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産業医が仕事を通じてみた過労死等の実態。
過労死という言葉が意味するのは、
「過労働」ではなく、「過疲労」。
過労死の共通点は、
肉体疲労だけでなく、精神的疲労が大きく影響する。
・会社(上司)が部下をモノのように扱う。
・休日出勤を会社の命令で強制されている。
・極端な責任と業務量
などが共通ケースとしてあげられる。
自分で業務量を調節できるうちは忙しくても、
過労死にはなりにくいそうだ。
思い切って産業医に相談し、
長期間休む等をすると回復しやすい。
ケーススタディができるので、
知っておけばイザという時、役に立ちそう。
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かつては,自分が苦しみ嘆いている状況だった。このような本は,部下の立場で読み,それで救われることもあった。また,いつかはよい方向に変えていけると思っていた。
でも,世の中の状況は変わっていない。身近なところでは,わたしの時代と比べたら格段によくなっていても,問題がなくなるばかりか,その幅が広がっているようにも思う。もっと複雑な様相だ。
本書に出てくる事例は,極端なようではあるが,いまでも実際にあり得ることだろう。特に,正社員ではない不安定な状況ではなおさらだろう。仕事があればよい方だという声も聞こえてきそう。
現場を知らないで指示を出す。強引にやらせようとする。そこには,組織としての問題もはらんでいる。できそうにないことを目標に掲げる。現実に目を向けようとすれば批判される。戦時中のような組織では,いつかは破綻する。
精神論ではなく,きちんと指導し,わかり合って進めていくことが理想だと思い,これまでやってきた。しかし,現実はそれほど単純ではない。なかなか伝わらないため,わかり合うと言える状態に到達できない。伝え方が悪いのかとも思ったが,伝える内容にも問題があるのかもしれない。
理屈だけでは解決できない。50を過ぎて,多少は人間味が出てきたのか,そのようにも思うようになった。理詰めで諭して,がむしゃらやって見せたところで,お互いに苦しいだけなのかもしれない。
上司から部下へという一方通行では解決はできない。部下から上司への情報も重要だ。また,部下同士のコミュニケーションが大切だと思う。上司に多くの部下がたこ足配線のようにつながっている組織では,うまくことは運ばない。
本の感想ではなく,自分自身の反省や悩み,単なるぼやきになってしまった。でも,上司・部下の別なく,考えてみることは必要だと思う。
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巷にはメンタルヘルス対策の本や、ビジネスの視点からの管理職の手引きのような本が溢れているが、本書は企業の産業医として活動する著者からみた、「上司に求められるもの」を具体的に示した、きわめて実践的な書である。
職場が原因で起こるメンタルヘルス不全をどう防ぐか。そのポイントを著者は職場の「雰囲気づくり」にあるとし、それを主導できるのが「上司」と呼ばれるポジションにいる者であると論ずる。
質問しにくい雰囲気や、失敗を必要以上に責める雰囲気(もちろん場合によって叱責が必要なことはある)、過度に従業員に対して恐怖を植え付ける行為、こうした諸々の要素が「上司」によって形成されることで、その部下には本人でさえ受け止めきれないほどの精神的重圧、あるいは傷害が与えられるのである。
こうした事態を防ぐための方策を、著者は自験例をもとに具体的に述べる。また、不幸にして精神的・肉体的に限界に達しつつある社員に対してどう接するべきかについても指南しており、その内容はさすがに産業医という会社の組織論理を熟知した職種であるがゆえ、具体的かつ的確である。
ぜひ企業の人事部門担当者や衛生管理責任者、そして、人の「上司」となっている方々に一読をお薦めしたい良書である。
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産業カウンセラーが過労やうつの原因として上司と部下の関係性に焦点をあてた内容。
事例が多く参考になる。
メンタルヘルスは予防と起きたときの早期対応、復帰のしかたがポイントだと思うが、これだけ事例が増えても対策が浸透していないのは、
ひとりひとりの症状と環境にあわせていくことが必要だからだと思う。
起こらなきゃ一番いいんだけど、上司も部下も読んでおいたらいいと思いました。
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潰し合いの職場からの脱却には「職制にとらわれないコミュニケーション」が最も大事だと。ごく当たり前なのだが、最近、雑談の力は偉大だとよく思う。いくらしんどくても、下らんことを言う程度の余裕を確保するのも上長の仕事なのだとつくづく。
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この本は自分の中で久々にヒットです。
題名から想像されるような単なる変てこ上司批判の内容ではなく、コミュニケーション方法として、上司のまずい対応、部下の立場からの思考回路を産業医の立場から分かりやすく解説されており、内容はまさに他人事とは思えない事例が多々盛り込まれて耳の痛い内容も・・・。
大変に参考になると同時に考えさせられた。新入社員からトップまでこの本を理解、実践できるのとすれば、生産性は大きく改善することと思う。
組織に身を埋める人には是非お勧めしたい。
本文中のあるアンケートから・・・
「わたしの上司は人の意見を聞きません。この人が職場にいるだけで気が滅入ります。出張で不在だとホッとします」
こんな上司にならないよう心がけなくてはなりません。
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本書がこれだけの高評価を得ているということは、世の中部下を追い詰めている上司にあふれているのだろうか。印象に残ったのは部下は鵜飼の鵜ではない、という喩え。これにはガツンと頭を殴られたような感じになった。「ピラミッド型の組織」や「業務管理」という言葉から連想しがちな鵜匠としての「(中間)管理職」というイメージが本書では正面から否定されている。その理由についてはぜひ一読してもらいたい。
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荒井千暁"こんな上司が部下を追い詰める"を読む。
労働環境について多くの著書を持つ産業医による崩壊職場の事例集。後半では対処法が語られます。
倒れた人、病んだ人が産業医に頼ることはあっても、他者に害をなす攻撃的な人格障害の場合はその自覚もなく、継続的に環境を乱し続けていく様がうかがえます。
◯生じたトラブルを丸ごとゴミ箱に捨てるような扱いを、上司たちからされていた女性社員。言動は冷たく、思い込みで意見をし、原因がわかっても自分の非を認めようとしない上司たち。女性社員の心を凍りつかせるほどに追い詰めたのは、自分本位で身勝手な上司たちである。
◯多くの場合、身体に不調をもたらし、思考できない状態にさせているのは仕事であって、××病という疾患ではない。身体不調という病気はあくまで結果である。根底にあるのは仕事だ。なら仕事そのものが悪いのか?そうではない。仕事をする上での人間関係における無理解や軋轢、それらが一塊となって労働者を病気に追いやっている。
◯こうした上司は部下の士気を確実に落としてゆく。
世界は自分を中心に回っているという典型だから、部下から意見が出ても、それは考えすぎだといい、時機尚早だという。なぜ考えすぎなのか、時機尚早なのかの根拠をいわない。仕切ることは得意だが、意見交換して結論を出す技量がない。だから力でねじ伏せようとする。
◯従来なら普通にこなせていた業務は、密度が薄いうちなら対応できる。つまりその範囲において思考は健全に保たれている。けれども従来と同等の密度を持った業務と対峙すると、いきなり頓挫してしまう。それはおそらく、過去の経験が「二度としたくないという強い負の思い出」となって、徐々に脳を支配し始めることによる。
極度に疲労したという経験が色濃ければ濃いほど、ちょっとした疲労がきっかけとなって、その記憶はふたたび呼び起こされ、仕事が手につかなくなる。、
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1,部下をつぶしてしまう最大の元凶は上司であり、部下の健康を守ることが出来るのも上司。
2,部下と上司の関係は、投手と保守の関係。
どのような場面が苦手か理解し、なにが出来るか。。 企画力が旨い部下と、洞察力や忍耐力で成果を上げている部下。 使い方は違う。
3,業務を切り上げる時間をきっちり設定する事は、自己防衛のうえからも最低限必要。
4,コンビニの店員が良く気がつくのは、社会的ニーズを徹底的に説くから。家族のような感情が生まれる。
5,上司には、チームをまとめる(マネジメント)教える(チーチング)助言する(コンサルテイング)能力を引き出す(コーチング)の4要素が必要 中でも、コーチングは必要。手腕というより、部下に対する思いやりが問われる。しっかり開眼させてやる。
6,遅刻・欠勤は注意信号。慢性疲労状態やうつ状態の始まり。連絡が来なくなった時は、なんらかの手を打つ時。 夜中に目が覚めるのは、異常の前兆。
7,悩みの相談を受けた時は、話の腰を折らずに、ひたすら傾聴する。直角の位置がベター。相手から肯定のサインが出たら、立派な聞き役。 聴いたあとは、専門的な人にバトンタッチをするのが良い。。(メンタルヘルス,医療スタッフ)一人で対処しようとすると、よい結果は生まれない。
8,ストレスがかかると、ふつう胃潰瘍になるが、喘息のひとはまず喘息の発作が出てくる。併発はしない。
薬剤をもちいて、発作を取り除くのがいい。
9,趣味のすすめ
思考力や解析といった左脳を使う趣味は良くない。
右脳を使う、手紙・絵・楽器・オートバイ など一心不乱になれる趣味がいい。ストレス解消にいい趣味。