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追想五断章 みんなのレビュー

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みんなのレビュー222件

みんなの評価3.6

評価内訳

220 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

リドルストーリーに脱帽です

2009/09/23 12:49

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:山茶 - この投稿者のレビュー一覧を見る

いやあ、良かった。
期待通りだった。

米澤穂信はおもいっきりミステリーマニアと思ってます。
なのでミステリーファンの期待を裏切りません。

依頼人の亡くなった父の書いた5つの小説を探して物語が進むのですが、
22年前の事件が絡んできて、
見つかった小説を読むと色々と想像できて、
なんともワクワクです。

しかも、見つかる小説が全てリドルストーリーなんですよ。
リドルストーリーとは最後の結末が書かれていないのです。
最後の結末を書くと蛇足になったりして面白くない場合などに
しばしば使われます。

今回は、別に父が5つの結末を残していて、
小説が見つかるたびに、それを付け足して読んでみて、
なぜ、リドルストーリーにする必要があったのか
なぜ、この結末なのか
などを考えながら、謎解きをやるんですよ。
そこが良かった。
色々想像できた。

最後はなんというか、
悲しい気持ちになったけど、
それをリドルストーリー5つで描いた父の気持ちは
ものすごく大切な宝物でした。

去年の「儚い羊たちの祝宴」の最後の一行の魔術といい。
今回のリドルストーリーといい、
期待を裏切らない手法に満足です

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紙の本

小説の中の小説に隠された真実

2009/10/01 01:38

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Spica - この投稿者のレビュー一覧を見る

一人の少女の文集の作文から物語は始まります。
背後から迫ってくる暗闇から逃げたいのに逃がれられない。
文章からはそんな不安と怖れが伝わってきます。
いったい彼女は何を怖れているのだろう、と冒頭から惹き込まれました。

伯父の古本書店で腰掛バイト中の芳光のもとに、ある日、一人の女性が訪れ、亡くなった父親が書いた短編小説を探して欲しいという依頼を受けます。父親の小説は全部で五篇。残されたメモから推察するにどれもリドルストーリー、すなわち読者に結末を委ねて結末を描いていない小説とのこと。

数少ない手がかりを頼りに探していくその捜索の過程も面白いですが、その見つかった小説と可南子が見つけたというリドルストーリーの結末の一行が明らかになっていくのが面白かったです。

さらに、物語を追ううちに芳光は、スイスで起こった「アントワープの銃声」というある事件に行き当たります。その事件の真相も小説同様、闇に包まれていて。

小説を見つけるごとに増えていく謎という、ぐいぐい読ませる手法にはまって一気に読んでしまいました。現実の事件と小説の結末とがリンクしていくのですが、それがリドルストーリーを使って巧く描かれています。

辿り着いた一つの結末。
そして一番最後に見つかった一篇。
本当の真実とは?

今までの米澤さん作品とはまた違った引き出しの中を見せられた感じです。
全篇を通じて重く静かな雪が降る中を、雪に足をとられながらも一歩ずつ真実に向かっているような静寂と重厚さが合わさった作品でした。

読了後に再び序章の文集を読むのがおすすめです。

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紙の本

結末の伏せられた小説をリドルストーリーっていうんですねえ、知りませんでした。で、このお話には五つのそれが入っていて、しかもそれが大きなミステリーに繋がっていく、雰囲気は古いんですが、それがなんとも味がある。古書を思うのが一番近いかもしれません。

2010/05/20 19:32

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

私だけの思い込みかもしれませんが、集英社ってソフトカバーを別にすれば、角背って少ないほうだと思います。カバーの紙質もどちらかというとマットではなく光沢のあるものが多い。あんまりエンボス加工のような紙自体に手触り感がある、そういうものは滅多に使わない。汚れがつき難いようにする、といった会社の基本姿勢みたいなものがあるんだと思うんです。ハードカバーは丸背、ソフトカバーは角背、みたいな考えも含めて。

そういう意味では、今回とりあげる『追想五断章』は、数少ない例外じゃないかな、って思いました。まずハードカバーで角背、どちらかというと講談社スタイル。で、カバーがマット気味の少しザラついた紙で、厚みはありませんが、触れていると紙を実感させます。で、小泉孝司の装画もどちらかというと他社風。装丁は芥 陽子(note)、集英社初登場ではないでしょうが、あまり染まっていない感じです。

ちなみに米澤作品を読むのは2006年に出た『ボトルネック』以来。あの小説、結末も含め全体を覆う暗い感じに感心しなかった・・・。で、暫し敬遠していたのですが、今回は評判のよさに惹かれてついつい手を出してしまいました。今回もまた明るいお話ではありません。何より主人公に纏わりつく不幸の空気が厭です。ま、それが米澤のデフォルトっていやあ、それでお終いナンですが。

主人公は、菅生芳光、休学中の大学生です。学資が続かず、現在は伯父が店主である菅生書店の居候となっています。伯父の菅生広一郎は、50歳を越えていて、芳光が手伝いに来てからは殆ど仕事をせずにパチンコをして暮らしています。古書店は神田を除けば、代替わりをきっかけに閉店ラッシュというのが現実のようですが、芳光以外にも、アルバイトに来ている笙子という大学生もいるくらいですから、菅生書店はその波に呑み込まれてはいないようです。

で、芳光が店番をしているとき、癌で亡くなった父親が叶黒白の名前で書いたと思われる少なくとも5篇の小説を探しているという女性が現われます。それが北里可南子で、年齢は明記されていませんが、4歳のとき、母を亡くし、松本で暮らし始めたのが5歳のときで、それから21年経ったとあるので現在26歳でしょう。彼女は芳光にその作品探しを依頼します。浮かび上がる過去の事件・・・

出版社のHPの言葉を借りましょう。
              *
物語はある古本屋から始まります。アルバイトの大学生・菅生芳光(すごうよしみつ)は、報酬に惹かれてある依頼を請け負います。依頼人・北里可南子の依頼は、亡くなった父・参吾が生前に書いた、結末の伏せられた5つの小説(リドルストーリー)を探してほしいというもの。調査を続けるうち、芳光は、未解決のままに終わった事件“アントワープの銃声”の存在に行き当たります。二十二年前のその夜、何が起こったのか? 幾重にも隠された真相は?
              *
現在に過去の事件が影を落とすというのはミステリに限った話ではありません。やはり大きいのは結末の伏せられた小説(リドルストーリー)の存在です。しかもそれが五つあるのです。各々の作品名は各章のタイトルになっています。目次を写せば

序章  わたしの夢
第一章 奇跡の娘
第二章 転生の地
第三章 小碑伝来
第四章 アントワープの銃声
第五章 彼自身の断章
第六章 暗い隧道
第七章 追想五断章
終章  雪の花

となります。出版社の刊行記念インタビューでも言及がありましたが、読んでいて連城三紀彦を思い出しました。連城の小説はもっと深く男女の関係にはいっていくような印象がありますが、米澤はそこまで情緒に流れてはいません。ただ全編を流れる暗さというか倦怠といった感じは、共通しているかもしれません。青春の輝き、といった言葉が全く当て嵌まらないほの暗い、まさに古書店のような雰囲気の作品です。

初出誌は、「小説すばる」2008年6月号~12月号で、単行本化にあたり、加筆修正した、とあります。

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紙の本

「青春後」の物語

2017/06/24 06:03

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

親の死により大学を休学、復学のための学費稼ぎと生活費を節約するために主人公は古書店を営む叔父の家に居候し、仕事を手伝うことに。
ちょっと映画『森崎書店の日々』に似ていなくもない設定だけど、こちらの主人公は男で、人生の展望をすでに暗く掴んでいるところが大きな違い。
そんなところに、信州から「生前父が小説を書いて同人誌などに発表していたらしい。その5編をすべて集めてほしい」と依頼が入る。 店主は叔父なれど、ちょうど対応に出たのは主人公。 報酬の金額につられて調査を始めてみたものの・・・それは“家族の秘密”に結果的に土足で踏み込む行為だった。

米澤穂信という作家、『古典部シリーズ』とかライトノベルタッチのところから出てきた方なのでハッピーエンド指向なのかと思いきや、意外にも「後味のよろしくない話」・「ラストがいまいちすっきりしない話」がお好きなのでは・・・と感じました。
これは幾分希望がにじむラストではあるけれど、その解釈も取りようによっては変わるので。
私の好きな『犬はどこだ』や『さよなら妖精』もそういう傾向があるし・・・『ボトルネック』はかなりマイナスな方向のラストだと解釈しましたし(『インシテミル』はだからちょっと別方向だと思います)。
この方は、ミステリやどんでん返し要素がなくても、読ませる物語をいつか書く人だ、と思っています。(2011年4月読了)

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2009/08/28 01:20

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2009/09/01 09:22

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2010/10/23 04:39

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2009/09/06 21:51

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2009/09/14 17:22

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2009/09/19 00:26

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2009/10/06 19:50

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