投稿元:
レビューを見る
農業経済初心者の私が初めて読んだ専門書。
…超ヘビーで有名な著者の本だとは知りませんでした。
世界的にも“難解”とされる日本の米政策を余すところなく解説した名著。
旧食糧法から改正食糧法への移行過程で右往左往する農政に対して、ときには痛烈な言葉で批判し、ときには優しく見守る。
農政研究に人生の大半を費やした著者の、農政に対する愛と情熱を感じる。
需給調整システムにおける流通過剰米対策という一面だけを取り上げてみても、「政府備蓄+全農調整保管」⇒「集荷円滑化対策」⇒「政府備蓄と集荷円滑化対策の融合政策」とめまぐるしく変化する日本の農政。
それぞれの政策の導入背景、内容、効果からその後の展望にまで至る詳細で適切な解説は圧巻、時折にじみ出るバイタリティ溢れる自説も興味深い。
ただ、(専門書にありがちではあるが)はたして人に伝えるという気持ちがあるかどうかは疑問 笑
年代が行ったり来たり、内容も行ったり来たり…
しかし、「良薬、口に苦し」。
本書を完璧に理解出来るようになれば、向かうところ敵なし、といったところでしょう。
じっくり読みたい一冊!