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紙の本
自分の脳に愛着がわいてくるかも?!
2012/08/19 20:23
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:桔梗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今流行りの脳科学
脳といえばぱっと思い出されるのは茂木健一郎さんだろうけど この池谷さんの本もおもしろい
一見難しい脳の仕組みと心のつながりを簡単にしかも面白おかしく説明してくれる
印象に残ったところをいくつか挙げてみると
まずひとつめ
ひらめきと直感とでたらめは違うということ
ひらめきというのは後からその理由を言えるが 直感は何となくそう思うだけなので理由が言えない
それでも『直感というのはわりかし正確で、正しい結論を導いてくれることが多い。』のだそう
なぜかというと
無意識にかつ自動的に積み重ねられた学習や経験が“直感”という形で表われるから
確かにそれは“でたらめ”とは全くの別物
ふたつめ
『記憶には即物的に「役立つ」以外の、別の側面があると思う。もっと根本的なところで記憶は「自分自身を創造している」』
などなど
いささか哲学的な話が多いかと思われる方のために 実用的なものもひとつ
好きな人を振り向かせたければ「何かを手伝わせる」作戦がいいそうです
ただし「使いっ走り」にならない程度に!!
理由は…
私もウン十年前にその作戦を知りたかったです
精巧にできていると思っていた脳が 案外いい加減で曖昧だったり
不要と思われるようなゆらぎやノイズを賢く有効利用しちゃったり
びっくりするような話や感心する話 くすっと笑っちゃうような話がぎっしり
次々と明かされる脳の意外な一面に
脳って案外可愛いやつなんだなぁと思っちゃいます
紙の本
知識の海に飛び込む、いや、知識の雨が降りそそぐ、かな。Webサイトは必見。
2009/07/28 17:10
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
数年前、著者がアメリカ留学中に行った講義の内容「進化しすぎた脳」もとても面白く読めましたが、今回母校で行った、というこの講義もそれを上回る面白さ、刺激でした。
テンポよく進む中で示されるのは、表題どおりの脳科学が示した人間の姿です。生き物は、とりあえず存在する機能を発展、使いまわして沢山のことを扱っている。基本の法則・機構は単純で、それだけででも説明できる部分がかなりある。ヒトが「心」を複雑なもの、と感じるのにはちゃんと理由がある、などなど。豊富な実験例を紹介しながらの説明は、(ときたまオヤジジョークで滑ってしまいそうなところもありましたが、)ポイントを要領よくおさえてくれてわかりやすいものでした。
脳の働きを示す実験としてよく取り上げられる「錯視」や、コンピュータのシミュレーションも例として沢山出てきます。中には動画でないと実感できないものもありますが、それを携帯やパソコンからみることができるようにしたことは新しい試みとしてなかなか成功しているといえるでしょう。「時間のずれ」を動画で体験するのは、やはりへー、本当だ、と「驚愕」です。コンピュータの画像が簡単なプログラムでなんだか「生物っぽい」動きをするのも、みていると「生きていると判定する」基準ってなんだろう、などとあらためて考えてしまいます。本を買ったら、Webサイトは必見。中でも複数ニューロンの変化を音楽のように耳で経時的に感じとるというのが、聴覚の特徴を上手に使っていて印象に残りました。
実験例がとても豊富、と書いたのですが、豊富すぎて「こういうのが科学が発展してくるとおきてくるなやみかな」などとも感じてしまいました。沢山の情報が、じっくり考えるまもなく(まあ、読書ですから、自分で途中で眼を離してもいいんですが)テンポよく示され、とまどうまもなく著者の結論が示される。最近の知識は、こんな風に「降るように」現れるのをどう受け止めるか、というのが問題なんだ、というのも体感したようです。
知識の海の中に飛び込む感じ。いや、知識の雨が降り注ぐ、感じでしょうか。表紙にも書いてありますが、「高校生とともに脳科学の深海へ一気にダイブ。」です。でもこの本の場合は、最初はちょっとおぼれそうになるかもしれませんが、著者のちゃんとしたガイドつきなので楽しく安心してドキドキ、はらはらできます。
「自由」や「心」といった問題にも、大胆に切り込んであります。「リカージョン(入れ子構造)」や「ラッセルのパラドックス」などをキーワードとしてなされる説明は、正しいかどうかはまだわかりません。でも、「心は複雑で簡単には理解できないすごいもの」と思いたがるように脳ができているかもしれない、と考えて見ることは一つの「冷静な」理解の一歩かと思います。少なくとも、「複雑で理解できないすごいもの」として「不可侵領域」にしてしまうよりはずっとよいようにおもわれるのですが。
先日、「脳科学と哲学の出会い」という本を読みましたが、そこでは哲学系のアプローチはまだこれから、という印象でした。「これから」と言っているうちに脳科学の方はこんなにどんどんいろんなことを出してきています。「自由」「こころ」をここまで単純にすっぱり説明されても、それでも心は大事、と思うのに変わりない。それをどう扱うか。わかってきたこと、を理解させてくれるこのような本をてがかりに、ちゃんと自分で考えることができるようでいたいと思います。
紙の本
この、本に書かれてありますことは、基本的には般若心経の「色即是空 空即是色」を証明しているようなものでしょう。
2010/02/07 21:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みどりのひかり - この投稿者のレビュー一覧を見る
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もし、天文学者・佐治晴夫先生がこの本の著者のように、高校生に脳のことを語ったとしたら、きっと般若心経を持ち出して来たでしょう。
こちらの{「ゆらぎ」の不思議な物語(佐治晴夫著)}に般若心経について書いておられるのですが、購入できませんとなっていますので、別の本を紹介しましょう。
こちら{金子みすゞをめぐって_1_Misuzu_talk(佐治晴夫著)}です。
般若心経については、{「色即是空」の研究_般若心経の読み方(山本七平_増原良彦著)}という良い本もありますがこれも購入できないのが残念です。図書館などで借りてください。
かならず読んでほしい般若心経の本は、こちらの
般若心経・金剛般若経_ワイド版岩波文庫_中村元_紀野一義訳註
です。
この、{単純な脳、複雑な「私」}に書かれてありますことは、基本的には般若心経の「色即是空 空即是色」を証明しているようなものでしょう。
我々の感覚器官について、脳での認識についての新しい発見がいろいろと書かれています。例えば赤い花を人が認識しているときの赤色は、同じ花を見ても蝶が認識している色は異なると言ったようなことです。眼の他に、耳や鼻や舌や身体の感覚についても同様なことが紹介されています。
参考までにこちらの押井守_脚本監督【DVD】うる星やつら:2ビューティフル_ドリーマーは、般若心経と同じテーマを扱っております。このアニメの声を担当した声優さんたちは大変な感動をしておりました。
これらは2000年くらい前にインドや中国ですでに考えられていたことであり、般若心経という経典にすっきりと纏められております。ただ、すっきりし過ぎて、つまり詳しくは説明してないので、まず、論理的に理解するのがなかなか難しいのですが、説明さえわかりやすくすれば、たいてい解ります。この{単純な脳、複雑な「私」}を読んだあとで、般若心経を読むとその論理がよくわかるようになるでしょう。しかし、この論理が解ることと、経典が言おうとしたことはまた別です。
経典が言おうとしたことはたぶんこちらでしょう。
宮澤賢治の「眼にて言ふ」堕落論・日本文化私観_岩波文庫_他二十二篇
日本人とユダヤ人_イザヤ・ベンダサン著
単純な脳、複雑な「私」の著者、池谷 裕二氏が般若心経をご存知かどうかはわかりませんが、読んでいなければこれから読んでほしいし、読んでいれば高校生への説明の場で、2000年の昔に先達がどれほどすごいことを考えていたかを語ってほしかったと思います。私“みどりのひかり”がこの本の中味を紹介するとすれば、まず、般若心経を説明するでしょう。
それから
数学する遺伝子_あなたが数を使いこなし、論理的に考えられるわけ
生物と無生物のあいだ(福岡伸一著)
「マックスウェルの悪魔_確率から物理学へ」都筑卓司著
歴史は「べき乗則」で動く(マーク・ブキャナン著水谷淳訳)
なども合わせて説明するでしょう。
そして、この本でも般若心経でも述べていますように、意思を持っていると思っている自分というものが実は疑わしいものであります。
だけどもそれで生きていきましょう、ということを語るでしょう。
紙の本
興味をお持ちなら、是非
2015/08/20 16:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:北の本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
ガザニカの本を3冊読了した後に、脳科学最前線のこの本を読んだ。タイムリーだった。
母校の高校の後輩への特別講義をまとめてもので、非常に平易に書かれている。
脳が全てをコントロールするという単純な図式ではなく、脳と身体各部位はフィードバックシステムで運営されている。身体の情報がなければ、脳は無明無音の箱の中の虜囚である。
心が痛むときには。実際に脳が痛みを感じている、生命のただ一つの定義はまだない、脳は合理的な物語を作りたがる等々、興味深い。どうも私たちは何も感じず、考えずいることが苦手らしいのだ。
各人の生命観を否定しない懐の深さにも感銘する。
海外の研究者やサイエンスライターと比べると、日本の研究者は、高度な内容を平易な文章で、ユーモアをもって書くことが不得手だと感じていたが、気鋭の研究者が、一般人にも分かり易く語ってくれることは嬉しい驚きだった(だが、ジレンマは強くあるらしい)。
身構えずとも最新の知見に触れられる、とても良い本だと思う。
紙の本
内容紹介&著者紹介
2009/05/14 18:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:朝日出版社 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ため息が出るほど巧妙な脳のシステム。
私とは何か。心はなぜ生まれるのか。
高校生とともに脳科学の深海へ一気にダイブ。
「今までで一番好きな作品」と自らが語る感動の講義録。
20年前に卒業した母校で、
著者が後輩の高校生たちに語る、
脳科学の「最前線」。
切れば血の吹き出る新鮮な情報を手に、
脳のダイナミズムに挑む。
・手を見れば、理系か文系か判別できる?
・ひらめきは寝て待て
・決断した理由は、脳ではなく、身体が知っている
・「心が痛む」ときは、脳でほんとに痛みを感じている
・進化の過程で、動物のパーツを使い回してヒトが完成した
・「君は30秒後にミスをする」
・僕らにある「自由」は、自由意志ではなく自由否定
・ランダムなノイズから生み出される美しい秩序――創発
・遺伝子は生命の「設計図」じゃない!
かつてないほどの知的興奮が沸きあがる、
4つの講義を収録。
池谷裕二(いけがや・ゆうじ)
1970年、静岡県藤枝市生まれ。薬学博士。現在、東京大学大学院薬学系研究科准教授。科学技術振興機構さきがけ研究員。堅実な実験と、斬新な視点に立った研究が国の内外を問わず、多くの人を惹きつけている屈指の脳研究者。記憶のメカニズム解明の一端として「脳の可塑性」に注目し、論文や学会に精力的に発表を続ける。2006年に日本薬理学会学術奨励賞と日本神経科学学会奨励賞、2008年には日本薬学会奨励賞と文部科学大臣表彰(若手科学者賞)を受賞。一方で、最新の科学的知見を一般にむけてわかりやすく解説する手腕は圧倒的な支持を集めている。主な著書に、『海馬』(糸井重里氏との共著、朝日出版社/新潮文庫)、『進化しすぎた脳』(朝日出版社/講談社ブルーバックス)、『ゆらぐ脳』(木村俊介氏との共著、文藝春秋)、『のうだま』(上大岡トメ氏との共著、幻冬舎)などがある。