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紙の本

子供は親を越えられない、という好例です。共著ということで曖昧にしていますが、フランシス一人で書いていた時のレベルには及びません。子供との共著をやめてみたらどうでしょう?

2009/05/20 20:07

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

あまりのカバーの変身ぶりに、思わずロバート・B・パーカー『容赦なき牙』の評で

先日、ディック・フランシス『審判』のカバーデザインを見ながら、なんだかしっくり来ないなあ、と思っていたら今まで亡くなった辰巳四郎のデザインを使っていたのに、今回はそれを止めたようで、担当者が変わっていました。でも、この『容赦なき牙』はフォーマットデザイン/辰巳四郎、AGE/PPS通信社、装幀/ハヤカワ・デザインとあって、とてもスッキリ。

と書いてしまった、当の本がこれです。装幀/松昭教、カバー写真 Purestock/Getty Images、Stockbyte/Getty Images と素材はいいのかもしれませんが、辰巳デザインの足下にも及ばない、っていう感じです。私は、帯の言葉でシリーズものでもないのに「シリーズ最新作」って書くことには反対しますが、ある作家の作品のパッケージを統一する、っていうのは正しいと思います。

このお話、何故かエピローグはありません。これは感覚の問題かもしれませんが、手紙を「拝啓」で始めたら「敬具」で終えるように、プロローグがあればエピローグをつけるのが正しい作法だと思うのですがいかかでしょう。ちなみに、最近、プロローグなしでエピローグがあるポール・アルテ『七番目の仮説』のようなものもあります。うう、なんていう礼儀知らず・・・

で、フランシスは2008年10月で88歳。息子のフェリックスとの共著とあとがきにあります。つい先日、大好きだった泡坂妻夫さんの訃報に触れたばかりで、泡坂が75歳で逝ってしまったことと比較すると、フランシスの健在ぶりはなんなのだろう、と詰まらないことを思ってしまいました。全く関係ない場を借りて、泡坂さんのご冥福を祈らせていただきます。

閑話休題。今回も競馬が中心にありますがシリーズものではありません。主人公はジェフリイ・メイスンという次の誕生日で36歳を迎える法廷弁護士ですが、夢は騎手になることで、そのため今も年に十数回だけ騎乗するアマチュア騎手で、騎手になって14年になる、というのがミソです。

海外のミステリにそんなに詳しいわけではありませんが、こういう設定は他に例がないと思います。でも、妻のアンジェラを七年前に亡くし、その傷が今も癒えない、というのは内外を問わず最近の流行ではないでしょうか。最新作ではありませんがニーリィ『亡き妻へのレクイエム』、ゴダード『還らざる日々』、キング『リーシーの物語』も亡くなった伴侶に対する想いが話の展開に欠かせない要素になっています。

あとはカバー折り返しの内容紹介の力を借ります。

弁護士のジェフリイ・メイスンは、法律事務所に
勤務しつつ、休日はレースに出場するアマチュア
騎手。ある日、トップ・ジョッキーのバーロウが
干草用のピッチフォークで串刺しにされるとい
うショッキングな殺人事件が起き、ライバル騎手
のミッチェルが逮捕された。あくまでも濡れ衣を
主張するミッチェルだったが、被害者と犬猿の仲
であったことは周知の事実で、凶器が本人のもの
であったこと、被害者の携帯電話に彼の名前で脅
迫メールが送られていたことなど不利な状況証拠
も揃っていた。騎手仲間であるメイスンは弁護
を依頼されるが、その直後から「弁護を引き受け
てわざと負けろ」という奇妙な脅迫の電話やメー
ルが届き始める。恐怖と職業倫理の間で揺れ動く
メイスン。時同じくして、彼は事務所の前で待ち
伏せしていた男にバットで手ひどく殴りつけら
れる。暴漢はかつての依頼人トレントという男
で、有罪になったことを逆恨みしての凶行だっ
た。トレントの報復とバーロウの殺人事件には何
らかの関連が?真実を白日の下に晒すため、そ
して自身の誇りを取り戻すため、満身創痍のメイ
スンは法廷に立つ!
           *
競馬シリーズの興奮にリーガル・サスペンスの
醍醐味を盛り込んだ巨匠フランシスの意欲作。

です。読んでいて脳裏をよぎるのが我が国でも始る裁判員制度。この話では、証人の証言が覆ったり、明らかに有罪だと思われる被疑者が、陪審員の評決で無罪となってしまいます。その背景に、被疑者の家族から陪審員に対して暴力による脅迫があるのですが、これは日本でも起こりうることとして、真剣に読まれるでしょう。

つい先日も、日本で被疑者が被害者を法廷で脅迫するというニュースが流れました。無罪になったら、ではなくて刑務所から出たら、かならずお礼参りをする、何度でもやる、と被疑者が被害者に面と向かって言ったということですが、これも充分起こり得ることだと思います。そういう意味で、今の日本人には読んでいて怖くなるようなお話です。

とはいえ、それは通奏低音部分で、旋律にあたるのは、主人公がよく知っている騎手仲間から、弁護を頼まれる話です。依頼人はスティーヴ・ミッチェルというチャンピオン・ジョッキーです。彼はことあるごとにバーロウという騎手をを悪人呼ばわりして着ましたが、そのバーロウが殺されました。しかも彼は自分が依頼した弁護士に真実を語ろうとしません。これと冒頭の暴力事件がどうつながるか、がポイントです。

で、長い間フランシスを読んできた私には、やはり息子のフェリックスが足を引っ張っている、という気がします。特に主人公と女性との関係の進展具合が安直なんです。無論、人目惚れというのは何時の世にもあり、出会いが全てというのは分かるんですが、肉体関係に入るまでがあまりに安直で、しかも描写が直裁です。それはフェリックスが協力した2007年出版の『祝宴』にもいえます。

それが現実の反映であるかどうかが問題なのではありません、ディック・フランシスだったらこうも安直に、あからさまに書くことはなかっただろうな、私はディック・フランシスの話の進め方のほうが好きだな、と思うのです。それと主人公が暴力を振るわれながら、それを誰にも言わずに逃げ回っている、そこが不自然に思えてならない。

彼が犯罪者であれば分かります。或は親にものごとを押し付けられたら黙ってしまうような人間であれば、それも分かります。でも、彼は親の願いを無視して騎手を目指し、弁護士になっても騎手を続けるなど、ある意味、人の言うことを黙って聞くような玉ではありません。まして今現在、弁護士でしょ。

恐怖による支配に屈する、というのは分かるんです。でも、だからこそ警察でしょう。それを避けるのが分からない。そしてもっと理解できないのが、自分を脅迫している相手の動向を何時までたっても探ろうとしないことです。素人ではありません、弁護士がですよ。誰が暴力の背後にいるのか、何故か、そこに目を向けない。

ディック・フランシスが書いたであろう2006年の『再起』と、フェリックスとの共著として2007年に出された『祝宴』との間にある作品の質における断絶を確認してみてください。ディック・フランシスの名前で売ろう、という戦略はわかりますが、逆にこれでは過去のディック・フランシス作品を貶めるのではないでしょうか。親の名前を利用するな、フェリックス!

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2009/09/26 15:48

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2010/09/10 15:23

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2009/03/05 09:02

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2009/03/01 09:00

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2020/03/20 10:49

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