紙の本
漱石と、夏目房之介の漫画論が読みたくなってしまう1冊
2009/06/19 20:20
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
文字通り、孫「夏目房之介」が漱石を読んで、の論評ってよりエッセイ。
ま、どんな人でも孫にとっては、じいさんなんだなと。つか、父が9歳の時に死んだ、孫としてはまったく面識のない祖父を恋うというか、思うというのは、なんだかんだと普遍的なんだなと思った。
とはいえ、新しい発見も多々ある。
なんといっても、時系列として作品を並べているので、作品とそれを書いた時の漱石の環境というものが、しかも、普通の生活の目の高さでわかるところが大きい。
また、悪妻とよく聞いていた鏡子夫人の漱石への愛情には、胸が熱くなった。
きっと、この夫人がいたから、夏目純一というヴァイオリニストになり、房之介という孫につながっていくのだろうなと感じた。
房之介氏のマンガ論評はよく読んでいるが、彼の論評の素晴らしいところはその漫画への愛が常にあふれてるところだと常々思っていた。そして、このエッセイを読んで、この漱石から連なっていく夏目家がこういう愛情深いものを育て上げたのだなぁと思った。
また、漱石が読みたくなりました。
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夏目漱石の直系の孫である夏目房之介が、祖父の代表作を読み解いていく。
漱石と言えば、紙幣にも肖像が使われているほどの、日本を代表する国民作家である。
そうした「古典」を読み解くさいには堅苦しい賞賛やもしくは非難に陥りがちになる。
書物というものは書き手と読者の関係性の上に成り立つモノだから、論じる場合にどうしても賛否どちらかに寄って立つ場を持ってしまうことを避け得ない。その点、本書は却って孫であったからこそのニュートラルな視点で著作の評価がされていると思う。
おかげでこれまでよりも漱石を身近に感じることが出来た。
今まで漱石はあまり読んでなかったけれど、代表作は是非読んでみようと思った。
だって漱石や房之介が抱え、格闘していた問題意識は最近自分でも実感する事ばかりだから。
これから漱石入門する際のガイドブックとして適切な一冊だと思う。
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おもしろい!!!!
祖父に軽いコンプレックスを抱きつつもうまく一緒に生きていこうとしてる夏目氏
ひとつひとつ丁寧に自分の作品への見解を述べてて、夏目作品を知ってるならクスリとくる表現も多し。
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文字通り、孫「夏目房之介」が漱石を読んで、の論評ってよりエッセイ。
ま、どんな人でも孫にとっては、じいさんなんだなと。つか、父が9歳の時に死んだ、孫としてはまったく面識のない祖父を恋うというか、思うというのは、なんだかんだと普遍的なんだなと思った。
とはいえ、新しい発見も多々ある。
なんといっても、時系列として作品を並べているので、作品とそれを書いた時の漱石の環境というものが、しかも、普通の生活の目の高さでわかるところが大きい。
また、悪妻とよく聞いていた鏡子夫人の漱石への愛情には、胸が熱くなった。
きっと、この夫人がいたから、夏目純一というヴァイオリニストになり、房之介という孫につながっていくのだろうなと感じた。
房之介氏のマンガ論評はよく読んでいるが、彼の論評の素晴らしいところはその漫画への愛が常にあふれてるところだと常々思っていた。そして、このエッセイを読んで、この漱石から連なっていく夏目家がこういう愛情深いものを育て上げたのだなぁと思った。
また、漱石が読みたくなりました。
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漱石の読み方として目新しいものが提示されている訳でもないですかな。
長旅のお供としては良かったですが、印象には残らなさそう。
唯一『硝子戸の中』の再読のきっかけを与えてくれたことには素直に多謝。
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「言わせれば本当の自分など」のところにはこけたが
孫が読むというタイトルに偽りなく
また広く読みやすい作品ガイド
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下から目線の好著。漱石のお孫さんであるというだけで、おそらく苦労も多いに違いない。学校に行ってみると教科書に出て来るオジーちゃんの小説。たとえば、学校の先生方が意味ありげに講釈する「こころ」。「何、自分勝手な思い込みに浸ってるんだ」と先生たちにも、オジーちゃんにもうんざりする。
そうはいっても、読まないわけにもいかない。開き直って、オジーちゃんのお仕事を端から端まで読み通した。そして、こんな本ができた。
人に読ませられるほどのものかどうか、オジーちゃんの顔に泥を塗ることになるんじゃないか。いろいろ気がかりなご様子。
ご心配なく。中々な出来上がりですよ。あとはブログでどうぞ。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/201910110000/