」。相反する個性の同居に日本文化の個性と豊かさがある。
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安藤忠雄さんの講演会にて購入。
サインもしていただいた。
自分自身、安藤忠雄さんをもっと知りたくてこの本を手にとった。
独学で建築家になったこと、建築物への思い、建築家としての思いなど知ることができた。
特に、子供のための建築として、「戦後日本の経済一本槍の社会が、子供から、空き地と放課後を奪った。子供を過保護の世界に閉じ込める家庭と社会のシステムが、子供の自立を阻んでいる」
という言葉が子を持つ親として考えさせられた。
それと、講演会でもおっしゃっていたが、自分の哲学を持つこと。
本の端々に感じたが、多くを学び、哲学を持つことは、
本当に大切なことであり、自分もそうありたいと思う。
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「60年代の終わりに、私は大阪の梅田に小さな事務所を開いた。
そして、建築という職業をもって社会の理不尽に抵抗していく、
私なりの闘いを始めた-。」
建築家と言えば一度は耳にしたことであろう、安藤忠雄の自伝です。
ある日の日経新聞の夕刊で「知的財産の総量はあらたな好奇心を生む」という彼の言葉に共感して以来好きになり、自伝を読んでみました。
経済的効率化が最優先となり、「住まう」ことの本質を見失いつつある昨今に対し、
安藤は「こだわり」を徹底的に貫いた建築物を数多く社会に輩出することで、
時代に挑戦し続けてきた。
クライアントの要望とぶつかることは毎回。
しかし彼は妥協せず、クライアントを巻き込んでいく。
その信念の強さは賛否両論でしょうが、私は大好きです。
自分の建築活動を「ゲリラ」と称する彼の活躍に、今後も着目したい。
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安藤忠雄に興味があって読んで見た。
名前は知っていたけど、実際本を読んでみてすごい人だと感じた。
考え、行動が。
口ばっかりの人の真逆な感じ。
ただ、あたしは設計を頼まないだろうな。
読み始めて、ビジネス書みたいな感じか?と思ったけど、他の本にありがちな自慢めいたものがなく、著者の考えていることが凄いよくわかったいい本だった。
文章もとてもうまい。
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文章と言葉に非常にインパクトがあり、読んでいて言葉が沁みる。筆者の仕事感や教育、都市・建物に関する考え方などが、力強く表現された書。
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安藤さんの本はこれまでに何度か読んだことがあって、
元ボクサーだの独学で建築の勉強をしただの
ユニークな人だなと前々から興味があった。
今回、初の自伝がでるというので、
本の分厚さにビビりながらも買ってみた。
安藤さんの建築に対する〝思い〟のようなものが
ひしひしと伝わってくる。
どんな仕事であれ、この〝思い〟をもって仕事に取り組むことは
大事だな、と刺激を受けた。
建築関係に進む人は必読なのでは!?
建築関係じゃないからわかんないけど。。
久々に読んだ骨太な本でした。
文句なしで星5つ!
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これを東大で読み終わったあとに、たまたま福武ホール行ったら、その日になんとUIA 2011で安藤忠雄の講演会があるということで行ってしまいました。
なかなかない偶然でしたが、安藤忠雄が主張する「ともに住む豊かさ」というのはとても共感。
とりわけ、あまりそれを体現できていない寮だからこそ、すごい共感できた。
安藤忠雄というと直島に行ったときにその建築に感動したのが最初。それがきっかけでこの本を手に取ったわけだが、当初はただ「かっこいい建築を作る人」という認識でしかなかった。
本書でその認識は全く甘かったということを気づかされたと同時に、自分の仕事に対する考え方を改めて考えさせられるきっかけになった。
一人の人間の人生をかいま見るというのは、何十冊のくだらない本よりも影響力がある。
この本は、少なくとも僕に取っては、そんな本だ。
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これを読み終わってまず初めに思ったのは,
この先,第2,3の安藤忠雄はでてくるのだろうか,
ということ。
モノに恵まれた今の時代,はたして出てくるのでしょうか。
安藤忠雄氏が建築した建物巡りをしたくなった。