紙の本
面白い切り口
2017/02/23 19:13
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
お二方とも紫式部に対して けっこう厳しい視線を向けてますね。源氏物語の根底に流れる女のドロッと湿った部分にバンバン踏み込んでおられます。
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源氏物語の研究かである山本氏と 此度訳者となった林氏
との 対話形式の文章でした
源氏物語の概説
人物関係 当時の世界観など
雑学的に幅広く 取り上げられていました。
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高校の授業で原文のさわりを掠り、夏休みに与謝野源氏と谷崎源氏を読破してから「源氏」とお付き合いしていない。平安期のドンファン、なにがいいんだかこんな男はあまり好かんぞ・・宇治十帖がいいな程度のイメージでした。
源氏物語は、「物語」の古典であり最高傑作だという評価だけでなく往時の貴族社会、政治、その他もろもろを知ることができる宝庫なのだと語るお二人。時間的余裕ができたら、どこぞの講座でも受けて「源氏」に浸るのも悪くないかも。
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【著者はこんなひと】
・林真理子さん
作家 直木賞受賞作家
・山本淳子さん
平安文学研究者。京都学園大学教授。
【だいたいこんな本】
源氏物語の書かれた背景や人の生き方について詳しく書かれた本はいくつかありますが
これは、林真理子さんの素朴な疑問に対して
紫式部の研究者である山本淳子さんが当時の時代背景等を説明しながら
回答していくという対話形式の本
【読んでみて、こう感じました】
とても読みやすく
二人の会話に引き込まれました
明石の君を通しての平安時代の女性の幸福論
光源氏のセレブライフ
平安美人の条件
などなど、ちょっとゴシップネタっぽいところも面白かったです
これを読んで「明石の君」が好きになりました
そして林真理子さんもおっしゃっていましたが
「顔を見たこともない男女が愛し合えるのか」という疑問が
解決されました
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林真理子さんの書いたものなら、入りやすいかなと思ったのですが、専門家との対談ということで、いまひとつでした。図書館予約数は24(09/08/06現在)です。
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源氏物語にまつわるあれこれが分かりやすく解説されていて
著者2人の源氏物語に対する熱い想いが伝わってきます。
田辺聖子さんの新源氏物語を読んだのも、ずいぶん前のこと。
久しぶりに読み返してみようと思っています。
http://ameblo.jp/lapis-lazuli2008/entry-10633526485.html
こちらに↑ この本の感想を書いています。
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女流小説家(林真理子)と女性源氏研究者との対談でした。大して目新しい内容はない。平安時代の『物語』は当時ではサブカルでマンガ・アニメ的な格付けだったそうです。やっぱりね。あ、それから本書によれば『林源氏』のオファーがあるらしいですよ、貪欲だなぁ林真理子。女性源氏研究者が再三にわたり、「本書をきっかけに源氏読者が増えることを願ってやみません」的なことをおっしゃるのですが、そもそもわざわざこの本を読むのは源氏フリークしかいないっての。
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さらさらっと読めて、ちょっとスキャンダラスな物言いのところも多いのでわくわくします。むかし源氏物語は漫画で挫折したけど、誰かの訳で読んでみたくなってきたなー。
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大人のオンナ2人が源氏物語について語る。
大学受験のときにあらすじ解説本を読んで内容は知っていましたが、今受験のためではなく、教養として源氏物語を読みたいです。
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林真理子が源氏物語を下敷きにした小説を書くに当たって、ものすごい勉強を重ねたそうだ。その一部を、平安文学研究の大学教授との対談という形式にて、開帳してくれたもの。源氏物語ってなぜかすごくあこがれる。でもマンガで読んでもイマイチ人間関係から何から覚えられない。そんな私にもいよいよ源氏を理解できるのかもしれないって思ったけど。貴族はセレブという単語に置き換えてみることで、身近に感じられるような工夫がされているのだけど、光源氏がセレブってな〜。いかにも林真理子な語彙を使ってるなと思っていたら、山本教授までが、いわば、ロマンチック・サスペンス・サクセスストーリーですね。とか、儀式やパーティーの時…云々…ステイタスだったのです。なんて発言なさる。身近になったというより、なんか急に下世話になった気がして、ナンダカナ〜て私は思っちゃったけど。でもある意味、イメージが具体的になったのは確かだ。
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源氏物語といえば高校の古典の授業で少し勉強したくらいで殆ど覚えていません、作者が紫式部で光源氏のプレイボーイ振りを語っていたという程度の知識です。ところが何年か前に漫画(あさきゆめみし)がヒットしたこともあり気になっていたのも事実です。
この本は作家として有名な「林真理子」さんと紫式部の研究者である「山本淳子」さんとの対談本です。この本が書かれたのは2008年で、源氏物語が書かれてから丁度1000年経ったのを記念して発行されたようです。
源氏物語は今まで多くの有名な作家によって解説本が書かれているようですね、1000年もの間ロングセラーを続けている本が日本にあることは誇りですね。
平成になって書かれた解説本が「あさきゆめみし」なのかも知れません、最初から古典や明治辺りに書かれた本だと挫折する可能性もあるので、まずは柔らかいモノからトライしてみようと思いました。
以下は気になったポイントです。
・源氏物語は、たった一作で「物語」を抜け出し、ジャンル全体の歴史を塗り替えた記念碑的な作品である、その理由は、それまでになかった「リアリズム」、現実の事柄を記す書き方(p15)
・物語で作者が残っている源氏物語は驚くべきこと、理由は、格の低さと、語られるというあり方(原作が変えられることを前提としている)による(p16)
・人は死んでからスーパーパワーを持つもので、生きている間は恨みを貯めるだけというのが当時の考え方(p48)
・天皇の子で有能でも実力者の後見がなければ皇位を次ぐことができないというのが平安時代の政治、母の実家の勢力が強く、他の貴族たちの賛同を得て国の政治ができることがポイント(p50、183)
・紫式部が一番愛情をもって書いている女性は、若紫(紫の上)、彼女は命をかけて光源氏を脱俗と出家に導く存在であった(p59)
・光源氏を引き立てるライバルとして「頭中将」「髭黒の大将」や光源氏の息子である「夕霧」(p63)
・当時の結婚は「通い婚」であると言われているが、最初はそうであったがやがて一軒の家を構えた(正妻との場合のみ)(p69)
・光源氏という発想の根源になったのは宇多天皇、清和天皇の子である陽成天皇が不祥事を起こして退位したとき、光孝天皇が後を継いだが、自分に野心がないことを示すために息子を全員源氏姓にしたのが始まり(p84)
・物語でもない歌でもない、全く新しいジャンル(エッセイ)=枕草子を書いた清少納言と、紫式部ばほとんど同じ時期に現れたのは奇跡に近い(p109)
・光源氏の給料を平成3年物価に換算すると、年収4億円、天皇はその倍額、その代わり下級役人の給料は安い(p120)
・国家公務員は厳密に30の身分に分かれていた、そのうち5位以上の人びとを貴族と呼んだ、なかでも頂点に立って政治を執るのが、大臣・納言等の30人程度の公卿、公卿の子には優遇制度があって多くは世襲であった(p124)
・高貴の人の顔は似せ絵にしな��というのが暗黙の了解、身分の低い人はリアルに描かれていた(p127)
・恋文こそが、女性をものにするために男ができる唯一の手段であった、貴重な紙に筆で思いの丈の歌を書いて香を文に焚きしめる、文を開いた姫君は、その歌・書・香で、男のセンスを測る(p133)
・皇族は、摂政・関白・大臣のような政治を動かすような役職に就けないことになっていた(p142)
・源氏物語は世界一のロングセラー小説であると同時に、世界最大のベストセラー、源氏物語があこがれの書であったことは徒然草(鎌倉時代)や室町時代の能からも分かる(p159)
・源氏物語に書かれているのが、天皇家や摂関家といった公家文化の頂点の記録であった、1159年の平治の乱で京都で市街戦が展開、その後の地震や遷都により平安京の面影はなくなっていった(p171)
2010/10/31作成
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林真理子と源氏物語の研究者山本淳子の対談がメインになっていて、わたしはもっとはじけたというかエキサイトした感じを期待していたのだけれど……。ちょっと気取ってるというか、なにかグラビア雑誌の対談でもそのまま書き起こしたのかというような感じで。細かい部分では、知識としてなるほどと思うところもいろいろあったけれど、すごく印象に残ったっていうことはなかったような。ひとつ、光源氏って、ひたすらいつでも美男子ーー!って印象だったけれども、若いときはそれは光輝くようであったけれども、中年以降はそれなりにトシをとってオヤジになってたんだな、っていうのが実感としてわかった気がした。でも、まだまだ奥が深いな、源氏物語。
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夢枕獏『翁』を読んでから少しだけ興味を持った『源氏物語』のガイド本。当時は全く興味を惹かないでいたが、2008年は『源氏物語』千年紀にあたっていて、ちょっとしたブームだったようだ。とりあえず林真理子氏の『六条御息所 源氏がたり』を読んでみたくなった。
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平安文学研究者の山本淳子さんと、ここ何年か源氏を手掛けてる林さんの対談集です。
林真理子っていうとミーハーで軽い感じだけど、本人はそれをよく分かっていて、研究者である山本さんに今更聞けない、というよりは、ちょっと下世話な、でもギモンだったりすることを質問してくれて、役割としてはバッチリでした。
内容はあっさりと、深いところまで突っ込んだりはしていないので研究本としては物足りないし、現在手掛けている源氏の執筆裏話なんかもなく、一瞬内容薄いなーと感じます。
が、こういう話も悪くないんですね。
また、それとは別に、構成力のすばらしさについてさらりと語ってくれたのもよかったです。
私は大学で源氏を勉強したり研究本を読んだり、そういうことはあまりしていなくて、現代語訳の読み比べや、平安時代のしきたりや政治的な時代背景を知る方の勉強をしていたので、こういうことには疎かったからかな。新鮮でした。
例えば、
・玉鬘の現れる前の朝顔の巻では、源氏はしっかり「現役」。が、その後の若菜上では女三宮にとって夢中になれる相手ではなくただの庇護者でしかない。その間のクッション役が玉鬘の巻である。玉鬘と恋が始まりそうで始まらない、そうこうしているうちに黒髭にとられてしまった・・・もう光源氏は恋の主役にはなれないよ、ということを、本人にも読者にも気づかせている。うまーい!
・「源氏物語」は前の話を少しづつ変えて、変奏曲のほうに繰り返されている。
「身代わり」・・・藤壺は桐壺の、紫は藤壺の、浮舟は大君の。
「死別」・・・桐壺帝は桐壺更衣と、光源氏は紫と、薫が大君と。
「密通」・・・夕顔が紫を(垣間見るだけだけど)、源氏が藤壺と、柏木が女三宮と。
因果応報のように重なりながら物語が綴られていく・・・わかってたけど、構成として改めて指摘されると壮大さに感動~
山本さんの他の本を読んでみたくなりました。分かりやすいしお上品だし気に入っちゃった!
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図書館の一番奥にある源氏物語コーナー。さて、その趣旨を皆さんはご存知だろうか。郷土の偉人下田歌子が、女子教育に取り入れていたこと、さらにその恵まれた容姿と才能から「明治の紫式部」と呼ばれていたことから源氏物語関連の本を集めております。この本は対談集となっており、たいへん読みやすい本です。源氏物語に初めて触れる方には入門書として、すでに内容を知っている方にはさらに理解を深める本として、ぜひどうぞ。そしてさらに興味がわいた方は源氏物語コーナーをご活用ください。