町長選挙 みんなのレビュー

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投稿者：kumataro　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

町長選挙　奥田英朗（おくだひでお）　文春文庫

　映画の素材になった本だろうと予測して購入しました。とある家族が真面目に町長選挙に挑戦したが、カネやモノで汚れた選挙戦に染まっていって落選した。そんな映画がありました。その映画の原作と勘違いしました。
　読み始めてみれば、神経科医伊良部ドクターが登場するシリーズのうちのひとつでした。一話６０ページペースで書かれている短編４本です。
「オーナー」ジャイアンツの実在するオーナーを架空の氏名に変えて書いてあります。読み始めにこの作品は消耗品であると嫌悪しました。その瞬間だけ通用する読み物です。おもしろおかしく書いて、雑誌が売れればいい。そう受け取りました。語り継がれる名作にはなりえない。
　伊良部ドクターは、不潔で、外見や素行、言動が幼児という人物像で完成されています。最初は彼に好感をもてませんが、小説に出てくる病院の患者さんたち同様、読者も彼の出番が楽しみになってきます。絶品です。
　マスコミ攻撃や老害、サポートしてくれる人間がいないと権力者は権力者でいられない。そこまで、書いていいのかと心配もします。作者が自分の意思で書いているというよりも、筆が書かせている。読み終えてみれば、本作品は、後世に残る名作です。
「アンポンマン」こちらもまた実在の人物を架空人物に変えてありますが、その人物の名前を思い出せません。わたしもまた老害域へ向かっている認知症予備軍です。グッチーとか、オグリキャップとか、ブーマンとか並べてみるけれど、思いつかない。野球チームやラジオ局を買収しようとした人。（読みながら１５分が経過）思いだした。ホリエモンで、会社名は、ライブドアだ。アンポンマンは、そのとき３２才。わたしはその年齢のとき、乳幼児たちをかかえておろおろと暮らしていた。
「カリスマ稼業」この作品の主人公のモデルはわかりません。４０代女優。老化に抵抗している。美しくとはいわないまでも、汚く老化はしたくない。患者さんの名前は白木カオルさんです。
「町長選挙」モデルは鹿児島県の離島ではなかろうか。激しい両陣営の選挙戦に伊良部ドクターが巻き込まれるというよりも、ドクターが島民の争いを牛耳（ぎゅうじ）っています。作者の発想には感服します。どうやって争いを解決していくのだろうかと、読者は読みながら壁に突き当たります。そして、「良心」は、この世に存在しないという否定からはじまって、最後はやっぱり存在するのだという肯定にゆきつくのです。

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投稿者：BACO　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

表題作含む中編集。
伊良部の活躍っていうのははっきり言ってないのだが、このキャラクターに押されて、皆心が変化していくのがよくわかる。
不自然さもなく強引でもないので、共感を得るところが結構多いのかな？
どうしてもパタリロの風貌を浮かべてしまうのはなぜだろうか？
自分のイメージキャラクターが出来上がっているので、伊良部シリーズはドラマなどには取り上げて欲しくないですね。
もちろん本作品もニヤニヤの連続です！

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投稿者：タオミチル　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

もしかしたら「明日はわが身」とも思える、どこかに普通にいそうな神経性疾患の患者。対して絶対いそうもない精神科医のシリーズ３作目。
きわどいキャステイングになっているのが、前作までとの違いだろうか。
新聞社及び野球界のドンであるあの人。本作が新刊だった当時、粉飾決算を疑われていたIT関連のあの人。４０代なのにそうは見えない女優のあの人などがモデルになっていて、彼らの複雑なキャラに、いつものように超マイペースで関わる伊良部医師。
そして、かなり深刻な症状を簡単に治しちゃうところが面白い。

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投稿者：狂ったチワワ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

ハードゲイなどの時代を感じさせるが、それはそれで全然良い。
スラスラと読める内容がとても良く、安心して読む事ができる良作。

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投稿者：ちーかま　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

今回もよかった。伊良部シリーズ通して言えることですが、笑えるし、あたたかい気持ちになれたり、元気が貰えたりと、最高でした。でもこれで最後？もっと読みたかったです。

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投稿者：おっさんの独り言　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

全てハズレ無しやったわ。町長選挙ラストの長老の話が胸に響いたね。お互いがお互いの苦労を認め合ういうのがね…。なかなかでけんのよね。簡単なことやのにな
まぁ、しかし、なにわともあれ三部作にハズレ無しやっちゅーこっちゃ。おしまい。