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これは果たして、この本に必要なのだろうか?と問いたくなる記述も多いが、実際の三島とのやりとり、具体的なエピソードには、読者を惹きつける力がある。
あと、スーザン・ソンタグが読みたくなる、そんな1冊です。
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平凡パンチの記者として、三島由紀夫に関わった椎根和氏の書いたノンフィクション。三島由紀夫の、側面が面白い。
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平凡パンチの編集者であった作者から見た三島由紀夫の姿も面白かったけど、学生運動に揺れ、新しい文化と古い文化がごちゃまぜになっていた当時の様子が特に面白かったです。ビートルズが来日し、街中で学生と警察が押し合いへし合いし、雑誌が面白おかしく記事を書きたてる、そんな時代の浮かれた熱っぽい雰囲気が感じられました。
しかし、作者の視点の先には常に三島の死があり、そこに近づきも離れもしないので、読み勧めるにつれ多少じりじりとする感じがあったのですが、作者あとがき、そして解説をよんで、すっかり腑に落ちました。この本自体がしっかりとした回想録でありつつ、現在進行形のお話なんだなと感じました。
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1969年、あの狂乱と闘争の季節…。『平凡パンチ』誌の最後の三島番記者が、自決までの3年間の肉体と精神の素顔を明かし、自衛隊乱入事件の「真実」に迫る。
「新宿駅で機動隊と学生が衝突している夜、すでに時代を代表する作家だった野坂昭如と三島由紀夫がそれぞれ観戦記を書くため『平凡パンチ』の腕章をして現場にいた」三島が「ビートルズ日本公演を観た感想を『女性自身』に投稿した」「『平凡パンチ』に盾の会隊員募集広告を出した」「『もーれつア太郎』の大ファンだった」etc.…作品を通してしか三島を知らない世代にとって、「キムタクなみのスーパースターだった」当時の三島像を描いた興味深い本だった。
(C)
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筆者(平凡パンチ誌の、三島の番記者)は三島に剣道を習ったり、
結婚式でスピーチを貰ったりしたらしい。
なんと羨ましい。3日でいいから代わって欲しい。
私が生まれたのは既に三島は腹切った後だったので、同時代を
生きたことはありません。
ヤングミシマニアにとって本や映像に頼るしかない状況なのに、
本はやたらと三島を神格視したものばかりで
映像や写真が嫁が抑えてて世に出したがらない。
そんな逆境の中で、かなりナマの平岡公威が描かれているのがこの
本の最大にして唯一の見せ場でした。
ハンバーグの食べ方とか、ブランド大好きな癖に靴だけ手抜きとか。
この辺りは面白かった。
リード文ほど三島個人とのエピソードがあるわけではなく、
後半は平凡な三島考察本と変わらないのが残念。
(実はそれほど仲良くなかったのでは?という説も)
もっともっと実際に三島と接していた人ならではの内容が欲しくて、
不完全燃焼。
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タイトルに対して私が抱いてた期待と後半部分がまったくかみ合わず。
最後は意見を押し付けられるみたいで読むのしんどかった。。
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週刊誌編集者の立場から三島がどう映っていたが、文士や憂国の士の側面からではない、ポップスターとしての三島の姿が鮮やかに描かれている。最後の方はベルグソンやらユングやらがめちゃくちゃだが、それこそが三島だったのだ、とは言える。
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数多くの伝説を残した三島だけに、ただの交友録が売られている現在、しっかり三島を論評しようという明確な意思がうかがえる良本。
私はこんなに仲がよかった、という回顧録に陥っていない。
三島の映画や絵画に向かう「(視覚的)映像的性質」が……、という観点はおもしろい。
深くうがっていると思う。
そして三島は「ポップアート」を目指していたのではないか……、という観点。
こちらも牽強付会な感は否めないが、なるほどと思わせるところ、多々あり。
惜しいところは、筆の運び・論の進め方が(意図的であるにせよ)ばらばらで、取り留めのないこと。
年度順にしたり小テーマを設けるなりありそうなものを。
ともあれ三島のポップセンスに着目した作家論として、後々まで残る本。
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平凡パンチから見た、ポップスター三島の姿。楽しそうな三島がここには居る。石原新太郎の書いた、三島由紀夫の残日録と併せて読むことをお勧めします。
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(しばらくレビューを書くのをさぼっていたので、ここから何冊かは順不同)
台風のときに、電車の中での暇つぶしのために駅の売店で買った本。意外に楽しめた。三島由紀夫という人は、同時代に生きた人々にとっては強烈な刺激を与える人物だったんだろうなぁ・・・!
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COMIC アレ!という雑誌で漫画デビューしかけたことがある。当時お世話になった編集長のお名前を図書館で目にして、もぎ取るように借りた。以前から敬愛していたお方だが、その教養・読書量・分析力に、尊敬の念を新たにした。
あの三島から剣道を習い、道場の風呂で背中を流したというのだから、ファンとしては羨望でクラクラしてしまう。
政治とアングラその他モロモロ渾然一体となった60年代末の熱気は、小学生の自分にも伝わっていた。本書はサブカル水滸伝の趣がある。