紙の本
星々の悲しみ
2015/02/26 23:32
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投稿者:黒白 - この投稿者のレビュー一覧を見る
何度読んでも飽きない宮本輝の世界。
紙の本
生と死を感じさせる珠玉の短編集
2021/12/02 18:14
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和50年代中盤に発表された宮本輝氏の短編集。全部で7編の短編が収録されています。本書の書名となっている「星々の悲しみ」だけでなく、全7編全てが人の「死」を意識させる内容になっています。そのためか、どの短編も少し重く、暗い空気感を感じました。それが苦手な読者にとっては、ちょっと読み進めるのが辛くなることも十分あり得ると思います。しかし、普段の生活では感じることのない人の「生と死」を様々なシチュエーションで描いたこの短編集は、さすが宮本輝氏とも言えるかもしれません。決して爽快な読後感を得られるわけではないですが、人の「死」に関わる悲しさとか、切なさとかを読書を通じて感じたいという人にはバッチリはまる短編集ではないでしょうか。
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表紙が変わったんですね。私が購入したときは違う絵柄でした。宮本輝の短編集。私と同じ年齢の人で、これを憶えている人は結構いると思う。
私が受験生のとき、春だったか夏だったか、河●塾模試の国語の問題文に出題されたんです。出題されたのは、喫茶店に飾られている絵について、予備校生たちが話している場面。それを普通に読んで解いたまでは良かったのですが、模試終了後配布となる問題解説に掲載されていた、問題文のあとのこの物語のあらすじに、びっくりするような展開が書かれてたのです。
「えっ、あの話がそんな展開に!?」。ぎょっとして帰りに本屋さんに立ち寄って、さっそく文庫本を購入しました。
めでたく大学に入学し、その大学も卒業してめでたく就職したあと、同期ちゃんも同じことを話してたので、同じ体験をした人は多いんじゃないかな。
物語の中の予備校生と、自分の受験生時代の思い出とがまざりあって、懐かしい本です。
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とっても淡白で繊細な物語。
ジャンクフードばっかり食べて馬鹿になった舌では、決してわからないであろう味みたいなもの。
構成や展開に妙があるんじゃなく、文字の連なり、その文章自体が秀逸なきがする。
でも、私が持ちうる感受性では、この文章の良い部分を十分に感じることができません。この本を良いと言える人はきっと初々しい感性を持ってるんだと思う。
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表題作ほか6篇の短篇が収められている文庫版。
『星々の悲しみ』は、初めて読んだのがちょうど主人公たちと同年の頃で、交わされる言葉や想いがひとつひとつ生々しく感じられました。
「星々の悲しみ」という題のついた大きな絵、木の下で顔を麦わら帽子で覆った少年が横たわっているという絵の存在が、物語の中心に静かにあります。20歳で亡くなった画家の作品というその絵は、冒頭では青春の足跡を残すためのツールになり、後には絵に込められたメッセージをよむと同時に‘生きる’ということを考えるための窓のようにある。架空の絵がぼんやりと瞼に浮かんで、それは最初にこの物語を読んだ時から消えずに、ずっと胸にあります。
7作品を通して感じるのは、残される者が感じる喪失感とそこから再生する力の存在。人は誰かを何かを失う時、自分の存在が不安定なものであることを再確認する。けれど、いつまでも不安定なままではいられない、何かしらすがるべき光をとらえて、おずおずとではあっても前に進み始めるものだ。そんな、人の底辺にある力を感じる。
ただ、作中のキャラクターたちは、自分が失ったものはなんだったのかを、執拗に追い求めてもいる。再生のためには、とことん喪失と向き合う必要があるのかもしれない、そう思うと、悲しみを乗り越えながら生き続けることは、とてつもない痛みを自らに課す苦行みたい…つらいものです。
表題作以外では、最後にある『不良馬場』が印象深い。出世ルートに順調にのって、さあこれからというところで病に倒れ、2年の闘病生活を送ってきた男。例え治って職場に復帰しても、元のルートへは戻れないと諦めかけていた人生。でも「このまま終われるか」という気負いを、ある夏の夜の出来事をきっかけに手にした男は、見舞いに訪れた同僚を伴って、何かに憑かれたように競馬場に向かう…あるいは‘負け’が決まってしまっているかも知れない自分の人生に、それでも勝ち目をはる大きな賭けに出た男の念が、レースの最後のシーンを赤く染めていく。エンディングが目に焼きついて離れない、そんな作品です。
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すぐ登録しなかったから・・・よく覚えていない。
時代は少し昔だけど、青々しい物を感じた覚えがある。
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望遠鏡から離れ、物干し台の手すりに凭れて、勇に教えてもらった白鳥座の周辺を見つめ、広大な十字形の上に鳥の姿を思い描きながら、ぼくはちっぽけな地球の一角で饅頭を作っている勇のことを思い、しあわせな眠りにおちているであろう妹のことを思った。
さらには、ネオ・ルネッサンス風の、年代物の図書館の書架に眠るまだ読んでいない無数の小説のひとつひとつが、ぼくの視界の及ばないところでひそんでいる星々のきらめきと同じものに思えてきたのだった。
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宮本輝作品の中で、一番好きな一冊です。何度読み返しても、胸がそのたびに締め付けられるような感覚になります。儚さをはらみながら、それでも毎日を生きていくひた向きさが感じられます。
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短編に定評がある輝氏。
表題作「星々の悲しみ」のインパクトが強かった。
予備校生3人の出会いと別れ。絵画『星々の悲しみ』にめぐらす想像。
また読みたくなったなぁ。ついでに喫茶店にも行きたくなるのは、宮本作品読後の症状かもしれない。
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2008年8月18日、読書の記録を始めて記念すべき一冊目。もう少しで読了・・ってところで止まってしまった。でも面白かったと記憶しています。宮本輝は「春の夢」が良いです。
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表題作『星々の悲しみ』はマイベストナンバー2。何度読み返してもラストシーンでは涙が止まらない。哀しくもなく、寂しくもなく、それでもどこか切ない。他の短編も秀逸。
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10代の頃から何度も何度も読んできたが、まだまだ読んでいくであろう本です
敢えて「いま読んでいる」に設定
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死とは何か。死にも色々な視点がある。病に侵されてるものの死、肉親の死、友人の死…。この作品では様々な視点から著者が死を描いている。死を間近にした者の醸し出すうら寂しさはぞっとさせるものがある。これを読んでいて母が入院したことを思い出した。病院も病室も日常から切り取られた別世界のように感じた。見舞客も皆病人を気遣い、無理矢理明るく振舞っているような気がした。あの空気の重さをここまで巧みに描き出す著者の筆力は素晴らしい。
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星々の悲しみだけ読んだ。すごく切ないね。不思議に心に残る。
主人公の無計画さとか、すごく自分に通じるところがあった。ちょっと中学校受験の国語の読解っぽかった。難しかった。けど、よかった。他作品も読んでみたいな。
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国語の問題集に表題作が出題されていた。
主人公と有吉と草間が喫茶店であの絵を見るところ。
なぜだかわからないけど、その文章を読んでぐっと心を掴まれた。
どうしても続きが読みたくて購入。