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みんなのレビュー165件

みんなの評価3.6

評価内訳

165 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

男と女の間に大河が流れていることを感じた一冊

2009/08/09 13:34

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:サムシングブルー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 角田光代さんの小説を読むのは初めてです。『くまちゃん』のあとがきにふられ小説を書きたかったこと、「ふられることがいいことだとは思わないけれど、でも、旅を一回するようなことくらいのよさはあると思う。(中略)旅から帰れば、以前とは違う場所にいる自分に気づく。」とありました。一期一会の恋愛は旅に似ているのかもしれませんね。
 また、恋をするたびに自分ですごいと思える小説を書きたいと思っていた角田光代さんに同性として、熱いものを感じました。

 『くまちゃん』の主人公・苑子はお花見でピンクのくまのトレーナーを着たくまちゃん(持田英之)とお花見で出会い、くまちゃんに恋をしてふられます。第2話『アイドル』では苑子をふった持田英之がゆりえにふられる、といった具合に登場人物の全員がふられる「ふられ小説」です。
 第7話の主人公・こずえは夫に「好きな女性がいる。だから別れてほしい」といわれ協議離婚したある日、交際した男性の数とふられた回数とが同じであることに気づきます。『乙女相談室』という失恋した女たちのサイトのオフ会に参加したこずえは、そこで第3話『勝負恋愛』でロック歌手にふられたユリエと出会います。居酒屋で乾杯のあと、自己紹介したあとの女同士の会話がおもしろい。その箇所を抜粋します。

ユリエがだらけた調子で言う。「だれかとつき合うってさー、その人に合わせて、自分の分身みたいなのを一個作るような感じ、しない? えーと本来の自分とは違う、その人といっしょにいるためだけの自分、みたいなのがもうできあがって、別れたりふられたりすると、その自分をさー、こうべりべりっと剥がして、いたたたたたっていうか」
「股裂き!」こずえは思わず、大声を出した。
「え、なあに、それ」
「股裂きの刑くらいつらいって思ったんです私」
「違うわ、こずえさん、それ、ふられる痛みじゃないの。別れる痛みなの。ふる側もそりゃあ痛いのよ。」と、ミナは訥々と話す。

 お酒が入ったときの女同士の会話は、とかく暴走しがちですが、真実をついています。そして、一人、また一人乙女相談室を卒業していきます。

 角田光代さんが書きたかった仕事と複雑に絡み合った恋愛を楽しめました。第6話の『光の子』は異質ですが感動モノです。7話を通して男女の人生観と恋愛観の葛藤が描かれており、男と女の間に大河が流れていることを感じた一冊です。

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紙の本

カバー画もタイトルも児童書風ですが、実はミステリ。いえ、そうじゃあないんですけれど、でもそう言ってもおかしくない構造を持ったお話です。むしろ、こんな内容じゃあ子供はついてこれない・・・

2009/10/10 20:36

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルと装幀があまりにうまく合っているため、私はてっきり児童書だと思っていました。ということで好きな角田の新作と聞きながらあっさりパス。で、今頃になってなんだか気になり内容をあらためてチェックしなおすと、どうも私のハヤトチリだったらしいとわかり大慌てで読むことにしました。ちなみに出版社のHPにはこの本に関して
             *
10人いれば10通りの恋があり、10通りの失恋がある。それが恋なのだ。

四回ふられても、私はまた、恋をした。五回ふられたって、また恋をするのだろう。なんてことだろう。あんなに手痛い思いをしたというのに――。ある恋が、人生をがらりと変えることもある。こっぴどくふられても、どんなに散々な目に遭っても、いつか立ち直って、仕事に、恋に、真っ直ぐに生きるあなたのための傑作恋愛小説。
             *
とあります。なんだ、ちゃんと大人の本だって書いてあるじゃん。ま、私だったら「恋愛勝負」のほうがタイトルに相応しいのに、なんて思ったりはしますよ。少なくとも今のタイトル「くまちゃん」と、あずみ虫描く可愛らし装画で「これは絵本」かそれに近い大型活字本だと勘違いした人は絶対いると思うんです。

でも、この出版社の案内を誤解してはいけません。まず、10の話があるわけではありません。話は七つ。で、主な登場人物は古平苑子、持田英之、岡崎ゆりえ、保土ヶ谷槇仁、片田希麻子、林信彦、野坂文太、山里こずえの八人。数があいません。その鍵は野坂文太、山里こずえの二人にあるんですが、その理由を書いてしまうと肝心の話の構造になってしまうので、触れません。

それと、登場人物紹介も難しい。ま、ミステリではないので書いてもいいのですが、でもこのお話ばかりは興を殺ぐことになりそうです。とはいえ、このタイプの連作が極めてユニークかと言えば、そうではありません。ミステリでは昔からよくありますし、純文学でもエンタメでもよく見受けます。

最近では川上弘美『どこから行っても遠い町』がそうですし、角田自身でも『三月の招待状』はこれに近い。『森に眠る魚』にしてもそうです。『空中庭園』『トリップ』と初期の頃からあります。角田は好きなんですね、連作と視点の移動が。これが二人くらいの視点移動ならもっとありますが、それは連作ではなく長編小説になっているようです。

さて、多くの人間が登場し視点が次々と移っていって人間関係が、というかそのなかの人間が浮かび上がるという話は、それが綺麗に繋がると、あまりに出来すぎの感を抱かせてしまうのは、ミステリにもいえますが作為が目立って勿体無いなあ、と思います。とはいえ、相互の繋がりを自然に求め合う各篇のありかたっていうのは、連作として極めてうまくいっている証です。

総じて登場する男はヘタレ、女はジコチュウ、ともかくあまり立派な人間が出てこないのがリアルで好ましい。最後は目次と初出です。

くまちゃん 2007年3 月 yomyom vol.2
アイドル  2007年7 月 yomyom vol.3
勝負恋愛  2007年10月 yomyom vol.4
こうもり  2007年12月 yomyom vol.5
浮き草   2008年3 月 yomyom vol.6
光の子   2008年7 月 yomyom vol.7
乙女相談室 2008年10月 yomyom vol.8
あとがき

あれ、って思いません? yomyom って面白い間隔で出るんですね。3、7、10、12、でしょ。このまま毎年続いているとすると、4ヶ月、3ヶ月、2ヶ月、4ヶ月っていう間隔。ま、これは新学期、夏休み、読書週間、年末ということと関係あるのかもしれませんが、私のようにあまり yomyom にお世話になっていないものには、発見です、はい。

装画 あずみ虫
装幀 新潮社装幀室

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紙の本

再出発の物語

2017/06/01 14:43

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る

あとがきには「ふられ小説」とありますが、再出発の物語だと思います。登場人物たちがそれぞれに関係を継続できなかったことをきっかけに、考え方を変え、仕事や生活習慣を変え、人間関係を清算し、新しい世界に踏み出す姿に励まされました。

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2009/04/17 00:00

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2009/05/11 17:17

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2009/05/20 21:57

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2009/05/22 01:24

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2009/06/09 02:16

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2009/06/16 22:08

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2009/06/30 19:38

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2009/06/29 05:53

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2009/07/07 14:34

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2009/09/08 22:17

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2009/07/14 21:37

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2009/07/19 14:18

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