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見えているはずのものが見えなかったり、見えていてもよくわからなかったり。
科学はそういったものがよく見えるように、光を当ててくれる人類にとってとても大切なもの。そんな科学にかかわった書物の中から、もっとも重要な14の書物を紹介してくれるのがこの一冊。
紹介されているのはダーウィンから始まってウェゲナーまで、名前と業績は聞いたことのある科学者とその著作ばかり。が、あとがきにあるように確かに原書は読んだことがない。そういうものをうまくセレクトしてある。そんな中で一番気になるのはカーソンかなぁ。今、現代社会に生きる人間が常に問いかけ続けなくてはならないものを提示してると思う。問いかけ続ける、すなわち、見なくてはならないもの。そして、科学はそこに光は当ててくれても、その先は我々が自分で自分で考えなくてはいけない。そういう意味で、紹介された14冊の中でも、最も重要な1冊のような気がする。
14冊を250ページほどで紹介しているので、1冊ずつは掘り下げたものではない。また、コラムに現代理系の著作の紹介もしていて、そちらにも興味を引かれるものが少なからず。この本から、どこに向かっていくかは読み手の関心の赴くまま。どこにも向かわないのは、あまりにもったいない。
2009.04.14 購入@駅前の本屋
2009.04.16 読了
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ファーブル『昆虫記』、ワトソン『二重らせん』、カーソン『沈黙の春』、ガリレオ『星界の報告』、ニュートン『プリンキピア』、アインシュタイン『相対性理論』など、世界を変えた理系本を取り上げ、知っているようで知らない内容と誕生秘話、そして現代の学問にどう影響したかをわかりやすく解説。
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内容は「科学」であるが、「理系」としているのがうまい。
似たような本は過去に何冊も発行されているが、この本のアプローチは斬新である。
読者の目をひくためか、「理系」となっているが、生命、環境と人間、物理、地球といったカテゴリーで各3~4冊ずつ紹介され、作書の生い立ちから理論までコンパクトにわかりやすくまとめられている。特筆すべきは、「この本、読んでみたいっ!」と思わせるような絶妙な解説。
その他、構成として「こんなことが書いてある」とか「その後、世界はどう変わったか」といった今までにない切り口も理解しやすく、新鮮である。
巻末に、「本書で参考にした図書」とまとめてあるため、科学のガイドブックの役目も果たし、この本が出発点となって新たな分野への知識を深めることもできる。
理科離れが進んでいる(と報道されている)若い世代に読んでほしい本である。
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誰もが考えつくテーマだが、反論を怖れずばっさりと14冊にカットする大胆さと、各書を「書いたのはこんな人」「こんなことが書いてある」「その後世界はどう変わったか」「エピソード」「教訓」「さわりピックアップ」などの項目に分けて簡潔にまとめているので読みやすい。
後に続いた人たちの著作から1冊を推薦するがその選択もユニーク。
ただ、触発されて原典を読むかというとそこまでは思わず、巨人の肩に乗せてもらおうと思う。
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"世界がわかる理系の名著、への入り口"
【選書理由】
面白そう!と思って。鎌田さんだし。
【感想】
理系なら一度は目にしたことがあるような本のタイトルがずらり。
一冊ずつ「著者」「内容」「反響」「逸話」「教訓」「引用」「関連書」を紹介。
これを読んだからってその本について完璧というわけではない。
でも、こういった科学読み物の読み方を示した点で、この本は良書だと思う。
著者・鎌田さんは参考文献をしっかり紹介してくれるので好きです。
この本でも紹介されていますが、ワトソンの「二重らせん」は絶対に読むべき。
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科学者たちの経歴、著書の簡単な内容、印象的なエピソードなどを軽くまとめた本。文体も易しく、理系学問に疎い者でも非常に読みやすい。ただ百数十ページの新書で20冊もの本を解説しているため、一つ一つの解説は薄く、少し物足りない印象を受けた。
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鎌田先生が古典を読むとよいとおっしゃっていたので、自分自身も理系だしどんな本がよいのかととりあえず読んでみました。
生物・化学・地学・物理学などの有名な人物の本の紹介がある導入本でした。
古典にふれるキッカケ本としては良いが、本としては個人的に満足度の低いものでした。
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偉人の書いた本を紹介解説した本
・偉人のプロフィール
・本のあらすじ 解説
・偉人について 著名人のコメント
といった構成
教科書で習った あの人 など 名前を聞いたことのある偉人の著書が
当時の背景や著者のプロフィールまでも大体わかってしまう
理系でも 文系でも
お得すぎる一冊
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高校生を卒業していらい、科学に対してうっすら興味を持ちながらも、遠ざかっていた。
新書で薄く軽いタッチで書かれた本書を買ってみた。
書かれている内容については高校までに習ったことであるが、伝記を交えて紹介しており、科学者の性格などもしれて面白い
一番参考になったのは、興味がある分野についてのブックガイドにもなっていること。
個人的には
科学の扉をノックする 小川洋子
ホーキング宇宙のすべてを語る ホーキング
が次に読みたい本かな。
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[ 内容 ]
ファーブル『昆虫記』、ワトソン『二重らせん』、カーソン『沈黙の春』、ガリレオ『星界の報告』、ニュートン『プリンキピア』、アインシュタイン『相対性理論』等々、世界を変えた理系本を取り上げ、知っているようで知らないその中身、当時のエピソード、そして現代にどう役立てるかなどをわかりやすく解説。
エデュケイション(教育)とエンターテインメント(娯楽)が合体したエデュテインメントな一冊。
[ 目次 ]
第1章 生命の世界(ダーウィン『種の起原』;ファーブル『昆虫記』 ほか)
第2章 環境と人間の世界(ユクスキュル『生物から見た世界』;パヴロフ『大脳半球の働きについて―条件反射学』 ほか)
第3章 物理の世界(ガリレイ『星界の報告』;ニュートン『プリンキピア』 ほか)
第4章 地球の世界(プリニウス『博物誌』;ライエル『地質学原理』 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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裏・世界がわかる理系の名著
http://d.hatena.ne.jp/oraccha/20090315/1237044670
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わずか14冊の名著の紹介であるが、エピソードを中心に書いてあるので、紹介している名著を読む気にさせるものである。
小学校の教員になる学生が春休みにこの本を読み、改めて名著を読むことになることが望ましい。高校生が手にとって読む価値はある。
私も直接に読んだのは、カーソンの『沈黙の春』やワトソンの『二重らせん』ぐらいしか無く、あとは誰かが解説したものを読んで理解したとおもいこんでしまっていたように思う。
文春新書としてはまともな内容である。
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最終学歴は理系の学部ということになってはいますが、恥ずかしながら、この本で紹介されている14冊はどれも読んだことがありません。そんな私にとって、人類の価値観を変えたとされる理系の名著のポイントを解説してあるこの本は有りがたいものです。
著者である鎌田氏は、この1冊の本を書くのに膨大な文献を読んで多くの時間を費やしたと予想されますが、その成果物を数時間で与えてもらうなんでなんと幸せなことかと思いました。
以下は気になったポイントです。
・種の起源を読んだ一般市民は、「優れたものは劣ったものを駆逐する」という優勝劣敗の思想として受け取り、これによりベストセラーへ押し上げられていった、キリスト教思想を覆すような思想なので非難が起きた(p16)
・ファーブル昆虫記の売れ行きはあまり良くなかった、19世紀のフランスでは、大部分の昆虫は悪魔がつくったものであると信じられていた、食べ物を荒らすアブラムシを食べる「テントウムシ」と燭台に使う蝋燭用の蜜蝋をつくる「ミツバチ」以外は悪者(p29)
・ファーブルの最大の功績は、わかりやすい表現で自然を伝えることに成功した点、難しいことを難しく書く学者のステータスを捨てた(p32)
・メンデルの法則(遺伝現象の法則性と遺伝物質の存在)が載せられた論文は、当時の研究者の目にとまらず、1900年までの34年間も埋もれてしまった(p40)
・ロザリンド・フランクリンは、ノーベル賞選考前に37歳で亡くなったため、DNAの構造解析に関してノーベル賞を受賞できなかった、規定に生存している人物という制限があったため(p63)
・1900年頃は物理学を基盤とする実証主義科学が中心であり、ユクスキュルの独創的な考え方(動物たちは各々が独自の環境を持っている)は完全な異端であった、動物を取り巻く時間や空間は、物理学が説明するように一意的に決定されたものではなく、動物によってすべて異なる(p73、74)
・それぞれの主体によって、意味のあるもののみが存在するというのが、環世界の姿(p76)
・パヴロフは消化器を動かす神経に関する業績で1904年にノーベル生理・医学賞を受賞した、有名な条件反射の発見でもらったわけでない、アインシュタインが相対生理御ではなく、光電効果でもらったのと似ている(p95)
・カーソンは、農薬を使うのではなく、天敵を用いて害虫を駆除する方法を当時から提案している、化学薬品の恐ろしさを最初に告発した(p107)
・日本の学校で使われている教科書で科学者の伝記が載っているのは、ファーブル・ガリレイ・カーソンの3人、環境問題が重要視されていることを物語っている(p108)
・ガリレイは学費が払えずにピサ医学部の退学を余儀なくされるが、在学中に、振り子の等時性(振り子が時を正確に刻む)を発見、ユークリッド幾何学、アルキメデス力学を学んだ(p117)
・ガリレオは地動説を支持した内容が聖書を厳格に信じる教会の反発を買い、1615年に最初の宗教裁判にかけられる、1600年に地動説を支持して火あぶ���刑に処せられたブルーノを知っていたので手を打っていた。1633年に再度裁判にかけられ、屈辱的な宣誓文を書かされた(p119)
・1992年にローマ法王庁は、一連の裁判は誤りであったことを認め、350年の時を経て、宗教界においてガリレイの名誉が回復された(p124)
・ガリレイは明晰に書いたばかりに批判を浴びた、道元は難解な思想書を書くことで、脅かされることを極端に恐れる人々からの雑音を遮断した、小心者で器の小さい権力者に対しては、同じ内容でも難解に表現してしまえばよい(p127)
・ニュートンはケンブリッジ大学に入学するが、当時猛威をふるったペストで大学が閉鎖され、帰郷を余儀なくされた、このときに、微積分学・光学・万有引力の三大発見のアイデアを得た(p133)
・天文学史上もっとも重要な発見の1つである、ケプラーの「太陽を周回する惑星は楕円軌道を描く」は、ニュートンが発見した運動方程式で簡単に導き出せる(p136)
・84歳になったニュートンは、「かつて重力について考えたのは、リンゴが1個落ちたのがきっかけだった」と語った(p140)
・アインシュタインはチューリヒの連邦工科大学を受験するが、語学・歴史・生物の成績がふるわず、不合格となる、数学と物理が最高点であったことから、学長じきじきに再受験を進められ、翌年に合格した(p147)
・特許局の技師となったアインシュタインは、1905年に、特殊相対性理論・光量子仮説・ブラウン運動理論、を一挙に発表した(p147)
・相対性理論と題された本の原題は「動いている物体の電気力学」である(p148)
・相対性理論とは、時間と空間の関係が絶対的なものではなく、互いに相互関係にある、例として、Aさんから見て同じ時刻に2つの出来事が起きたとする場合、Aさんに対して運動している他のBさんが見ると、相対性理論では2つの出来事は同時に起きていない(p149)
・相対性理論では、2つの出来事は同時には起きていない、「同じ時刻」という概念が、観測する人によって相対的に変化してしまう=「同じ時刻の相対性」により、運動する物体が縮むという現象、あるいは、運動する時計が遅れる、という現象が導かれる(p149)
・互いに等速運動をする座標系に適用したのが「特殊相対性理論」、加速しながら運動する場合(月ロケットで上空に上がっていく場)は「一般相対性理論」である(p150)
・ハッブルは、宇宙が一定の速度で、かつどの方向にも同じように膨張していることを、ドップラー効果を用いて明らかにした(p172)
・ハッブル宇宙望遠鏡により、宇宙の年齢が137億歳程度であることもわかってきた(p175)
・ポンペイの発掘により、古代ローマ生活は、日本の弥生時代にあたるころには、高度な技術を持ち、豊かな生活をしていたことがわかった(p196)
・パイオニアたちは、新しいサイエンスを生み出すという本来の仕事の他に、社会の圧力に対抗する等、創造力の発揮とは全くの別の能力が必要であった(p234)
2012年11月4日作成
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世界の歴史を変えてきた名著を紹介しているんだけど、そうなんだとは判った程度。
息子よ
読む必要はない
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誰もが名前を知ってる、でもあまり読んだ事はない、そんな名著とその著者を紹介した本。
どの本も大変魅力的に紹介されているため、実際に原著を手にとって読んでみたくなりました。
どの本をとってみても「意外と読みやすい」との事。時代の先駆者達が、自分たちの研究をどうやって伝えるか、苦心した結果と言えるそうです。
天才の人間っぽさが感じられて好きですね。
以下紹介図書のリスト。
ダーウィン「種の起源」
ファーブル「昆虫記」
メンデル「雑種植物の研究」
ワトソン「二重らせん」
ユクスキュル「生物から見た世界」
パブロフ「大脳半球の働きについてー条件反射学」
カーソン「沈黙の春」
ガリレイ「星界の報告」
ニュートン「プリンキピア」
アインシュタイン「相対性理論」
ハッブル「銀河の世界」
プリニウス「博物誌」
ライエル「地質学原理」
ウェゲナー「大陸と海洋の起源」