紙の本
素朴な文章と素朴じゃない七竈
2016/11/13 02:20
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
この小説は生まれながらの美少女「七竈」と唯一の親友「雪風」のさびしくも凛々しい青春物語です。
旭川を舞台としており物語の雰囲気は全体的に落ち着いています。また改行が多く、テンポよく読み進められました。
落ち着いた作風とは裏腹に七竈を取り巻く環境(特に母親)は穏やかではありません。終盤の母を許せない自分と葛藤するシーンと、雪風との別れのシーンが印象的です。
紙の本
不思議なある少女の魅力的な世界が描かれた作品です!
2016/02/27 09:05
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は、『私の男』で直木賞を受賞し、一世を風靡した桜庭一樹氏の初期の作品です。主人公は「七竃(ななかまど)」という名の少女。少女はいんらんな母から生まれますが、とても美しく、かつ妖艶な雰囲気をまといながら成長していきます。ただ、趣味は鉄道模型で遊ぶこととという風変わりな少女です。この少女をめぐって周囲では様々なことが起こります。さて、どんなことが起こっていくのでしょうか。これは本書をぜひ手にとってお読みください。
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文庫版をゲット。
表紙はハードカバーのほうが好きだったなあ。
あのまま文庫化してくれれば良かったのに。ちょっと残念(-_-;
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「少女には向かない職業」「推定少女」「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet」と、この作者の少女を主人公にした作品を(再)文庫化を機に続けて読むことになったのだけど、いずれも読後ざらざらした感触を残す作品の中で僕にはこの話が一番胸に迫った。章ごとに主人公の美少女、彼女の親友の美少年、二人それぞれの母親、そして主人公の飼い犬(!)と異なった視点から語られる巧みな構成のおかげもあり、主人公のみならず周囲の人物がそれぞれ深みを持った魅力的な存在として描かれているからではないかと思う。
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桜庭一樹強化月間、最後の一冊は「昭和の言葉を喋る、うつくしいかんばせを持つ白雪姫」のものがたり。
あまりにうつくしすぎる少女・七竈と少年・雪風の物語、なのだけれど……七竈というよりは、七竈の母の物語のような気がした。それは多分読みながら、いつも七竈の母親のことがどうしてもチラつくし、七竈の父親のことをふと考え、七竈の見る世界感じる思いは……母の影を踏むようなものだから、ではないのかなと思うから。七竈を通して「母」の存在を見てるというのか。うーん。それだけじゃないし、やっぱりこれは七竈の物語なんだけど。
ビショップの眼差しと、七竈と雪風の会話がとても好きです。
最後の一話は少し消化不良というか、入り込めなかった感覚がしたのが残念。これがなかったら☆4だったかも。
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桜庭一樹さんの書く少女は、何故に毎度毎度こんなにも美しくて壮絶に孤独なのでしょうか。
全編通して、七竈のどうしようもない悲しみの空気に満たされています。
平成を生きる人々のお話ですが、言葉遣いがどこか古めかしく、古風で退廃的な雰囲気を漂わせています。
優奈もただ一人と思った男に想いを遂げられないからって“辻斬り”しなくても。
皆が“辻斬り”に巻き込まれてしまっていて、最大に巻き込まれて悲しみに暮れているのが七竈。
七竈、可哀想に。
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なんだか切なくて物悲しい。生きる上で己とどう折り合いをつけていくか。憎んだり、許したり。
古風な言葉遣いが独特の雰囲気を醸し出している。七竃も良いが、緒方みすず後輩もなかなか。
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平成の物語にしては古過ぎる言い回しのせいか、どうも最後まで馴染めず。…そのまんま昭和の物語だったら違和感なかったのに。
最初から最後まで、本当に淡々としているお話ばかり。可愛そう、なのは大人たちではなくこどもたちである、と言いたい。
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今年度一番最初に買った本。
桜庭さんの本はラノベ時代しかしらないので読んでなかったんですが、このたび文庫化してるのを知りつい購入しました。
私が南国育ちなのでこういった冬の寒さを表す小説はなかなか空気を感じにくいんですが、これはさすがでした。
大学の課題の女性文学、むしろこの方について書きたいです。
内容は恋愛小説、ってかんじですかね。見ればわかるし。
ネタばれはいやんなので雰囲気のみに留めておきます。
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非凡な美少女・七竃と美少年・雪風のワールドに憧れては、まとわりつき涙する。想いを馳せる。真っ白な雪によく映える赤と黒。大切な思い出と憂鬱とかすかな希望を乗せて走り出すキハ八兆Mの音。
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このひとの書く物語は、
どこか不思議なところがあってすきだ。
「七竃」「雪風」「七竃」「雪風」
「がたたん」「ごととん」「がたたん」「ごととん」
よみおわったあと、なんだか、
雪のにおいを吸ったみたいな、すきっとしたかんじがした。
(09/04/20)
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図書館で借りて一度読んでるけど、文庫化したので購入。やっぱり最後の場面が好き。これ読んでから、顔を「かんばせ」って言うようになったw
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「白っぽい丸」からはみ出そうとした母と、「美しい」という自らの異形を呪った娘。女の一生は、本質的に「母を許せるか、否か」という問い…個人的に『私の男』よりも好きです。閉じた共同体、人間関係の描写がさすが!鉄道模型と、七竈と雪風の「がたたん」「ごととん」が印象的でした。
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ハード出た当時からちょっと気になってたんだけど、文庫が出てたので手に取ってみた。
表紙とタイトルで想像してたのとは大分違ってたけど、結構よかったなー。
ラノベ出身の人だからか、私には読みやすかった。
一昔前のコバルトとかそういう風味がする。
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自ら“異形”と呼ぶ美しきかんばせの少女・七竈。その幼馴染の少年・雪風。
この二人のぽつぽつと交わされる会話のリズムがとても好きだ。
“がたたん”“ごととん”“がたたん”“ごととん”
列車に揺られる響きを交し合う。なんて密やかな!
まるで吉屋信子を思い出される古風で美しい会話は、人によってはとっつき
にくいかもしれない。これで「平成」? そう思って、そこに囚われてしま
っては、どこにも進めない。
白雪姫は、七人の小人に守られて王子を待ったけど、七竈は自ら道を選ぶ。
そこがとても美しい。