紙の本
「メタボ」監視社会への批判
2008/11/27 20:56
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
「メタボ」をキーワードとして検索すると,メタボリック症候群の存在を当然の前提としている本がおおいことがわかる.そのなかで,この本は「メタボ」基準に根拠がないことを批判し,「メタボ旋風」にのせられるとかえって病気になる危険さえあることを警告している.
著者は末尾でカステルの議論を引用しながら,現代においては健康管理も個人にまかされていた「規律訓練」から人々を全体として管理する「ポスト規律訓練」に移行していると指摘する.それは,いたるところに監視カメラが設置される監視社会への移行にもつながっているといえるのだろう.
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[ 内容 ]
健康が国民の“義務”となった健康至上主義社会の中、リスクを目に見えるウエストにした巧妙な仕掛けと、無責任に煽り、国の片棒を担いだメディアのおかげですっかり市民権を得た日本のメタボリックシンドローム。
ところがその実体は、でたらめだらけの欠陥商品。
世界からは相手にされず、特定健診は自治体の支持が得られず、基準の基になったデータには捏造の疑惑も。
孤立した日本のメタボ対策は、健康被害を生み、保健行政を破壊し、病人を排除するだけだ!
「健康な人」を「病人」にするメタボの仕掛けと狙いを暴く。
[ 目次 ]
第1部 メタボ基準の非科学性と罪業を暴く(不可解なメタボ基準 ちょっと太めでコレステロール高めが長生き 本当の「危険」は薬剤にある)
第2部 メタボ健診は病んだ厚生行政の産物だ(「メタボ健診」をめぐる噂の真相 矛盾だらけのメタボ健診 目的は国民の健康より医療費削減)
第3部 メタボ概念を取り巻く社会の“思惑”(“ヘルシズム”とメタボの流行 “近代医学”がみる“病気”の概念 “国家”が創作する病い)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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目からウロコ。良本。
ただ単に、国の言うことを聞いているだけじゃあ駄目なんだなぁ。
まぁ腹囲に関しては、当初からかなり疑いの目がむけられてましたけどね。
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物事は一面だけを見ては駄目でいろんな角度から見なければいけないですね!私はこれまでお医者さんの言われることは正しい・守らなければという感覚が中心でした。いろんな本を読んだり、話を聞いたりすると、180度違うこともあり、自分がしっかりすること、自分が決断することが大切と思ってます!①コレステロール低下剤や血圧降下剤は軽々に服用してはいけないと感じました。免疫力が下がり感染症、がん、筋肉傷害、神経障害に。②成人病から生活習慣病へは個人責任論への転嫁③現代の医学は「病気対応」から「リスク対応」へ。