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紙の本
見て読むオバマ
2009/05/24 11:17
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:半久 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タテ28.5センチ、ヨコ21センチの判型に、大判の写真をふんだんに掲載していて臨場感のあるビジュアル本だ。オバマの祖父母や両親、ミシェル夫人と子どもたち、オバマを支持する民衆と仲間たち、ライバルとなる政治家らのいきいきとした群像が活写されている。もちろん、主役は大統領本人だ。
記事は、オバマ大統領の「地元」にあるシカゴ・トリビューン紙の記者たち15名が何ヶ月もかけて書きあげたものだ。新聞記者の典型といってもいいかもしれない、しっかりとした文章で読ませる。
最近、「新聞の役割は終わった」といったような発言を耳にすることがある。たしかに、ネットなどにも優秀な「書き手」は現れていよう。しかし、圧倒的な取材力をもつ新聞社のパワーを生かしたジャーナリスティックな文章を書かせたら、まだまだ新聞記者に「千日の長」があるのではないだろうか。
トリビューン社は2008年に破産法を申請したということなので、苦境にはあるようだが。
内容だが、これらの記事が語る一貫したテーマは《オバマの理想主義と現実主義との緊張関係》だ。たんなる変節漢ではない複雑なオバマの「人格」。その形成の軌跡を、ルーツや幼年期からていねいに追っている。オバマ本人へのインタビューや数百人の関係者に対しての取材、数え切れないほどの記録、これらを再構成することで「緊張関係」に鋭く迫っている。そしてそれは、「オバマの真実」に一歩でも近づこうとする記者魂の顕現でもあるのだ。
「共和党寄り」という噂のあるシカゴ・トリビューンだが、本書からはとくにそれは感じなかった。オバマが子供や青年時代の話を脚色しているのではないかという指摘をしているが、糾弾調のものではなく冷静な筆致だ。
本書は、オバマ大統領の伝記物として、本人や多数の証言者の話を読んでいるだけでも楽しい。イリノイ州での活躍もよくわかる。
そして、民主党の大統領候補指名を受けようとする予備選挙での奮闘がハイライトだ。合衆国大統領受諾演説がクライマックスになる。
迫力のビジュアルとテキストで、あなたもアメリカに吹くChangeの風を実感してほしい。
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