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紙の本

健全な自尊感情とは

2009/08/12 05:40

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、2005年にイギリスで出版されたDeborah Plummerの
「Helping Adolescents and Adults to Build Self-Esteem」の
訳である。

Deborah Plummerは、2001年に
「Helping Children to Build Self-Esteem」第1版を出版しており、
監訳者も「Helping Children to Build Self-Esteem」を
先に手にしている。

子ども編の第2版が近々出版される予定であることがわかったため、
青年期・成人編を先に翻訳し、
その後に子ども編を翻訳することにしたとのこと。

子ども編の第2版もほぼ翻訳を終え、近々出版される予定とのことである。

監訳者が本書に出合ったのは、2006年9月のイギリスのヨークで開催された第16回のISPCAN(国際子ども虐待防止学会)だった。

  「Self-Esteem」を高めることは、子ども虐待やそれ以外の問題で
  診察・相談に訪れた、子どもや親の心の回復にいかに重要であり、
  また臨床場面には登場しない子どもや青年・大人にとっても
  重要なことであることを経験していたため、
  その内容を知りたいと思った。

  販売員に、この読者層を尋ねたところ、
  並んで売られていた認知療法に関する本は、
  心理士やソーシャルワーカーが買うことが多いが、
  この本は、教員が買うことが多いとのことであった。

  内容を見たときに、いわゆる論文のみでなく
  ワークブック形式となっており、
  日常の場面で使いやすそうな印象を受けた。

監訳者、訳者は、学校の先生や教員養成系の学生にとっても
有用ではないかということで、本書を訳したのだという。

私は、教員ではないが、読書に障害のある人への情報保障を
テーマとしてきたことから、
関連テーマとして、発達障害やディスレクシアに興味を持ってきた。

その中で、支援のキーとなる言葉として、語られたのが、
「Self-Esteem」を傷つけずに、子どもの自尊心を大切にすることだった。

この言葉については、今まで読んだ本の中で、
いろいろな言葉で説明されていた。

「自己肯定感」、「自尊感情」、「自分は捨てたものではないという感覚」など。

『ペーテルってどんな人? 知的障害をもつ人の全体像をとらえる』では、
こんな言葉で説明されていた。

  強い自己信頼をもつための必要条件は、
  あるがままの自分でも価値がある人間として
  認められるということがわかり、
  安心感をもっていることです。

  従って、他の人とのやりとりを通して、
  自分には何ができて何ができないのかを
  はっきり知らなければなりません。

  また、自分のどんな面でも安心して見せられるという経験も必要です。

「Self-Esteem」をメインテーマとした本が出たことを
本当に喜ばしく思うのである。

本書は、3つの部分から構成される。

第1部 理論的および実践的な背景
 第1章 自尊感情とは何か
 第2章 自尊感情と変化のプロセス
 第3章 イメージを使って活動すること
 第4章 スキルの伝達と維持
 第5章 グループとともに活動すること

第2部 自尊感情確立のための援助技法
 導入
 セクション1 はじめましょう
 セクション2 自尊感情とは?
 セクション3 私は誰?
 セクション4 よりより自分に目覚める
 セクション5 変化に挑戦する
 セクション6 自分を受け入れる
 セクション7 自分とまわりについて理解する
 セクション8 自分を信じて方向づけること、ストレスマネージメント
 セクション9 自己表現
 セクション10 問題を解決すること
 セクション11 目標を決めて、達成すること
 セクション12 その調子ですべてを続けましょう

第3部 インフォメーション・シートおよびワーク・シート

第3部は、セクション1からセクション12まであり、
第2部と同じ構成になっている、
書き込みができるシートである。

第2部の各セクションには第3部の各ワークシートのページ数が書いてあり、
参照しやすいようになっている。

本書では、自尊感情をこのように説明している。

  健全な自尊感情あるいは「ポジティブに自分を見ること」は、
  自分に自信を持つという感覚と関係しており、
  かつ自分自身をいとおしく、「受け入れられている」と
  感じることに関連しています。

  それは、自己概念の評価を含み、本当の能力とは
  しばしば関連しないものです。

  私たちは、生活のさまざまな領域において、
  さまざまなレベルの自尊感情を抱いています。

  これらのさまざまな「領域」における自尊感情が
  私たちの包括的な自己価値の感覚に影響を与える程度は、
  私たちがそれぞれの領域にどのくらいの重要性をおくのかによって
  違ってくるでしょう。

健全な自尊感情を確立し維持するのを手助けするためには、
次の7つの領域をすべて探求することが大切であると
著者は考えている。

1 自分について知る
2 自分とまわりについて理解する
3 自分を受け入れる
4 自分を信じて方向づける
5 自分を表現する
6 自分に自信を持つ
7 よりよい自分に目覚める

これらは、どれも望む方向であり、
また今まで自分を高めたいと考えて参加してきたセミナーは
このどれかの要素を含んでいるものだったとわかった。

第2部、第3部にある12のセクションは、
この7つの領域を基に作られている。

これらのワークはグループワークに向いた内容なので、
セミナーやワークショップや大学のゼミなどでの活用に適している。

やっているうちに意見交換がしたくなりはするが、
ひとりでできるワークを、
個人的に自分を見つめるためにやってみるのも楽しい。

自分に自信を持つことだけが、自尊感情ではないこと、
そして、そのままの自分を受け入れること/受け入れられることは、
何もしなくてそのまんまで良いということではなくて、
自分を理解して、受け入れて、
よりよい自分に目覚めることすべてを含むのだとわかった。

積年の疑問が氷解し、
なんとなくそうだろうと思っていたことに対する確信を得たのだった。

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2015/03/11 10:52

投稿元:ブクログ

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