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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
仏像の中身がどうなっているのかとか、眼がどうなっているのかとか、構造がどうなっているのか修復し目線で説明してあって興味深い。
仏像の拝観によく行くけど、構造がづなっているかなんてわからないので、こういうの知っていると面白いです。
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修復師の方ならではの、仏像の丁寧な解説と裏話が満載でした。
仏像もお肌に乾燥は大敵なのか!
挿絵もたっぷりでイメージしやすいです。
文化財や骨董好きにはたまらんですね。
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仏像修復を手がける著者ならではの仏像や、
修復作業の苦労や楽しいお話が読めて面白い。
これを読めばいつも観光ぽくなってしまいがちな、
お寺や神社での仏像を見る目が変るかも。
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(2009.11.04読了)
仏像修理にまつわる話です。著者は、仏像修理の仕事をしています。
興味深い話がいっぱい詰まっています。この本を読めば、仏像を見る目が変わるかもしれません。ところどころに、説明のための挿絵が入れてあります。仏像のスケッチが的確です。仕事上必要でやっていることとは思いますが。
●仏像の名前がわからない(26頁)
地方のお堂などを資料館の人と調査していると、像名のわからない仏像が見つかることがよくある。完全な形で残っていたらわかるのだけれど、お堂やお寺にある仏像というものは、長い年月の中で、どこかしら壊れてしまっている。腕がなかったり、持物がなかったり、台座がなかったり、頭の化仏や他の飾りがなくなっている。そこでどうするかと言えば、まず他の仏像を見ることが必要となる。
●玉眼(49頁)
仏像の眼に光るものが入っていたりする。水晶製の義眼で玉眼と呼ばれる。
鎌倉以降の仏像であればまず玉眼が入っている。
平安時代の仏像でも、玉眼が入っている物が数多く存在する。どうも後の時代になって、玉眼を嵌め込んだものらしい。
●本地垂迹(60頁)
日本の八百万の神々は、実は仏の化身として日本にあらわれたとする考え方。
つまり、日本の神々の本当の姿は実は仏であり、仏が日本の民を救うために仮に日本の神の姿をとったというものである。したがって、実は仏と神は同じなのだという。
●仕事が終わらない(76頁)
三十三間堂には千一体の千手観音がある。一番目から修理して、600番代を修理していた時、初めのころに修理した一番代の像は、少し傷みかけていたという。
●誰も見たことがない仏像(103頁)
見ると目がつぶれるといわれていた仏像があった。ある時この仏像が盗難にあった。
盗まれた仏像がどんな仏像かわからないので、取り返しようがない。
見たら祟りのある仏像だといわれていたとしても、最低一枚でも写真を撮っておくことをお勧めする。
●赤外線(193頁)
肉眼でよくよく見ても全く分からず、文字が書いてあるようには見えないのだが赤外線映像で見てみると確かに文字が書いてある。
そのまま見てもあまりよくわからないのだが、赤外線映像で眺めると、面部のひげや眉だけでなく、着ている服の衣文の線まで墨で表現されており、生き生きと、たった今描かれたかのように鮮明に表れて、かなり驚かされた。
著者 飯泉太子宗(いいずみ・としたか)
1974年生まれ
東北芸術工科大学芸術学部(文化財保存)卒業
1997‐2003年(財)美術院国宝修理所に勤務
2003‐2004年吉備文化財修復所に勤務
2007年特定非営利活動法人「古仏修復工房」を設立
(2009年11月5日・記)
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実は、目に見えないものを扱うからこそ、形がとことん重要になる。
だが永久保存のために、広隆寺の弥勒菩薩を宇宙空間にとばしたところで、もはや意味があるようには感じられない。
時間は時代区分ごとに分断されて流れているわけではないのだ。延々と途切れずつながっている。
「重要文化財」のなかでも、特に世界文化の見地から見て価値が高いものが「国宝」。宇宙人に対して地球の文化や芸術を伝えなければならないというシチュエーションになったときに、ミロのヴィーナスやミケランジェロのダヴィデ像などと並んで、日本の代表選手になるのがこのクラス
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仏像修復の話がこんなにもおもしろいとは思わなかった。予想外のうれしい驚きをくれた1冊。著者は(財)美術院国宝修理所(そんな施設があるんですねぇ)に勤めた後、独立して仏像や文化財の修復に携わっている人。名前は「いいずみ・としたか」と読むのだそうで(唐の太宗を思い出してしまった)。仏像の基本・修理の裏側・文化財保存と地域のつながりなどについて、数ページの短いエッセイが40編収められている。平安時代の仏像より江戸時代の仏像の方が壊れやすいとか、阿弥陀様だったはずなのに手をすげ替えられてお釈迦様に変身してしまった仏像があるとか、びっくりするような話が語られる。なかには、「一目見たら目がつぶれる」と伝承されていたため、寺の住職ですら見たこともない=盗まれたのにどんなものだったのか誰にもわからず探せない仏像の話があったりして、笑っちゃいけないと思いつつ笑ってしまった。著者はおじいさんかと思ったら30代半ばのまだ若い人。ガンダムのプラモデルと仏像を対比させたりして、固くなりがちな題材を素人にもわかりやすく料理している。著者自身のものと思われるイラスト・図解も飄々として秀逸。
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仏像を修復する方のホントに??みたいないろいろな経験談を交えながら楽しく仏像を知ることができる本かな(笑)見たら目がつぶれると言われて誰も見たことがない仏像が盗まれて、どんなものか誰も知らない…なんて笑えない実話もあったり実に興味深かった。ホコリまで全てお返しするという真摯な姿勢にはアタマが下がる。…にしてもどうもたとえ話が「ガンダム」だのと若いなあ…と思いながら読んでいたら大体同年代だった。なんか仏像修復なんて聞くとすごく高齢の方のような先入観があったんだけど☆こうやって技術や伝統が受け継がれていくのは素敵です。
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どんなに細かくなっても仏像はとっておくべきなんだなぁとでも本当に市役所の人とか専門じゃないのに 大変だなぁ
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めっちゃおもしろかった!
本屋でタイトルに惹かれて読んだが、仏像そのもののことから補修、保存のことについて、今まで考えてみなかった視点で書いてあり楽しい。仏像修復の過程で見つかる、技師たちの悪知恵の話とか。人が作るものなんだなあって気がします。イラストも可愛いんだ。
すごく取っ付きやすいし、文化財修復について意識するきっかけにもなるのでは?いろんな人に薦めてみたい本です。
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仏像修復師の作者さん(下の名前は「としたか」と読むらしい)のこぼれ話集なんだけど、かなり面白かった!
仏像素人さんでも仏像それなりさんでも楽しく読めると思います。
今残っている仏像さんの多くは修復をされているわけだから、この本を読んでこれから仏像さんをより深く鑑賞する心構えができたよ。
良書です。
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思ったよりは仏像修復の話ではなかった。半分ほどは仏像とは何か、そして仏像が壊れることについて。
ある程度基本を分かってもらった上で修復の話をすることでわかりやすくするという狙いか?
ある程度知った上でこの本を手に入れるだろうから、いきなり修復の話でも良かったけどなぁ。
まあでも、著者が比較的若いこともあり、プラモとかガンダムとかの例を挙げながらの話でなかなか引きこまれてしまった。
仏像の中にネズミが巣食うとか、腐ってしまうとか、ヘタすると罰当たりとか言われそうな内容を知ることができる結構貴重な本だと感じた。
一番おもしろかったことは、どの仏像も、作成されたときそのままの姿ではないってことかな。そう言われればそうですね、と。今後は仏像を見るときはそういう視点からも見るようになるかもしれない。
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親しみやすくてすいすい読める~。
多様な修理に感心し、御霊抜きと開眼供養に目からウロコが落ち、もし仏師がガンダムを作ったらって例え話に笑いました。
何より「壊れても仏像」ってタイトルがすてき。
維持する修理はともかく、新品同様に修理すると価値が下がる場合もあって(重要文化財から外れるなんてことがあるとは思いませんでした)保存が目的でもどこまで修理するかは微妙な問題か…。
仏像にはいつも「よく残ってたね」と声をかけるのですが、同時に「よく残してくれましたね」と残してくれた人にも感謝します。
彼らのお陰でものは残っていくからね。
いい読書をしました。
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著者は仏像修復を生業にしています。けれど、仏像とひと言でいっても種類はさまざま。壊れ方によって修復の仕方も違う。そんな修復の苦労話や仏像の基本知識などがわかりやすく書かれています。奥が深く、後世に残るこだわりの仕事、それが仏像修復です! 仏像を正面からだけではなく、作者や造られた年代を気にして拝観したくなります。
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興福寺の阿修羅像手前右手の前腕は明治期の後補だと知った事がきっかけで読んだ本。広隆寺の弥勒菩薩が本来は表面に漆で出来たパテのようなもので成形され、現在のものはそれが取れた「いわば骨格がむき出しになった状態」であるなど、お寺や美術館・博物館に飾られる古仏はほとんどなにがしかの修理をされている。それを意識してもっと奥行きのある鑑賞をしたくなる。
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NPOで仏像・文化財修復に携わる筆者が、仏像の基本や修復の実際について綴る。初心者にも分かりやすくおもしろい。