紙の本
その後の桐野作品につながる毒の萌芽
2022/10/17 10:41
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
イヤミスの表題作をはじめ、それぞれに毒を孕んだ7つの短編集。
全体的に気持ちの良い内容の話はなく、桐野ファンでない読者には、刺激が強い気がする。本当に読後感は悪く、結末が考えても分からない作品もある。
読み始めたときは、気持ち悪いし怖いし、一篇読んでやめようと思ったが、読み続けると抜け出せなくなった。7作品のどれもが気持ち悪く、比類ない作品と言えよう。
興味深いのはいずれの作品も、後に別の長編作品に発展していること。ああ、この作品はあの作品…などと考えながら読むのも良いのでは。
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相変わらずとことん人の(特に女の)汚いところを書きますね。汚くてダメで劣等感も半端ないそんな女たちばかり。救いも未来もない話が多いですがそれでもしぶとく生きている彼女たち。手に取らずにはいられないそんな作家の一人です。
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11/30 解説には「柔らかな頬以前と以後を結ぶ作品集」とあったが、あたしにとっては桐野さんはずっと一貫して『女の業』を描いてきた人だ。当然これも。永遠にかっこいい、夏生姐さんって感じだす。
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桐野夏生は相変わらず容赦なく、人々(特に女たち)の裏側の潜む悪意を、これでもかと掘り起こしてくれる。殺人や犯罪が出てくるし、語り口は円ターティメントなのだけれど、描出する世界は「心」の問題だ。表題作「アンボス・ムンドス」の主人公達が追い込まれる運命には、思わずわが身を重ねてしまった。
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短編集
桐野夏生の心理描写はいっつも感心する
実際の事のように思えてくる
女ってこんなだったっけ
12.12-12.14
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ずっと読もうかどうか、迷っていた作品。
女性の奥底に潜む毒を描いた7つの短編を描いた作品。
相変わらず、女性の毒の描写は絶品!
しかも出てくる女性陣がホント後ろ向きで、性格が悪い。
なのに、何故か共感できるから、やっぱり凄いっ!
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短編集とは思わず購入。
悪くないけどなぁ・・・,どうも,こう,人間の悪い部分を意図的に描き出そうとする意図が見えてくる感じがして・・・。
言葉は違うけども,小説自体が偽悪的または悪を演じているように思われるのです。あくまで単なる印象ですが。
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にょろ。男としては女性がひどく恐ろしく見えてくるのだけれど、女性の人はどう思うのでしょうか。果たして自分が女性だったら、桐野作品は読み進めることができるのか、大いに疑問。
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全て女性を主人公にした短編集。
相変わらず、人間の心の襞を描写させたらぴか一の桐野夏生氏。
あっという間に読み切り、楽しめたが、ちょっと物足りない気がした。
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さすがは桐野夏生。年々黒々としていく感じがします。
短編集ですが、私は表題作が一番好きでした。
読んでると心が荒んでくるんだけど
なぜか彼女の作品はぐいぐい引き込まれてしまう。
何が好きかって、作品とは対照的な彼女の美しい描写が
とても好き。
大事に大事に読んでしまいます。
もう一回読みます。
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どれもこれも内容が薄い気がしてあまり面白くない。最初のアンボス・ムンドスはまぁまぁ面白かったけれど、それ以外はどれも中途半端な印象。桐野さんは短編も好きだけれど、これはちょっと残念な感じだなぁ。
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短編集。コンプレックスを持った女性の感情とか
小学生女子の無邪気と未熟の感情とか。いろいろな
醜いところを描いているのが、段々と不快になってきた。
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女性の闇の部分は意外とこんな感じなのか!?
男からは衝撃的な一面でしたが、大変勉強になりました。
短編集でとても読みやすかったです。
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桐野夏生氏による短編集。
どの作品も毒素たっぷり(笑)なのだけれど、
やはり標題作の「アンボス・ムンドス」がいちばんでした。
主人公は元・小学校教師の女性。
不倫関係にあった教頭と海外旅行に行っているあいだに、
担任していたクラスの女子生徒が事故で亡くなってしまう。
亡くなったのはクラスのなかで嫌われていた、
リーダー格の女の子。
事故を装って同じクラスの女子たちに殺されたのでは…
という疑問が、
当事者たちと話をしていくうちいつしか、
実は嫌われていたのは担任だった自分で、
教頭と海外旅行に行くことを感づいた女子生徒たちが
自分を困らせるために結託して、
ちょっとした騒ぎを起こすだけだったはずが、
結果としてリーダー格の女の子が、おそらく事故で
亡くなったのではないか…という確信へと変わって行きます。
何で桐野氏は、こんなにリアルで残酷な物語を
書けるんだろう…。
出来れば短編でなく、長編で読んでみたかったかも。
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桐野夏生はどんどん容赦がなくなってきているような気がする。
小説として面白いけれども救いがなくて読むのが辛かった。
解説にある「現実を虚構で凌駕したい」という一文で納得した。