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日本国の正体 政治家・官僚・メディア−本当の権力者は誰か みんなのレビュー

第18回山本七平賞 受賞作品

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みんなのレビュー16件

みんなの評価4.0

評価内訳

16 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

著者は、あの高橋洋一と組んで公務員バッシングに血道をあげたジャーナリストである。故あって、私は霞ヶ関・永田町で仕事をする機会を得た。中に入るまでは高橋洋一や長谷川氏の著作を面白がって読んでいた。「日本を良くするためには公務員改革は不可避」とさえ思っていた。しかし、実際に中に入って仕事をしてみると、彼が描く政治家、公務員の関係と実際のそれとは、かなり異なっていることに気がつかざるを得なかった。

2009/09/17 21:22

18人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者の論点の特色は官僚と政治家(政府、内閣総理大臣、官邸、議会)を対立概念として捉え、国民の選挙の洗礼を受けていない官僚が政治の実質を支配し政策を壟断して、「政策決定の担い手が議会から行政部に移」ってしまっていることが問題だとしている点だ。この国家の「行政国家化」が問題であることは、今では教科書(高校の政治・経済?)にも載っているそうだが、ここでは肝心な点が抜け落ちている。私もこの手の趣旨を高校で習った記憶があるし、今テレビでやっている「官僚たちの夏」では議会で経済産業省事務次官が政治家たちを怒鳴り倒していたりするので、てっきり「政治の実質は官僚が差配し、政策は政治家の頭越しに官僚が決めている」と思っていた。しかし、これは現実とは大きくことなるのである。なぜなら政治家(=与党の政治家)と官僚は同じ政府を組織する構成員であり、一体のものなのである。政治を論じるに当たり「政府=首相官邸」ではなく「政府=首相官邸+官僚組織」であり、日本の自民党政治ではこの政府の上位機関として「与党」というものが存在し、内閣提出法案の全てを与党が事前に審査しており、この与党の事前審査を通らない限り、全ての政策は実行不可能であるということを頭に入れておかないと、話がどんどんずれていくのである。

確かに政策を立案するのは官僚である。しかし、官僚はどういう政策を立案するかというと、与党(自民党)が好む政策を立案するのである。官僚はいわば政治家(与党)の手足であって、頭脳はあくまで政治家なのだ。霞ヶ関・永田町に行って見れば分かるが、与党政治家と官僚の上下関係は明白で、官僚の中でも出世コースに乗った人しかなれない局長が、当選数回の若手政治家に怒鳴られてヒラグモのように這いつくばって平身低頭する姿は、そこかしこで見ることが出来る。だから政治家と官僚が、あたかも対立しているかのように論じることは、頭脳と手足が対立関係にあるかのように議論することと同じで意味を成さない。現在のシステムにおいて、官僚が政治家を蔑ろにして政策を進めることなんか制度的にも法律的にも不可能なのである。

では長谷川氏が論じない問題点とは何か。それは自民党が築き上げた政策決定のシステムそのものにあるのである。議会を蔑ろにしているのは官僚が増長しているではなく、自民党の政策決定の仕組みが議会審議を蔑ろにするように出来ているのである。自民党の政策は省庁ごとに分かれた「部会」でまず議論される。この部会の組織自体に問題があって、部会が省庁別になっていて、それぞれにベテラン族議員がバンキョしているものだから、本来政治家がやるべき省庁の壁を乗り越えた政策の優先順位付けが出来ないようになっており、むしろ族議員が各官庁の代弁者・利害関係人になり官僚と一体となって「官庁の利害」を死守するように出来ているのである。だから各省庁の利害に反する政策(農業改革や貿易自由化、政策投資銀行の民営化、郵政事業の民営化)はそもそも自民党の政策決定システムで通り難い仕組みになっている。省庁別に分断された与党政治家=族議員の目的は票の獲得であり、その為に政府予算を自分の選挙区に流すことである。これに各省庁が全面的に協力すれば、各省庁には天下り先(独立行政法人、公益法人など)の増設や、既存の天下り先への補助金の増額、税の減免、政策投資銀行からの融資といった様々な見返りが供与される。この政官一体となった共存共栄の仕組を自民党は長い時間を掛けて築き上げた。しかしこの仕組は日本経済が高度成長を続け、毎年毎年「税の自然増収」があって、「余ったお金をどう使うか」が政治のほとんど唯一のイシューだった時代でのみ回転できたのであって、経済が低成長ゼロ成長マイナス成長になると維持不可能な仕組なのである。しかも、この仕組の悪いところは「衆参両院で多数を握る自民党が、議会審議に先立って法案を細部まで審議し、政府が法案を議会に提出する時には、法案に関する実質的な審議は全て終了している」ところにある。だから議会での議論は極めて形式的なものに堕し、「低姿勢」を貫いて木で鼻をくくったような中小答弁を繰り返して時間を稼ぎ採決に持ち込むか、数を頼んでの強行採決に踏み切るかのいずれかとなって、「その政策、その法案の何が問題か」は議会ではほとんど議論もされないし、従って修正もない(しかも一字一句)という事態になる。これでは国民の大半は今国会で何が取り上げられ何が議論されているのかほとんど知りようがない。でも自民党はかまわない。なぜならその政策に密接な利害関係を持つ業界団体は各部会に出席しており、すべてを了承しているからだ。もちろん各部会に紐ついている監督官庁も当然すべてを了解している。なぜなら原案を作ったのは手足たる官僚だからだ。

増税=大きな政府=霞ヶ関の権益拡大とする議論の単純化もいただけない。今の財政を圧迫している最大の要因は社会福祉関係予算である。しかも麻生の馬鹿が小泉様が定めた骨太2006を反故にした結果、毎年社会福祉予算は1兆円づつ増えていく、ほぼ自動的に。これを消費税増税なしにどうやってカバーしていくというのだ。世界の主要な先進国ではアメリカを除き消費税は15%を越えている。ドイツは19%だし、フランスは19.6%だ。日本では社会党が垂れ流した「消費税は逆進性の高い悪税」という妄説がいまだに蔓延っている。こんなもの、細川内閣時にサクッと上げておくべきだったのだ。

天下り批判も白々しい。「若手官僚は天下り目的で官僚になった人などいない」などという話はウソである。多くの東大生は、官僚になって全身全霊を職務に打ち込めば、生涯安心のシステムが保障されており、総額の生涯賃金が民間よりも上だからこそ官僚を志望しているのである。ちなみに幼少期より成績優秀で親戚中の期待を一身に集めていた私は小学生の頃から「役人になれ」と言われて育った。役人といえば市役所の冴えない人たちしかイメージ出来なかったので「どうして」と問いかけたところ、返ってきた答えは「そりゃ、役人になれば天下りが出来るからさ。銀行員が銀行の頭取になるのは大変だけど、大蔵省なら天下りで頭取にだってなれる」。だから私は小学生の時から天下りのことは知っていた。ちなみに毎年卒業生の8割を東大に送る筑波大附属駒場では高級官僚の子弟が多いこともあって「こんどうちの親父、財務省主計局から関税局に遷されちゃったよ」「え、それってやばくね?」。筑駒生は中学生の分際で、財務省のどの局、どのポストが出世コースか微に入り細にわたり知悉しているという(詳しくは別冊宝島参照のこと)。それにそもそも国家公務員は総人員抑制、総人件費削減の下、制度として天下りして外部に出ないといけない仕組になっているのだ。ここを触れずに、ただ天下り批判をしても意味はない。

著者は記者クラブ制度を諸悪の根源のように書くが、マスコミの体質については、記者クラブを廃止すれば解決するというものでもないように思える。

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紙の本

新聞は再生できるのか

2009/09/13 10:37

14人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る

 著者は「東京新聞(中日新聞)」の論説委員である。東京新聞の社説は比較的好きな社説である。朝日や読売、毎日とは違って本部が名古屋であるために中央と距離を置いた記事が書けるのかもしれない。
 
 さて、著者は記者クラブ制を批判しながらも、『記者クラブを廃止するかどうかが本当の問題ではない。』(p.208)と言っているが、著者だけでなく多くのマスコミ人が非難をしているのだから、廃止すればいいと思う。制度の問題ではなく、使う側の問題であることも確かだが、いまではうまく使えていないのだし、これだけの弊害があるものを残す理由はないと思う。政権が変わったいまがチャンスである。
 
 新聞大手は現在、大幅な赤字経営を強いられている。その原因はネットの影響のように語られることが多いが、私はそう思わない。新聞に欲しい情報が載っていないからなのである。著者も言っているように、通信社に任せることができる事柄は通信社に任せ、分析記事や意見表明記事に力を置くべきだと思う。官僚に踊らされ、官僚に不利な政策に関して表面的な批判記事を書いて、政府の足を引っ張るのと、反権力の行動を勘違いしてはならない。
 
 そこで、新聞(テレビも)は、中立などという建前を捨ててはどうだろうか。海外の新聞は決して中立の立場はとらない。新聞社としてなにを正しいと判断するか、なにを支持するか明確に打ち出すのが通常であり、それが自由主義国家のマスコミのあり方だと考える。政権が変わっても、官僚支配が終わるかどうかは不透明であるが、著者のように行政機構の肥大化が問題だと考えるならば、新聞、テレビはそれぞれの役割を果たさなければ、古い体質の政党とともに、衰退に向かうのは明らかであろう。
 
 ついでに、反官僚の旗手たちについて言うと、「なぜ、そんなに不注意なのか。」狙われるに決まっているのだから、どこを突かれても大丈夫なように行動できないのか。と不思議に思うのは、私だけだろうか。高橋の窃盗事件などは、本人が容疑を認めているが、本当に窃盗したのならばバカとしか言いようがないし、そうでないとしたら、もっと世間に知られたくないスキャンダルを握られているとしか考えられない。本間会長の女性問題にしても、立場ある人間ならばもっと清廉潔白に生きるべきと考える。悪くて権力があるものと戦うときは、どれだけ叩かれてもチリ一つでないような周到さが必要である。それは、国内に限らず、外交においても海外の情報機関にシッポを握られることになりかねないのだから。
 
 また、政治の世界でも、マスコミでも増税派と歳出削減派のどちらかに分かれて相手を攻撃しているが、現状はそんな甘いものではないと考える。両方を同時に行うことが必要だ。もちろん、その際増税で増える歳入を官僚に好きに使わせず、本当に必要な所につぎ込めるようにできるかが成否を分けることになるだろう。 

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本当の権力者=官僚?

2016/04/27 03:04

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

元官僚のポチ(=記者クラブ付き新聞記者)の視点から日本の政治・官僚制度の問題点と官僚にいいように使われ、独自の取材をしないマスメディアの実態を分析している。彼の結論は官僚がスキルの低い政治家を支配し、自分たちに都合のよい(天下り先確保)政策を通過させ、マスメディアは特ダネ欲しさにその官僚に媚びを売り、体のいい「官僚の代理人」となって官僚支配を増長させているということ。
まあ、そういう見方もあるということで参考になった。

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2009/11/06 19:03

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2010/03/28 19:25

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2011/03/05 21:38

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2011/06/27 21:58

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2011/07/13 13:36

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2011/08/16 12:15

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2011/09/02 02:02

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2012/04/16 04:55

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2012/06/02 20:38

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2013/02/18 00:43

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2014/07/05 11:34

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2017/11/04 08:12

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