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手塚治虫ご本人は、この作品を書いた動機について、「ガラスの地球を救え」の中で、次のように語っています。
「当時の状況を体験として、つぶさに知っている人間は、若い人たち、子どもたちに”戦争”のほんとうの姿を語り伝えなくては、また再び、きな臭いことになりそうだと、ぼくは不安を抱いています。
”正義”の名のもとに、国家権力によって人々の上に振り下ろされた凶刃を、ぼくは目の黒いうちに記録しておきたいと願って描いたのが『アドルフに告ぐ』なのです。」
作品そのものは一級のエンターテイメントなのですが、作者の熱い想いを知ると、ひとコマひとコマが重みを持って伝わってきます。
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Australia時代に初めて読んで以来、文庫サイズで出ていたので大人買いで改めて読んだ。
やはり、やはりおもしろい!手塚さん55〜57歳の作品だということだが、最後の最後までよく練られた構成で
タイトルである「アドルフに告ぐ」がとてもしっくりくる。
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第二次世界大戦前後、ナチスの台頭から終焉までを背景として、日本とドイツで繰り広げられる人生劇場。アドルフ・カウフマン、アドルフ・カミル、アドルフ・ヒットラーの3人を主軸に添えた、ドイツ人、ユダヤ人、そして日本人の悲しい物語。手塚治虫作品の中でも最も頻繁に読み返す作品のひとつです。文庫本に収録されている、関川夏央による解説が秀逸。
今年2008年は手塚治虫生誕70周年。『アドルフに告ぐ』に限らず、改めて各作品が再評価されることでしょう。
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普段めったに漫画を読まないが、これは名作と言われる所以がわかった。
話としては、アドルフ・ヒトラー、ユダヤ人のアドルフ、ナチのアドルフという三人のアドルフについて、主にナチのアドルフの視点から描かれているというもの。
時代背景、衝撃の事実をめぐる手に汗握る攻防など、
実際にあったかのようなリアリティが存分に出ている。
さすがは手塚治虫と言わざるを得ないだろう。
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やっぱり手塚治虫様は神ですね。
本当に神ですね。
この最後の展開には鳥肌。
いいひとが次から次に死んで悲しかったなぁ。
これはぜーったい読んで欲しい漫画です。
日本の誇れる漫画!!
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狂気。分かりあえないなんて事はないと信じたい。憎むべきは人ではなくそんな人を生み出してしまった背景。
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8月6日に向けて読んだわけじゃないけど、いいシーズンに読んだ。夏マンガだなぁ。次はどの手塚マンガを読もうか。。これを機に少しマニアックな方へ踏み出そう。
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歴史の大きな流れには抗えないし、人間なんてゴミのように死んでいくんだろうが、その中でどう生きるかは個人の意思というか選択として僅かに残されてるんだろう。流石に最終巻は重かった。漫画だからいいようなものの、映像だたらかなりキツカッタかも。ここは漫画の功罪なんだろうが。
それにしても、ナショナリズムも民族主義もホントウザイね。何かを信じたり、組織に守られる生き方は楽なのかもしれないが、自分は組織とか誰かとかXX主義とかXX教とかに忠誠誓うなんて御免だし、そんなのに縛られて(時には争ったり)生きるのも勘弁。自由に勝手に生きたいよ。(が、そこに待ってるのは自由の奴隷か?)
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最後の結末が悲しすぎる・・・結局暴力の連鎖は断ち切れず。結局人は何をよりどころにして生きてるのか・・・本当にこれを私たち求めているのかなあと思う。
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4つまとめての総評。
物語としてそれなりに楽しめた。
史実と比べていろいろ言いたい人はいそうだけどノンフィクションじゃなし気にはならん。
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1〜4巻まで一気読み。
読む前から、過酷な展開だろうことは分ってはいたが、
最後、被害⇄加害の構図が逆転するまでの構成には唸った。
狂言回しの峠は、いつも前向きで生命力があり、みずみずしい良い男だったが、レイプ加害者であったり、一辺倒な正義主義でないところが、鋭くて厳しい。
強制的な教育によって歪められた“アドルフ”少年の姿は見ていて苦しいものがあった。
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小さい頃、「火の鳥」で恐い描写があった記憶から、
食指が動かなかった手塚治虫作品だが、
これを機に読んでみたい気が俄然してきた。
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スパイ・ゾルゲの自白。カウフマン夫人と峠、ナチスSDとして平然と迫害を遂行するカウフマン少年。それぞれの人生が進展している。しかし、追い詰められたヒトラーが死に、日本本土空襲で峠は最愛の由季江を失う。ヒトラーの密書は彼が死んだ後に発見され、カウフマンに「茶番だ」と言わしめているが、戦争の悲惨さと愚かさが象徴されている。
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1~4まで次が気になり一気に読めた。
3人のアドルフの話。
といっても、中心はドイツ人と日本人のハーフであるアドルフ・カウフマン少年とドイツ国籍でユダヤ人のアドルフ・カミエル少年。ともに神戸の街で暮らす親友だったふたりだが、その後カウフマンドイツに渡ってヒットラーの側近になり、多くのユダヤ人を殺し、戦後はユダヤ人のナチスの残党狩りから逃れて中東に渡り、パレスチナ下痢さの仲間に加わる。か見るは日本で母を失い、戦後イスラエルに渡って軍人になり、また多くのパレスチナゲリラを殺す。
峠草平のという元新聞記者を中心に手に入れた極秘文書を巡って物語が展開。
日本の戦時中、戦時下の様子、世界情勢なども分かり、読み応えがあった。
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四冊通じて、ヒトラーとかナチスのことが少し理解できた。何年かに一度は、読み返して、さらに知識を深めたい。
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一見繋がりがない登場人物の人生が交錯していく様はとても読み応えがあり、まるで小説を読んでいる気になりました。
立場、思想が人を突き動かす原動力、とりわけ狂信的な時代を生きていたことを想像することが少しでもできました。
そして人は勧善懲悪ではないということを学んだ書籍でもありました。そう、当たり前のことではあるが、正義が相対的なものであるということを学ぶのには良書だと思いました。