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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻も含め中盤までの暗い流れを、遠子顔負けの"想像"で心葉がまとめきった。暗鬱な展開のまま終わる可能性も考えていただけに、救いの多いラストで良かったとは思う。
シリーズのほとんどを、遠子が狂言回しとして動いていたけれど、「神に臨む作家」だけは、心葉を見えない部分だけで支え続けたななせが、その役回りを果たしていたと言えるのではないだろうか。彼女がもう一つの選択肢を与えることがなければ、心葉は最後まで決断をしないで終わったかもしれない。
エピローグでは、シリーズの随所で張られてきた伏線が綺麗に回収されている。今回、ある意味でハッピーエンドになった結果、割を食った人も何人かいると思うので、彼らにも幸せなストーリーが訪れることを祈りたい。まあしかし、選ばれた、もしくは選んだ人間は、紆余曲折を経たとしても、最終的に行き着くべきところに行き着く、ということか。
狂気性の薄い無難な結末
2008/09/01 18:54
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
いままでの狂いっぷりからどんな結末になるのか戦々恐々としていましたが、無難というか平凡とさえ言える決着
遠子先輩のラストエピソードかと思いきや、麻貴先輩や流人・叶子らサブキャラ達の話や細かな伏線の回収でした
遠子先輩にミスリードされ、すっかり騙されました
「じゃあ、今までの狂気性は何だったの?」とか「妖怪はありで生まれ変わりはなしか?」とか、納得いかない部分もありますが、遠子先輩のキャラクターが壊されずにすんだのは良かった
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自分のなかでどうやって置いたらいいのかわからないけれども、私はやっぱりこのシリーズが好きでした。それはおそらく、すでにある作品をモチーフに作品を書く、というところに私が熱中したからでしょう。発売日が8月30日となっていましたが、もしやと思い前日に書店で発見してすぐに購入して、その日のうちに眠くなりながら読みおえました。自分がどれほど熱中して読んだかを後になって振り返るために、内容にはふれないで置こうと思います。あ、でも、思い描いた絵からは大きく外れていなかった。
みんなが幸せになったのかどうか、それは私にはわかりません。ただ、不幸にはならなかった、それが物語の幕引きとしてすばらしいものでした。いい作品というのは、幕引きが静かで余計な波風を立てないような気がします。
幸せを思うとき、私は木の葉っぱを思い出します。無造作に生えているようで、日の光や温度の具合に左右されて育ち、虫に食べられていたり、病気になっていたりするところを見ると、いろんなものの幸せってなんだろうと思ってしまいます。
2008.08.29 27:00 寝床にて読了
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すばらしかった。
結末が上手だなぁと思った。
これは狭き門を読まなければわからない部分が多いから、
今度絶対読まなければと思う。
たぶん、言葉にしてしまうとたくさんの誤差がでてしまいそうで、
怖いのであまり多くは語らずにいたい。
人間の感情は、言葉だけでは表せない微妙なものが多いから。
兎にも角にも、このシリーズが好きでした。
人の憎しみと、愛情がたくさんつまっていました。
野村先生お疲れ様でした。
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文学少女シリーズの最終巻・・・これで読み収めかと思うと非常に残念です
読み終わるのが勿体無いと思いつつも、引き込まれて一気読みしてました
物語がここに集約されているだけに、ここまでの作品が頭に入っていないと
誰だっけ?なんだっけ?となってしまいそうです
上下巻だけではなく、出来るなら全巻通して読むことをお勧めします
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半数の読者が「なんだよ、いm」と思ったに違いない・・
期待を裏切らずに予想を裏切られたというか
作者の手のひr(ry
読書(古典?)好きな人が読んだら
もっと面白く、かつ楽しめるんだろうね。
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文学少女シリーズ最終巻。
満点をつける以外ほかない。
よく書ききりましたね。
真相は割とよめていたものの、心葉の長い語りはまさしく魂の叫びです。
ラストも自分の望んでいた側の結末で安心。
全ての人物に決着をつけきったという感じ。ほんとよくぞここまで。
何より作者の「本」への愛があふれてる作品でした。すごい本読んでるのねぇと思わされますよ。
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この作品には、熱がある。
物語を志向する人たちがどこかで抱く、熱が。
物語、小説、想像というものに真摯に向き合い物語ってくれるシリーズではないでしょうか。だから、本好きな人ほど大いにハマる。
パロディーやパスティーシュではなく。
オマージュではあるけれど、けして其処のみにとどまらず。
この作者だからこそ示してくれた真実が、読者の心に深く落ちる。
とても希有なシリーズだと感じます。
この作者が、主人公たる心葉の「十七歳の僕の真実」という言葉を借りつつ、アンドレ・ジッド『狭き門』に対して一つの新たな見方を与えてくれたことは、とても偉大なことだと思います。
個人が物語に対して抱く切実なものを、言葉という形にして表現することは、(人それぞれとはいえ)案外、難しいものです。
巧く言葉にできず伝えられなかったり、せっかく形にした言葉も批判に晒されるかもしれませんし。
しかしそれらを乗り越えて、これまで〈文学少女〉たる遠子が物語を読み解くのを傍で聴く側だった心葉が、今回は読み解く側となって真実を照らし出したこと。
ここが本作のキモではないでしょうか。
また、本編の最終巻に当たる本作品で一つのテーマでもあった「作家とは何か」という問いに対する答えや、心葉の成長と決意にも深く感銘を受けました。
いろんな人に読んでいただきたい作品です。
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最初、上を読んでから結構時間がたっていたからあまり思い出せなかったけど、
読んでいくうちにどんどんよみがえってきて、結衣さん、叶子さん、ふみはるさんの関係も思い出してきて、
途中から一気に謎が明かされていって、夢中で読み進めた。
気づいたら涙がぽろぽろこぼれていて、
なんともいえない、不思議な切ないような愛おしいような感情で満たされて、
心葉が叶子さんに真実を迫ったとき、ピークだった。
上を読んだ後、いろいろ自分で想像したものと全然違って、下を読んでいてもしかしたら叶子さんは結衣さんが好きだったんじゃないか、と思ったけれど流人くんのこととかいろいろあってよくわからなかったけど、
全部がわかって、そういうことだったのか、と。
結衣さんたちはなんでこんな、ほんとうにアリサやジュローム、ジュリエットのように自分より他人を思いやるのにそれぞれ
苦しまなければならないんだろう。
三人それぞれの悲しみがあったんだろう、ってそれを想像すると、本当に不思議な気持ちになった。
きっと、すごくおもしろい作品に出会えたときの不思議な気持ちと似てて。
とにかくいろいろわかったので、もう一度上、下それぞれ遠子がカナちゃんへとつづった手紙も含め読み直したい。
これは最高に素晴らしい本です!
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シリーズ完結編。途中ちょっと泣きそうになったりして、久々にのめり込んで読んだライトノベルでした。日だまりのような優しいラストシーンは、思っていたものとは違っていたけれど、これがいちばんいい結末なんだと思います。でも……その後も見たいっ!(2008.09.13読了)
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キャラは遠子先輩とちあ以外好きじゃないけど、
表現が綺麗で好きです。
場面がくっきりと想像できる。
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以前の登場人物たちが大集合です。
結衣さんと叶子さんの関係にウルウルしました。ああいうの大好物です、切ないんだよね。
まさかあの女性があの子とは思いませんでしたが、ああ結局最後に心葉のそばに居るのはあのお方だったか。と、若干ショックでした。
七瀬は高校時代では最後までちょっと可哀想なキャラでしたね。臣君に会いにいく部分があって良かったです。
みんな幸せになったんだなって、ほっとしました。
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行き成り最終巻のオススメ。
一番コレがいいよv
心葉くんの心の揺れが、物語を大きく左右する……んですよね(聞くな
文学少女最終巻が、一番好きv
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もっと悲しい最後になると思っていたのですが………そうですか。
まぁ、コレはコレで?
あと短編集とかちょっと楽しみですが、甘さ控えめでお願いしたいところです。
そう言えば、1巻のプロローグで「僕がまた書き始めたのは…」みたいな一文がありましたが、結構痛いネタバレなのでは?
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文学少女シリーズ、最終巻!
このシリーズ、ラノベにしては話がしっかりしてるし、小説にカテゴライズしてもおかしくない。
今回の題材は上下巻ともシッドの「狭き門」。
それぞれのキャラが狭き門を通るために、何かを犠牲にし苦悩する。最後はハッピーエンドでよかった。
にしても複線回収が素晴らしい。まんまと騙されたよ。。