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グリーンフィンガー 約束の庭 みんなのレビュー

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みんなのレビュー15件

みんなの評価4.3

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15 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

打ち込めることを見つけることが、生きる力になった。

2009/12/28 00:05

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

図書館の児童書の新刊書架で、
表紙に惹かれてたまたま手に取った本書だが、
見返しにこんな言葉が書かれていた。

   夜寝るときにママが読んでくれる絵本は、
  どれも大好きだった。

  ページの下にあった、くねくねした黒いものを
  気にとめたことはなかったけれど。

  それが、自分で本を読むときになってはじめて、
  くねくねしたものこそが大事だと気づいたのだった。

   字が読めないコンプレックスや両親の不仲のために、
  ケイトは心をかたく閉ざしていた。

  だが、ある老人との出会いをきっかけに、
  植物を育てる楽しさに気づく。

  荒れた庭を再生し、ケイトは、
  庭仕事をとおして自分なりの生き方を模索していく・・・。

タイトルでは、わからなかったのだが、
本書は、英国のディスレクシアの少女を主人公とする物語だったのである。

障害をテーマとしている本を探している者の立場だと、
そのテーマであることがタイトルからわかるようになっていると探すのが楽ではある。

だが、タイトルにそれがないからこそ、
意識せずに普通に手にとって読んでくれる人が多くなるので、それでよいと思う。

「グリーンフィンガー」とは、庭仕事が上手な人の手のことだ。

ケイトに庭仕事を教えることになる
ウォルターじいさんの手がグリーンフィンガーで、
やがてはケイトもその手を持つ者へとなっていく。

  「つづけていると、そのうちわしの手みたいになるぞ」
  ウォルターは両方の手のひらを見せていった。

  日に焼けて、ごつごつした手だ。

  手のしわは、木を彫ったすじのように見える。

  「グリーンフィンガーっていうんだ。
  おまえさんもいつかそうなるだろう。
  よかったら苗をやろうか? こっちにおいで」

最初は牛も怖いし、花の名前もわからなかったケイトだが、
次第に庭仕事に魅せられていく。

ケイトは、ロンドンで通っていた学校では、
過去に何度も問題を起こして、転校を余儀なくされていた。

読み書きがうまく行かないこと、
そして、教師の理解がないことで、
教室でキレで暴れてしまっていたのである。

この郊外の新しい家、新しい学校に来たときも、
半ばあきらめの気持ちだったのである。

両親は、不仲で、父はこの郊外の家を改築して、
在宅のコンピュータの仕事でなんとか生計を立てていこうとしているが、
母はロンドンで仕事を続けたいと考えており、
何かとチグハグなのである。

母はとうとう平日に仕事でロンドンに行き、
週末に帰ってくるのではなく、
しばらくずっとロンドンにいるという選択をする。

ケイトは友達のルイーズや妹と庭で遊んでいたり、
庭仕事を続けたりするうちに、イメージができる文字に出会っていく。

  その文字を見たとたん、
  あるイメージがすっと心にうかんだのだ―ルイーズの顔だ。

  ケイトはエミリーが遊んでいるあいだ、
  太陽の下でじっとそのことを考えてみた。

  ほかにも同じような言葉がある。

  それは対象とするイメージと感情が思い浮かぶ言葉だ。

それが、文字を読めるかもしれないという自信につながっていく。

  不思議なことに、ときどきケイトは人がいったとおりに
  言葉を思い出すことがある。

  好奇心からつづきを見てみた。

  (中略)

  ケイトはそこで読むのをやめた。

  心臓がドキドキしている。

  書いてある言葉の意味がわかるなんて。

  ケイトは文字を読めたのだ。

ある日、コスモスの袋に書いてあった指示がきちんと読めたのだ。

また、弟が、パソコン上で、
入力したテキストの間違いをチェックしてくれる
「スペルチェック」というソフトを紹介してくれて、
その力を借りて、レポートも自分で作成できるようになっていく。

庭仕事に打ち込んでその方面で自信を持つことが、
読み書きの力をつけることにつながったのだ。

ケイトの住む家は、かつてはウォルターじいさんの家だった。

妻を亡くし、体力気力が衰え、
また子どもたちの代も庭を手入れしなかったために、
荒れ放題になってしまったのだ。

その庭をケイトは、
ウォルターじいさんのノートを基に再現することを決意する。

庭を持つことはケイトの母の夢でもあったので、
庭を作れば母が帰ってくると思ったのだ。

また、文字を学びつつあったケイトは、
自らの手でウォルターじいさんのようなノート、
<ガーデン・ブック>を作成しようとする。

ディスレクシア、両親の不仲、高齢者の介護など、
児童文学の中に描かれる教育的福祉的課題の数々。

すべてが少女文学的な解決を見るわけではなかったからこその
リアリティーがあった。

また、英国のディスレクシアへのサポートの進んでいるところと
課題なども見えてきた。

ヒロインが元気で魅力的で、読ませるパワーもあった。

偶然だが出会えてよかったと思った1冊である。

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2009/07/19 15:20

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2009/08/13 23:46

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2009/12/26 08:58

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2010/09/30 01:34

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2012/02/27 22:01

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2016/10/28 16:22

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2019/05/04 21:27

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