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みんなのレビュー7件

みんなの評価3.0

評価内訳

7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本

もしこれが戦前に書かれていたら、あるいは終戦直後に書かれていたら、私も感心したと思うんですね。でも、今出されると、意味が分からないって言うか、それなら横溝正史読むよな、って思っちゃうんです

2008/12/26 19:02

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

1960年代生まれの「新本格派」と呼ばれる、主に京都大学出身の作家たちがたくさん登場しましたが、わたし的には位置付けが難しい人たちが何人かいて、その代表格が歌野晶午と二階堂黎人なんです。二階堂についてはそれなりに読んではいるんです。『宇宙神の不思議』『猪苗代マジック』『ドアの向こう側』『カーの復讐』と時間をおいてポツポツ。

絶賛は『猪苗代』次点が『ドア』、ついで『カー』、クソミソが『宇宙神』とまあ評価に波があります。とはいえ『猪苗代』を傑作としたのは、自分の読書メモを検索した結果なのであって、私の記憶に残っていたかと言うと、皆無。私にとっては装幀が面白かった『ドア』のほうが強く心に焼きつき、残り二作も完全忘失状態。つまり作家名と作品名が結びつかない稀な作家なんです。

それと「黎人」の「黎」の字ですね。書けない。書こうとすると何故か「葱」っていう字が思い浮かぶ。ま、どっちもソラでは書けないんですが。で、結果的に歌野晶午とごったになってしまう。それでも少しも困らない、そういう位置付けなんです。でも、気にかかる。だから偶に読む、デフレスパイラル状態までは行きませんが、悪循環一歩手前みたいな感じです。

で、今回の本。「マジック」っていう言葉を取れば、単純な発想ではありますが横溝正史の世界です。「八墓村」とか「鬼首村」とか「獄門島」とか。で、横溝ファンである私の手が止めようとしても伸びてしまう。願いは一つ、「横溝のイメージを壊さないでほしい・・・」。

ちなみにカバーも完全に横溝正史。そのまま角川文庫になってもおかしくない。担当を列記すれば

カバー 撮影 村尾昌美、マリオネット制作 ヤン=クララ(チェコ共和国)、撮影協力 Puppet House
本文 イラスト はる(仮)
装幀 スタジオ・ギブ(川島進)」

となっています。注目はマリオネット制作 ヤン=クララ(チェコ共和国)でしょう。なぜチェコ共和国?でも雰囲気はある。内容については、カバー折り返しのことばを拝借します。

宴席の最中だった。
突然部屋の中に入ってきたのは
「鬼」―祭で使う鬼の面をつけ
蓑をまとった「鬼」だった。
鬼はいきなり客に斬りかかり、
部屋を飛び出していった。
そして別の部屋に入りこんだところで、
幻のように消え去ったのだった。
それから七十年、「鬼」はふたたび現れ、
人々を惨禍に巻き込んでいく。
畳みかける不可能犯罪に水乃サトルが
挑む。
書き下ろし長編本格推理。

です。目次を覗けば、

第〇章 上鬼頭家の歴史
第一章 鬼の血筋
第二章 鬼のお告げ
第三章 鬼蟻村に入る
第四章 夕食の席での衝撃
第五章 最初の犠牲者
第六章 毒殺事件
第七章 盲目の美青年
第八章 第二の事件
第九章 遺言状の謎
第十章 酒蔵の悲劇
第十一章 離れの秘密を解く
第十二章 最も意外な犯人
第十三章 暴かれた真相
第十四章 予想外の結末
第十五章 その後のことなど
  参考文献

これまた昔懐かしいイメージをもった言葉のオンパレード。もしかしてこれってパロディ?なんて思います。で、サトルの言動が矛盾だらけになるのは、十二章です。彼は名探偵の例に漏れず、関係者全員の前で謎解きをするわけですが、真犯人の名前をなかなか明かそうとしません。理由ともいえない理由なんで困るんですが、それをサトルはこういいます。

「ちょっと待ってください。いきなり僕が犯人の名前を言っても、皆さんは信じてくれないでしょう。」
「何故じゃね?」
「それが、あまりに意外な人物であり、突飛な動機だからです。したがって、皆さんに納得していただけるよう、僕が何故、その人物を真犯人であると考えたのか、その理由をまず、説明しておきたいと思うのです。」

だそうです。屁理屈ですね。でも、これが古い本格推理の常道ですから、ま、いいか、って読み進みます。ところが、犯人が誰であるか、論理的な説明に入る前に、彼は真犯人の名前をあげるんです。そのあとで延々と、その理由を解き明かします。???理由をまず、説明するんじゃなかったの?真犯人の名前を聞いたら、その瞬間、誰もが肯かざるを得ない、そのために説明をするって言ったじゃない。

ストーリーにはこれ以上触れませんが、巻頭の登場人物紹介に重要な人物が抜けています。正直、ミスじゃないかって思うので補っておきます。そう、内本警部です。長野県警の警部で、サトルと会うのは一年半ぶりだそうです。そのときの事件について言及がないのが不親切で、私のように二階堂の作品をあまり読んでいない人間にとっては、ピンときません。ちなみに、その頃は諏訪署勤務だったそうです。で、以下登場人物紹介。

水乃紗斗瑠(サトル):探偵、30歳
臼田竹美:会社の同僚。佐江子の娘で経理課所属の独身、31歳。

上鬼頭徳之輔:先々代の当主(亡、享年76歳)、正妻ソノ(亡)
   加代子:徳之輔の三女(61歳)
   美佳子:徳之輔の四女(56歳)、夫・清吉は酒造の専務(59歳)、長男・朝夫(32歳)
   佐江子:徳之輔の五女(52歳)、夫・五助は酒造の小杜氏(59歳)、長女・竹美(31歳)

上鬼頭新太郎:徳之輔の次男(亡、享年35歳)
   静子:新太郎の妻(45歳)、子どもはいない。
   国也:新太郎と芸者・高田峰子との間に出来た長男。次期当主(11歳)

犬井志女子:徳之輔の六女(41歳)、出戻りで長女・薫子は12歳。

小滝みすず:徳之輔の妾(亡?)、息子・巴夫(亡?)、その子・達彦(20歳)

中鬼頭健三:徳之輔の従弟。軍人で中尉(亡)

周爺:使用人(69歳)、双子の宋爺も使用人だが亡くなっている

田辺少尉:戦前、鬼に斬り殺された軍人

金平善助:弁護士
中鬼頭勲:村長
小山大勇:医者
久楽持亜久里:住職
五条光亮:弁護士

やはり、大横溝に遠く及ばないのは、二番煎じの印象が強いせいでしょう。京極夏彦や舞城王太郎のような個性的な文体や人物造形もなく、西尾維新のような同時代感も抱かせず、森博嗣のような「萌え」も感じさせない、ただトリックと読みやすい文章だけでは独自の世界は作れない、そう思います。また中身を忘れそうだ・・・

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2008/07/27 05:47

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2008/09/22 22:57

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2010/01/16 21:49

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2011/02/27 15:50

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2012/06/02 10:26

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2013/07/02 17:29

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